夕暮れに映えるSGLガルバ外観|オリジナル「ランダムタテハゼ張り」の家

今日は、夕暮れの時間帯に撮影した外観写真をご紹介します。
空が深い青に変わっていく中で、室内の灯りがふわっとにじむ瞬間は、住まいの表情がいちばん美しく見える時間だなと感じます。

ランダムタテハゼ外壁

この建物は、外壁にSGLガルバリウム鋼板を採用し、当社オリジナルの**「ランダムタテハゼ張り」**で仕上げています。
タテハゼのシャープな縦ラインをベースにしながら、リズムを“均一にしすぎない”ことで、近くで見たときにも単調にならず、素材の表情が豊かに見えるのが特徴です。

この「ランダム」の狙いは大きく3つあります。
1つ目は、継ぎ目(ハゼ)の間隔を整えすぎないことで、光と影の出方に揺らぎをつくること。夕暮れや曇天、冬の斜光など、福井らしい空の下で外壁がのっぺり見えにくくなります。
2つ目は、箱型のシンプルな形ほど出やすい**“単調さ”を、素材の張り分けではなく「面の表情」で解消する**こと。色を増やさず、あくまでガルバ一枚で勝負します。
3つ目は、職人さんの手仕事が活きる納まりにできることです。ハゼの通りや端部の取り合いは、ほんの数ミリで見え方が変わります。設計側で狙いを決め、板金職人さんの精度で仕上げる——この掛け算が、外観の“品”につながります。

また、下屋まわりにはコンクリートの壁を設けて、外からの視線や街並みとの距離感を丁寧にコントロールしました。
外側は落ち着いた表情にしつつ、内側は安心して開けられる——「外からは閉じて、内にひらく」という考え方で、暮らしやすさとデザインを両立させています。

窓もあえて大きさや数を増やしすぎず、必要な場所に必要な形で配置しています。
夕方の灯りが窓から見えるだけで、家全体の“温度”が伝わってくるのが不思議ですね。

そして、見た目だけでなく住まいの基本性能も大切にしています。
当社はFPの家をベースに、高気密高断熱計画換気24時間の全館冷暖房という考え方で、一年を通して安定した快適性を目指しています。
こちらの住まいのC値は0.092㎝²/㎡。現場の丁寧な気密施工を積み重ねた結果として、しっかりと数値にも表れました。

外観がかっこいいだけではなく、日々の暮らしの中で「この家、やっぱり心地いいね」と感じていただける住まいを、これからも丁寧につくっていきたいと思います。

最後に設計者目線で少しだけ。
このランダムタテハゼ張りは、ただ“ランダムに張る”だけでは成立しません。ハゼの通り、割り付け、端部の納まり、ラインの通し方——どれもバランスと精度で見え方が変わります。
設計側で狙いを整理し、現場でそれを寸分違わず形にしてくれるのは、板金屋さんの経験と技術あってこそです。今回の外観の静かな迫力は、まさにその手仕事に支えられています。

装飾でごまかさず、素材と納まりで魅せる。だからこそ、こうした職人さんの仕事が一番の見どころだと感じています。

福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。

2025年12月14日(日) 16:31 | カテゴリー: お役立ち, エクステリア, デザイン, 作り物, 日記, 納まり, FP工法   パーマリンク| |

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