現場で大切にしていること-第1回|見えなくなるところほど丁寧に
家づくりでは、完成した時の外観や内装、キッチンや照明など、目に見える部分にどうしても関心が集まります。
もちろん、見た目の美しさや空間の心地よさは、とても大切です。
毎日暮らす場所ですから、デザインや素材感、居心地の良さには、私たちもこだわって設計しています。
ただ、家の本当の安心や快適さは、完成してから見える部分だけで決まるものではありません。
むしろ、壁の中、床下、天井裏、断熱材、気密処理、下地、配線、配管など、完成すると見えなくなってしまう部分にこそ、大切なことがたくさんあります。
例えば、断熱材がきちんと施工されているか。
気密の処理が丁寧にされているか。
将来、手すりや棚を付けるための下地が入っているか。
配線や配管が無理なく納まっているか。
こうした部分は、完成してしまえばお客様の目には見えません。
ですが、暮らし始めてからの快適さや、使いやすさ、メンテナンスのしやすさに大きく関わってきます。
当社では、FPの家の断熱パネル施工や気密処理をとても大切にしています。
高気密・高断熱の家は、材料が良ければそれだけで完成するものではなく、現場での一つひとつの施工の積み重ねが大切です。
隙間ができないように確認する。
納まりを考えながら施工する。
必要なところは写真に残し、後からでも確認できるようにする。
そうした小さな確認の積み重ねが、家の性能につながっていきます。
また、建て方前の材料の養生や、雨の日の判断なども、現場で大切にしていることのひとつです。
構造材や断熱パネルを濡らさないようにすることは、家を長く良い状態で保つためにも大切なことだと考えています。
工事は、ただ図面通りに進めればよいというものではありません。
現場に立つと、図面だけでは見えなかった納まりや、暮らしの使い勝手に気づくこともあります。
スイッチの位置。
家具とのバランス。
照明の当たり方。
収納の使いやすさ。
そうした部分も、現場で確認しながら、より良い形になるように考えています。
家づくりは、完成してから見える部分だけでなく、見えなくなる部分の丁寧さが、最終的な住み心地に表れるものだと思います。
お客様には見えにくい部分だからこそ、私たち作り手が責任を持って確認し、丁寧に進めることが大切です。
これからも、見えなくなるところほど丁寧に。
そんな思いを大切にしながら、一棟一棟の家づくりに取り組んでいきたいと思います。
間取りと動線-第1回|屋根裏を活かして、平屋に広がりをつくる
平屋の家は、階段の上り下りが少なく、暮らしやすい間取りとして人気があります。
生活の中心がワンフロアでまとまるため、家事動線も短くなり、将来的にも安心して暮らしやすいという良さがあります。
ただ一方で、平屋はどうしても敷地の広さが必要になりますし、収納や趣味のスペース、子どもさんの遊び場などを考えると、もう少し余裕がほしいという場合もあります。
そんな時に有効なのが、屋根裏空間を利用したロフトです。
今回ご紹介するのは、平屋をベースにしながら、小屋裏を活用してロフト空間を設けた事例です。
ロフトというと、はしごで上がる小さな収納スペースをイメージされる方も多いかもしれません。
しかし、こちらは階段で上がれるロフト空間ですので、使い勝手もよく、単なる物置ではなく、ひとつの大きな空間として活用できます。
屋根の形に合わせた勾配天井の下に広がる空間は、通常であれば屋根裏として隠れてしまう部分です。
そこを無駄にせず、床をつくり、窓を設け、明るさや風の抜けも考えながら計画することで、かなり広がりのあるスペースになります。
収納として使うのはもちろん、子どもさんの遊び場、趣味のスペース、書斎、季節物を置く場所など、暮らしに合わせていろいろな使い方ができます。
また、FPの家では屋根断熱遮断パネルを使用することで、屋根面でしっかりと断熱を行います。
そのため、小屋裏だから極端に暑い、寒いという空間になりにくく、家全体の断熱性能を保ちながら、屋根裏部分まで有効に使うことができます。
平屋の良さは、暮らしの中心がまとまりやすいこと。
そこにロフトを加えることで、普段の生活動線はシンプルにしながら、必要な時に使える余白のような空間を持つことができます。
間取りを考える時は、部屋数や広さだけでなく、建物全体の空間をどう活かすかも大切です。
屋根裏として隠してしまうのではなく、暮らしに役立つ場所として活かす。
そんな工夫によって、平屋の可能性はさらに広がります。
性能・断熱・気密-第1回|断熱性能は、冬だけでなく夏の暮らしにも効いてきます
家づくりで「断熱性能」というと、冬の寒さ対策を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、冬に暖かく過ごせることは、断熱性能の大きな役割です。
外の寒さを室内に伝えにくくし、室内の暖かさを外へ逃がしにくくすることで、家の中の温度を保ちやすくなります。
ただ、断熱性能が大切なのは冬だけではありません。
実は、夏の暮らしにも大きく関係しています。
夏は、外の強い日差しや熱気が家の中に入り込もうとします。
断熱性能が低い家では、外の暑さが壁や屋根、窓まわりから伝わりやすく、室内も暑くなりやすくなります。
そのため、エアコンを強くかけても、なかなか涼しくならなかったり、止めるとすぐに暑くなったりすることがあります。
一方で、断熱性能の高い家は、外の暑さの影響を受けにくくなります。
冷房で整えた室内の涼しさも逃げにくいため、エアコンに頼りすぎず、安定した室温で過ごしやすくなります。
特に最近は、5月でも真夏のような暑さになる日があります。
これからの家づくりでは、冬の寒さだけでなく、夏の暑さにどう備えるかも、とても大切な視点だと思います。
また、断熱性能が高い家は、家の中の温度差も少なくなりやすいです。
リビングだけが涼しくて、廊下や洗面所が暑い。
2階に上がると、むっとするような暑さを感じる。
そうした不快な温度差を減らして、家全体をできるだけ穏やかな温度環境に近づけていくことが、これからの住まいには求められていると思います。
ライフ・コア デザインオフィスでは、FPの家の高い断熱性能を活かしながら、家全体を心地よく整える住まいづくりを大切にしています。
断熱は、単に「寒くない家」をつくるためだけのものではありません。
夏の暑さをやわらげ、冷暖房の効率を高め、一年を通して快適に暮らすための大切な基本性能です。
家の性能は、完成してから簡単に変えられるものではありません。
だからこそ、家づくりの最初の段階で、断熱性能についてもしっかり考えておきたいものです。
冬も夏も、できるだけ無理なく、心地よく暮らせる家。
そんな住まいを考えるうえで、断熱性能はとても大切なポイントになると思います。










