夜に浮かぶ、行灯のような障子
今回ご紹介するのは、タタミコーナーを囲う“デザイン障子”。斜めの線が入った障子が、昼はやわらかく光を通し、夜は行灯のように空間の主役になります。和の要素を、いまの暮らしに馴染ませる工夫も少しだけお話しします。
【“仕切る”より“やわらかく包む”】
リビングの中に、落ち着ける「小さな居場所」があると暮らしが整います。
ただ壁で囲ってしまうと、せっかくの広がりや空気感が止まってしまうことも。
そこで障子の出番です。視線はやわらかく遮りつつ、明るさはきちんと回してくれます。
タタミの静けさを守りながら、家族の気配はほどよくつながる。
この“ほどよさ”が、実は一番難しくて、一番心地いいところだと思います。
囲い方ひとつで、同じ面積でも「使える時間」が増えるのが面白いですね。
【線のデザインと、職人の精度】
今回のポイントは、縦横の格子ではなく、斜めの線を重ねた意匠です。
ランダムに見えて、全体のバランスが崩れないように線の太さや交点を整えています。
障子は「建具(たてぐ)」といって、開け閉めする部材なので、精度が暮らしやすさに直結します。
動きが渋い、紙が波打つ、すき間が出る——こうした違和感は毎日の小さなストレスになります。
木の癖を読みながら、建付け(たてつけ=動きの調子)を追い込むのは、職人さんの腕の見せどころ。
派手さよりも、触ったときに伝わる“静かな品質”を大切にしたい部分です。
【夜の表情をつくる、光の仕込み】
この障子が一番きれいに見えるのは、実は夜かもしれません。
内部の光が障子紙を通って広がり、面で光る“やさしい明るさ”になります。
直接光源が見えないので、まぶしさが少なく、リビングの雰囲気も落ち着きます。
吹抜けのある空間では、光が散って暗く感じることがありますが、こうした光の拠点があると安心です。
照明計画は「明るさ」だけでなく、「どこに影を残すか」も設計だと感じます。
家の中に、行灯のような灯りがひとつあるだけで、夜の時間が少し丁寧になりますね。
障子のやさしい光は、家族の時間を静かに支えてくれます。細部を整え、長く愛せる家づくりを続けます。福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。
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