玄関に大きなRニッチをつくる

今日は越前市の現場から、玄関ホール正面に設ける「R(アール)形状のニッチ」をご紹介します。曲線は見た目以上に難しい部分ですが、型板づくりから加工・塗装まで段取り良く進め、きれいに納めていきます。

アール・ニッチカウンター

玄関の“顔”になるRニッチ

玄関ホールに入った瞬間、正面に見える場所は住まいの第一印象を決めます。
今回はそこに、大きなR形状のニッチ(壁のくぼみ収納)を計画しました。
直線の棚と違い、曲線は光の当たり方で陰影がやわらかく出るのが魅力です。
一方で、少しの歪みや段差が意外と目立つのも曲線の特徴です。
だからこそ、納まりまで見据えて最初の加工精度が大切になります。
使い勝手と見た目の両方を満たす、玄関の“顔”づくりだと思っています。

アールニッチカウンター

型板づくりが仕上がりを左右する

今回のアール加工は、工務の息子が担当しました。
曲線をきれいに出すには、まず「型板」をしっかり作ることが近道です。
型板があると、トリマー(回転刃で木を削る工具)を安定して走らせられます。
事前に薄い合板も貼って、滑りが一定になるよう工夫してあります。
“失敗しないための準備”に手間をかけると、加工そのものが落ち着いて進みます。
こういう地味な段取りが、最後の見た目にそのまま表れてきますね。

アールニッチカウンター

社内でできることは社内で、丁寧にバトンを渡す

こうした加工品を外注すると、どうしても加工費がかさみやすくなります。
もちろん無理はせず、難易度や納期を見て外部の力を借りることもあります。
ただ、私たちの手でできる範囲は社内で丁寧に進めることで、負担を抑えつつ狙ったデザインに近づけられます。
今回は、アール加工と角の面取り(角を丸く整えること)まで行い、塗装も仕上げてから現場へ。
そこから大工さんが取り付けを行い、きれいに納まるよう最後の調整をしてくれます。
一つの部材を、次の職人へ気持ちよく渡せる状態にしておくことも、品質の一部だと感じています。

手間を惜しまないのは、住まいがこの先ずっと暮らしを支える“舞台”だからです。福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。

・施工中の造作や納まりの工夫も、公式LINEで気軽にご質問いただけます(写真相談もOKです)。https://lin.ee/YEPhsRG

・見学予約や家づくりの進め方のご相談は、公式LINEからメッセージください。資料もお送りします。https://lin.ee/YEPhsRG

コーナー窓を包む、シャープな庇(ひさし)をオリジナルで

今日は、越前市の現場で製作した**オリジナル庇(ひさし)**をご紹介します。
外壁工事の途中段階ですが、先に“見どころ”ができあがってきたので、ぜひ見ていただきたいと思います。

コーナー庇

今回の庇は、黒で統一したシャープなデザイン
窓まわりをぐるっと包み込むように納めることで、外観の印象がキュッと引き締まり、建物全体がより端正に見えるようになります。

コーナー庇

特にこだわったのが、仕上げに採用したSGLガルバリウム鋼板です。
表情がとてもきれいで、折り返しや小口(端部)の見え方も上品。金属板の“薄さ”と“線の強さ”が、そのままデザインになります。

コーナー庇

そして今回、この仕上がりに欠かせないのが、板金屋さんの高い技術です。
この庇は、ただ板を貼るのではなく、折りの角度・通り(ライン)・継ぎ目の見え方まで揃えて、はじめて「シャープさ」が出ます。
現場で微調整しながら、コーナーの取り合いも破綻なくまとめ、薄く見せつつ剛性も確保する――このバランスは、経験と精度がないと成立しません。
まさに“職人技”が形になったディテールだと思います。

コーナー庇

もちろん見た目だけでなく、庇としての役割も大切です。
雨の日に窓ガラスへ雨が当たりにくくなり、雨だれ汚れの軽減にもつながりますし、日射が強い季節には直射をやわらげる効果も期待できます。

施工図も何度も検討を重ね、現場では、大工さんの下地から、板金屋さんの細かい手仕事によって、丁寧に作り込みました。
こういった細部の積み重ねが、完成時の“気持ちよさ”につながると感じています。

 福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。

中間気密測定でC値0.06。越前市の現場レポート

今日は、越前市の現場で「中間気密測定」を行ってきました。
当社では、完成時だけでなく、工事途中の段階でも全棟で気密測定を行い、気密工事に抜けや漏れがないかを確認しています。


今回の現場では、新しくお付き合いする電気工事店さんに入っていただいていることもあり、外壁を貫通する配管まわりの処理について、ひとつひとつレクチャーをしながら進めてきました。
そのうえで、外壁の貫通部がすべて終わったタイミングで測定です。

写真のように、専用の送風機と測定器を窓にセットし、建物全体をわざと減圧して、どのくらい「空気の逃げ道」があるのかを調べます。


測定結果は C値=0.06cm²/m²

結果は、相当隙間面積C値が 0.06cm²/m²
延床約153㎡の建物で、家全体の隙間の合計が 9.3cm² という数値でした。

中間気密測定-C値0.06

イメージとしては、名刺1枚の5分の1ほどの大きさの穴しか開いていない、というレベルです。
測定機器の評価でも、最高ランクの「☆☆☆(超高気密)」に分類される結果でした。

中間気密測定 C値0.06

室内をぐるっと確認すると、仮設で付けている玄関ドアまわりからは、やはり少しだけ空気の漏れを感じましたが、それでもこの数値。
現時点では十分に「合格」といえる内容です。


なぜ中間でも測定するのか

気密測定というと「一度だけ測るもの」と思われがちですが、実は完成後よりも、この中間の段階での測定がとても大事です。

レンジフードやエアコン、各種換気設備が付いてしまうと、その機器まわりから多少の漏気が出て、数値はどうしても悪化します。
そのため、本来の構造体・躯体そのもののポテンシャルを確認するには、中間の段階で一度しっかり測っておく必要があります。

もちろん当社では、最終確認として完成時の気密測定も必ず実施します。
中間だけ測って「良い数字が出たからそれでよし」では、本物とは言えません。


気密が良いと、暮らしも変わる

私たちがここまで気密測定に力を入れているのは、数字のためではなく、暮らしのためです。

  • エアコンの効きが良くなり、少ないエネルギーで夏も冬も快適に過ごせる
  • 部屋ごとの温度差が少なくなり、ヒヤッとする場所が減る
  • 設計通りに換気システムが働き、家中の空気がきちんと入れ替わる

こうした「すみごこち」の部分は、図面だけではわかりません。
実際に測定をして、数値として確認しながら家づくりを進めることで、ようやく安心してお引き渡しができると考えています。

今回の現場も、この調子で仕上げまでしっかりと進めていきます。
完成時の気密測定の結果も、またこのブログでご報告できればと思います。

福井で注文住宅や工務店のことなら(株)ライフ・コア デザインオフィスにお任せください。

オークの床から始まる、家具選びのコーディネート

今日は、現場で張り上がったオークのフローリングを確認してきました。
自然な木目とほどよい節の表情が、やっぱりこの材の魅力ですね。光が差し込むと、木肌が柔らかく浮かび上がって、とてもきれいでした。

オーク厚貼りフローリング

床材が決まると、次は家具選びがぐっと楽しくなります。
オークは色幅が広く、ナチュラルにもシックにも振れる万能選手。ダイニングテーブルなら同じオーク系でまとめると統一感が出ますし、あえてウォルナットなど濃い色を組み合わせるのも空間が引き締まっておすすめです。

ソファは、グレー・ベージュ・キャメル系のファブリックやレザーと相性がよく、どの方向に振っても落ち着いた雰囲気にまとまります。照明やラグの色味でアクセントを加えれば、さらに空間に奥行きが出ます。

床が決まると“その家らしさ”が一気に見えてくるものです。
お施主様にとっても、これからの家具選びが楽しみになるタイミングですね。

図面だけでは決まらない、現場での打合せの大切さ

今日は、越前市の現場で、朝から電気屋さんと大工さんと一緒に打合せを行いました。

図面に寸法を書き込むだけでは分からない部分も多く、実際の現場で確認しながら、最適な寸法や位置を検討して決定していきます。
やはり現場での“見て・測って・考える”作業が大切ですね。

見切りの場所を決める

こちらは、大工さんがキッチンのビニルタイルとフローリングの境となる部分を、慎重に測っているところです。
キッチンが組み上がったときに、ぴったり合うよう、ミリ単位での指示を行っています。
このあたりを適当にしてしまうと、仕上がりのズレが気になる部分ですから、丁寧さが肝心です。

興亜通商ハンディフローリングなら

そしてこちらが、興亜通商のハンディフローリング「ナラ材」。
厚貼りの基材で、寸法は乱尺になっており、継ぎ目がランダムになることで自然な表情を生み出します。
また、端材のムダが出にくいのもメリットのひとつです。

落ち着いた風合いとナチュラルな木目が心地よく、仕上がりが楽しみな床材です。

足場が外れて見えた、大空間の気持ちよさ

今日は、エントランスの吹き抜けについてお話ししたいと思います。

本日は、午後から現場にてお客様とコーディネートの打合せを行いました。
その際、ちょうどエントランス吹き抜け部分の仮設足場が外れたこともあり、大空間をご覧いただくことができました。

エントランス吹き抜け 上から

建て方の際、安全のために私が吹き抜けに仮設足場を組んでいたので、これまでは見通しがききませんでしたが、気密テープ施工のために大工さんが一旦足場を外したことで、ようやく本来の空間が現れました。

写真のように、2階のコーナー窓から光がやわらかく降り注ぎ、とても心地よい空間になっています。

エントランスは、間取りの都合で外部に窓が取りづらいことが多い場所でもありますが、2階とつながる吹き抜けを設けることで、上から光を落とす方法が可能になります。

また、FPの家では、1階と2階の空気が自然にめぐる計画を大切にします。こちらの吹き抜けにもシーリングファンを設置し、全館空調の空気循環をよりスムーズにする計画です。

エントランス吹き抜け 下から

下から見上げると、空間がさらに縦に広がり、開放感が一層感じられます。
エントランス吹き抜けは、家に入った瞬間の印象を決める、いわばその家の「顔」。
明るさと広がりを演出しながら、住まいに心地よさをもたらしてくれる空間だと思います。

見えないところの品質が家を守る ― 気密施工の大切さ

今日は、住宅の気密工事について少しお話ししたいと思います。
気密工事は、家の性能に直結する大切な工程です。

外気が隙間から侵入すると、寒さや結露の原因になるだけでなく、虫や花粉・粉塵の侵入、そして断熱性能の低下にもつながります。
結果として、ヒートショックのリスクも高まってしまいます。
どんなに性能の良い断熱材を使っても、気密が確保されていなければ、暖かい家にはなりません。
断熱と気密はセットで考えることがとても重要です。

また、快適な空気環境を保つためには、計画換気システムの働きも欠かせません。
この換気が正しく機能するためにも、気密施工がしっかり行われていることが前提になります。
換気システムについては、また改めてご紹介したいと思います。

当社の採用している「FPの家」では、工場生産による安定した品質を持つ独立気泡ウレタン断熱パネルを使用しています。
使用されているウレタンは、業界トップクラスの断熱性能を誇るHFO(ハイドロオレフィン)発泡剤を採用。
詳しくは「FPの家」公式サイトでも紹介されています。

現場発泡の断熱材は、施工環境によって品質のばらつきが出たり、経年劣化で隙間が生じることがあります。
一方、FPパネルは経年劣化が少なく、リフォームで解体した現場でも再使用できたという事例もあるほどです。
その性能の確かさから、「無結露50年保証」が付いています。まさに自信の証です。

さらに当社では、このFPパネルと組み合わせる構造材として、構造用集成材+金物工法を標準仕様としています。
無垢材は経年で7mmほど縮むケースもあり、気密性の低下につながることがありますが、
集成材は乾燥材を貼り合わせたもので、収縮がほとんどなく、強度も高いのが特長です。

気密施工では、FPパネルと集成材の取り合い部分をブチルテープで隙間なく埋めていきます。
気密工事
こうして、ひとつひとつの接合部を丁寧に仕上げながら、確実な気密を実現していきます。

当社では、中間と完成の2回の気密測定を実施し、
工事途中での確認と、お引渡し時の気密状態を数値でご報告いたします。
お客様に安心していただけるよう、見えない部分の性能にもこだわっています。

一生に一度の家づくりを、納得いくまで

今日は、午後から現場にてお客様と打ち合わせを行いました。

現在の進捗状況をご覧いただきながら、床材と階段材の発注前の最終確認をしました。
材料についてはこれまでも打ち合わせを重ねてきましたが、やはり実際の現場で見ていただくと、よりイメージが湧きやすく、納得感があります。

当社の打ち合わせは、設計中・工事前・工事中と、何度も繰り返し行います。
その中で変更が出ることもありますが、それは当然のこととして柔軟に対応しています。

初めて家づくりをされるお客様にとって、事務所の打ち合わせだけで図面やカタログを見て、すべてを頭の中で想像して決めるのは難しいものです。

だからこそ、当社ではできる限り現場での打ち合わせを大切にしています。
実際にその空間に立って感じていただくことが、もっとも確かな判断につながると考えています。

時間も手間もかかることではありますが、一生に一度の家づくりです。
お客様にも私たちにも悔いのないよう、丁寧に進めていきたいと思います。

ピクチャーウィンドウ工事中

現場の新しい形、住宅検査もオンラインで

今日は、越前市の現場で、住宅瑕疵保険の「躯体部分」のリモート検査を行いました。

これまでは検査官が現地に来られて、私たちの立ち合いのもと、筋交い金物の施工写真表などを確認しながら検査を受けていました。

しかし今回は、東京の検査官とスマートフォンを使い、リモートで映像を共有しながらの検査です。ビデオ通話を通じて、指示された部分を映したり、必要な箇所はメジャーを当てて寸法を確認してもらったりしました。

外部の透湿防水シートの施工状況についても、外壁4面を撮影しながらチェックを受けました。

検査はおよそ15分ほどで終了。特に難しいこともなくスムーズに完了しました。
現地に来てもらう場合よりも、検査費用を抑えられるのがリモート検査の利点です。
ITの活用が進み、こうした検査までオンラインで行える時代になったのだと実感しました。

なお今回は、筋交い金物の施工写真の提出確認は不要でしたが、私たちは検査の有無にかかわらず、自社の基準で一つひとつ丁寧に施工チェックを行いながら工事を進めています。

カテゴリー: 日記, 現場 | コメントをどうぞ

シンプルな外観に奥行きを与えるコーナー窓のデザイン

今日は、越前市の現場で施工が進んでいる吹き抜けコーナー窓のご紹介です。

こちらはエントランスホールにある吹き抜け部分に取り付ける明かり窓で、北側と東側が交わるコーナー部分に配置しています。

一見すると、ただ窓を2つ並べただけに見えるかもしれませんが、今回のポイントは窓の四方を庇(ひさし)で囲んでいることです。
このディテールを加えることで、二つの窓がひとつのまとまりを持った一体感のあるデザインとして立ち上がってきます。

最近は、四角いシンプルな外観の家をよく見かけますが、窓まわりの納まりや形のつくり方で、建物の印象は大きく変わります。

「もう一工夫あれば、もっと雰囲気が良くなるのに…」と感じることも少なくありません。

こうしたディテールは、考える時間も、施工の手間も、コストも掛かります。
そのため、多くの場合は敬遠されがちなところです。

ですが、そこを妥協しないのが当社の家づくり。
小さな工夫の積み重ねが、住まいの佇まいを美しくしていきます。

そして今回も、板金屋さんには細かな調整でお手間を掛けることに…
いつも丁寧なお仕事をありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

プロフィール

image
株式会社ライフ・コア デザインオフィス
〒918-8201
福井県福井市南四ツ居町1-121
TEL. 0776-54-5152

最近のエントリー

最近のコメント

カテゴリー

月別アーカイブ

年別アーカイブ

検索