土縁アプローチ
昨日今日と、貴重な晴れ間でしたので、二日とも外の作業を割り当てて作業させていただきました。
今日は、久しぶりに勝山の現場へ行き、残工事を終わらせるのと、お隣の家の雪囲いを造らせていただきました。あとちょっと作業が残りましたので、明日は雨でも行ってきたいと思います。大きなカーポートがあるので、作業するには便利ですね。
暗くなってから、撮り損ねていた土縁アプローチの写真を撮らせていただきました。長いでしょ。
中央に柱が見えますが、そこからまだ奥があります。このスペースがすべて雪囲いで覆うことが出来るので、冬でも快適に出入りができると思います。
ロフトに機能
片流れ屋根を利用した、細長い廊下のようなロフトは、もちろん収納スペースとして利用するのですが、エアコンをロフトに設けて夏場の冷房に大いに活躍させます。
実際、工事中にも夏場ロフトに付けた仮設エアコンが大活躍しました。一般の家では小屋裏物置にエアコンを付ける考えはないでしょうけれどね。
上の写真は2階洋間の吹き抜けにつながる部分です。日中の採光を落とす機能も持たせていますね。
キッチン・保冷庫
キッチンは独立型ですが、土間スペースに向かっては対面に近い感じになります。南側に位置する土間スペースからの配膳と、採光も拾う感じで正面の壁を開口にしました。
開口部が開けたり閉じたりできるのは、土間スペースが趣味の部屋として独立する感じも欲しかったからですね。
キッチンに隣接して保冷庫が設置してあります。こちらはFPパネルで6面を囲われた、まさに大きな冷蔵庫ですね。温度は5℃から15℃の間で設定できます。
キッチンと隣接させるのに、間取りをよく考えないといけませんが、うまく納まるとこれはなかなかいいものです。
土間からキッチン
こちら土間スペースの流し台側を見た写真ですが、正面の障子を開けると、向こう側はキッチンになります。
土間スペースは、そば打ちをしたり食事もするスペースになっていますので、キッチンとのお皿のやり取りなんかも出来るといいなと考えたものです。
正面の黒い壁は、キッチンパネルになっていて、黒のクロスと色合わせをしています。言われないと気付かないくらいですね。
土間からLD
こちらは土間スペースからリビングを見た写真です。
こうやって解放していても、土間だからって寒くないのがFPの家の良いところです。
閉じて使えるようにしたいというご要望にもお答えして、下記の写真のように閉じることも出来ます。格子戸が和の雰囲気を出して、いい感じになりました。
LD・吹き抜け
こちらはダイニングからリビング吹き抜けをちょっと見上げた写真です。本当はお天気の良い日中に撮っておきたかったですね。
吹抜窓からお隣の松の木がちょうど見えます。なかなか普通はこんなうまく借景も出来ないのですけれど・・・。
実際は、下の掃出し窓を開けると、お隣の錆びた板金の外壁が見えてしまうので、けして景観の望める場所ではありません。むしろ雪囲いをしていたほうがいい感じです。
落雪させることを考えると、庭は割愛せざるをえませんでしたね。まずは雪から守ることを優先させました。
2Fホール・本棚
こちらは、2階ホールの本棚です。1階階段吹抜けの手すり兼用ですね。
これは当初、単行本の大きさの本棚がたくさん欲しいというご要望があったのと、2階ホールにピアノを上げるために、手すりが外せると搬入できるという考えがありまして、手すりを脱着できる本棚で造れば両方解決するという意味でできたものです。
結局、ピアノは業者の方がバルコニーのほうが楽に入れられるということで、ピアノを入れてから取り付けという段取りは無くなりましたが・・・。
ともかく、壁みたいになるより、スケルトンにしようと考え、自立しても構造上強くすること。そして意匠上きれいに見えるように、マス目のデザインとしました。
本が後ろに落ちないように、すべての棚板の後ろに当たりが付いています。家具屋さんもこれは手間がかかったと言っておりましたね。
2Fホール・構造
こちらは2階ホールの写真です。天井は、屋根のFP遮断パネルの勾配なりに高くなっており、小屋裏空間につながっています。
今回の建物は、いつもより梁の露出が少ないのですが、この空間だけは思い切って表しにしています。
屋根は自然落雪なのですが、北陸の雪は重くべたっと屋根にくっつきますので、重みに十分耐えられるよう、母屋の数も通常の倍にしております。
構造的な梁のかかり方とプランとの構成は、設計時点で入念に検討しておく必要があります。特に階段廻りは階段の納まりがわかる設計士でないと、現場がきちんと納まりませんね。階段の納まりが悪い建物は、設計士の腕がないのと同じですね。
構造の掛け方も、幾通りもの案からこれでと考えていく過程もとても大切です。それが、設備の配管と絡みあったりもしますから、すべてがわかっていないといけない。
いろいろ考えてこそ、すっきりと納まって見える空間になります。ですからやはり手を抜けないですね。
型を身につける
今日は照明器具メーカーのダイコーさんのセミナーに参加してきました。
名物社員さんである高木さんの講演は、ダメな照明計画をズバズバ指摘して、とてもユニークなんですが、実はデザイナーと呼ばれる人たちの手抜きを叱っている心優しき方ですね。
講演の前に「タカギゴロク」というのがスクリーンに流れていて感心したのですが、その中でも心に残ったのは、「型を身につける」という言葉。
「まず、師匠にならってしっかりマネをして型をつくることが大事。それが出来てから初めて型破りが出来るんだ。」というような内容でした。
ここでもパソコンにかじりついてデザインだけしているような人たちを、厳しく叱っていましたね。やはり現場で見て感じて、学んでいくことが大事という話が心に響きました。
上の写真は、リビングの吹き抜けを間接照明で照らしたものです。壁についているブラケット照明は消した状態ですね。
こちらは、壁のブラケット照明も付けた状態です。これで照度はとれますので、ソファーを置いたら、そこで新聞は読めるような明るさになります。
でも、どちらかというとブラケット照明を落としたほうが、柔らかい明るさで雰囲気はいいですね。TVを見る時は間接照明で十分だと思います。
照明は必要に応じて使い分けられる多灯使いがよいですね。とにかく、明るければいいというレベルの照明計画をしているようでは、基本の「型」はいつまでたっても身につかないと思います。