生活感を隠せるパントリー設計
施工事例「BABEL」のパントリーをご紹介します。
エントランスからLDKがオープンにつながる間取りほど、視線の先が整って見える工夫が効いてきます。収納量だけでなく、“隠せる”ことで暮らしがすっと軽くなる実例です。
【1】オープンなLDKほど「見え方」を先に決める
エントランスからLDKまで視線が抜けるプランは、開放感が魅力です。
その一方で、生活の道具が目に入りやすいのも正直なところです。
そこで「見せる場所」と「隠す場所」を最初に整理しておきます。
パントリーは使いやすさの中心ですが、見え方の中心にもなります。
扉を閉めたときに壁面の一部として馴染むよう、納まりを揃えました。
空間が整うと、照明の陰影や素材の質感もきれいに出てきます。
結果として、普段の暮らしが“片付いて見える”設計に近づきます。
【2】深さと間口、そして「作業できる」収納へ
BABELのパントリーは奥行きをしっかり取り、間口も広めに確保しました。
通路として通るだけでなく、立ち止まって作業できる余裕を残しています。
カウンターを設けると、買い物袋の仮置きや仕分けがとても楽になります。
引き出しがあると、細かな物が迷子になりにくく、定位置も作りやすいです。
収納は量だけでなく、取り出す動作が短いほど続けやすいと感じます。
こうした“使い続けられる形”は、打合せの段階で一緒に整えていきます。
暮らし方を伺いながら、無理のない運用を想像して決めるのが大切ですね。
【3】「隠せる」ことでデザインと気持ちが整う
今回は夜の撮影で、あえてパントリー内のダウンライトを消して写しました。
明かりを抑えると、LDK側の照明計画が引き立ち、奥行き感も出ます。
そして扉を閉めると、パントリーは大きな引き戸でしっかり隠せる仕様です。
来客時だけでなく、日々の“とりあえず置き”を受け止める場所にもなります。
見えない場所があると、家事の途中でも一度リセットしやすいんですよね。
設計の工夫に加えて、引き戸の建て付けや隙間の揃い方も仕上がりを左右します。
現場の丁寧さが、こうした静かな気持ちよさにつながると実感しています。
「隠す収納」は、片付けのためだけでなく空間の美しさを守る仕組みだと思います。福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。
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夜に浮かぶ、行灯のような障子
今回ご紹介するのは、タタミコーナーを囲う“デザイン障子”。斜めの線が入った障子が、昼はやわらかく光を通し、夜は行灯のように空間の主役になります。和の要素を、いまの暮らしに馴染ませる工夫も少しだけお話しします。
【“仕切る”より“やわらかく包む”】
リビングの中に、落ち着ける「小さな居場所」があると暮らしが整います。
ただ壁で囲ってしまうと、せっかくの広がりや空気感が止まってしまうことも。
そこで障子の出番です。視線はやわらかく遮りつつ、明るさはきちんと回してくれます。
タタミの静けさを守りながら、家族の気配はほどよくつながる。
この“ほどよさ”が、実は一番難しくて、一番心地いいところだと思います。
囲い方ひとつで、同じ面積でも「使える時間」が増えるのが面白いですね。
【線のデザインと、職人の精度】
今回のポイントは、縦横の格子ではなく、斜めの線を重ねた意匠です。
ランダムに見えて、全体のバランスが崩れないように線の太さや交点を整えています。
障子は「建具(たてぐ)」といって、開け閉めする部材なので、精度が暮らしやすさに直結します。
動きが渋い、紙が波打つ、すき間が出る——こうした違和感は毎日の小さなストレスになります。
木の癖を読みながら、建付け(たてつけ=動きの調子)を追い込むのは、職人さんの腕の見せどころ。
派手さよりも、触ったときに伝わる“静かな品質”を大切にしたい部分です。
【夜の表情をつくる、光の仕込み】
この障子が一番きれいに見えるのは、実は夜かもしれません。
内部の光が障子紙を通って広がり、面で光る“やさしい明るさ”になります。
直接光源が見えないので、まぶしさが少なく、リビングの雰囲気も落ち着きます。
吹抜けのある空間では、光が散って暗く感じることがありますが、こうした光の拠点があると安心です。
照明計画は「明るさ」だけでなく、「どこに影を残すか」も設計だと感じます。
家の中に、行灯のような灯りがひとつあるだけで、夜の時間が少し丁寧になりますね。
障子のやさしい光は、家族の時間を静かに支えてくれます。細部を整え、長く愛せる家づくりを続けます。福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。
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夜のリビングを決める、TV壁面
モデルルーム“DUNE”の夜の一枚です。テレビボードまわりは家の「顔」になりやすい場所。だからこそ、光の当て方と収納の考え方で、暮らしの気分が変わります。写真の空気感を手がかりに、真似しやすいポイントをまとめます。
【1】全てを明るくしすぎないが鍵
夜のリビングは、明るさよりも落ち着きが大切だと感じます。
この写真では、天井際の間接照明(壁を照らす光)が主役になっています。
光源が直接見えないので、目にやさしく、空間がすっと整います。
テレビの背面まで光が回り込み、浮いて見える感じがいいですね。
照明計画は「器具を選ぶ」より「どこを照らすか」を先に考えると失敗しにくいです。
昼の採光と違って、夜は光の線一本で印象が決まるので、設計の腕の見せどころでもあります。
DUNEでは、その“線”をきれいに見せるために、壁と天井の納まりまで丁寧に整えました。
【2】テレビボードは「隠す」と「飾る」の両立
テレビまわりは、配線機器や小物が増えやすい場所です。
だから造作(現場に合わせて作る家具)で、配線や機器をできるだけ表に出さず、すっきり見せる工夫を入れています。
写真のように、横に伸びる低いボードは、視線を落ち着かせてくれます。
前面の横格子は、表情をつくりながら、重たく見えないのが良いところです。
そして、天板の上に季節の枝ものや小物を少し飾れるだけで、生活に潤いが生まれます。
テレビは「ただの黒い箱」になりがちですが、周辺を整えると、暮らしの背景として気持ちよく馴染んできます。
こうしたバランスは、緻密な設計と、現場の大工さんや家具職人さんの手仕事があってこそ成り立ちます。
【3】“かっこよさ”は、性能と静けさが支える
夜に気持ちよく過ごせる家は、見た目だけでは作れません。
外が寒い日でも室内の温度差が少ないこと、音が入りにくいことが、落ち着きにつながります。
DUNEのような空間は、静かで、空気が安定していると本当に心地いい。
高気密高断熱は、派手さはありませんが、夜の時間を上質にしてくれる土台だと思います。
照明や家具がきれいに見えるのも、結露や冷えのストレスが少ないからこそ。
見学に来られた方には、デザインだけでなく「夜の体感」も確かめていただきたいです。
家づくりは一度きりになりやすいので、私たちが実例で学びを共有して、地域の住まいの質を少しずつ上げていけたらと考えています。
テレビボードまわりは、照明と収納で“暮らしの景色”が決まります。DUNEの夜の空気感、ぜひ現地で体感してください。福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。
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