モデルルーム「DUNE」ができるまで
今日は、2024年に竣工した当社のモデルルーム “DUNE” について、少し振り返ってみたいと思います。
“DUNE”は、もともと自宅と事務所の隣に建っていた、築30年ほどの義父の家を取り壊して建てたものです。
義父も義母も、27年前にFPの家で建てた我が家が完成してから、そちらへ移り住んでくれました。
もともと私も養子に入り、義父の家に住んでおりましたので、ちょうど同じタイミングで一緒に引っ越したような形でした。
やはり、暖かく快適なFPの家で一緒に暮らしていただくのが、一番良いことだと思ったのです。
その後、義父の家は長く空き家となっていましたが、年月とともに傷みも進み、雨漏りもするようになってきました。
そこでこの場所を活かして、1階を倉庫兼作業場、2階をモデルルームにする計画を考えました。
ちょうど他の工事とも重ならない良いタイミングもあり、この機会を逃さず形にすることができました。
この建物では、なるべく費用を抑えながらも、見せるべきところは妥協しないという、当社らしい考え方を大切にしています。
コストを抑える部分については、大工工事のあとの内装仕上げを、息子と私とで行いました。
床はフローリングを貼らず、大判のビニールタイルを息子と二人で施工しました。
木部の塗装は手分けして行い、壁面と天井の塗装については、パテ処理から仕上げまで、ほぼすべて息子が担当してくれました。
塗装の色や素材選びについても、息子とかなり時間をかけて相談しました。
たくさんのサンプルを現場に並べながら、一つひとつ確認して決めていったことを、今でもよく覚えています。
内装に採用したのは、アメリカ製塗料 Benjamin Moore。
その3600色の中から選んだのが、“Baja Dune” という色でした。
この色が空間全体の印象を決定づけてくれて、モデルルームの名称 “DUNE” も、ここから名付けたものです。
1階には、念願だった倉庫兼作業場ができました。
材料の加工や家具づくりも得意な息子にとって、良い仕事場になっていると思います。
そして2階には、いつでもお客様にご覧いただけるモデルルームが完成しました。
モデルルームでは、階段に面する飾り棚のスペースや、造作家具によるデザインの統一感、そしてダウンライトを極力使わない照明計画など、細かなところまで意識してつくり込んでいます。
目を引く派手さを求めたのではなく、
ニュートラルで、静かに整った美しさを目指した空間です。
家具の配置も含めて、空間全体が自然につながって見えるように考えました。
昼間は、素材や色の重なりが素直に感じられ、落ち着いた空気感があります。
そして夜になると、照明によってまた違った表情が生まれます。
明るさを足すための照明ではなく、空間を美しく見せ、落ち着いて過ごせるように考えた灯りです。
写真でも雰囲気は伝わるかと思いますが、実際にその場に立つと、光の広がり方や陰影のやわらかさまで感じていただけると思います。
モデルルーム“DUNE”については、まだまだ外壁のことや細かな納まりなど、お話ししたいことがたくさんあります。
ですが、何よりこの空間は、実際に身を置いていただくのが一番わかりやすいと思っています。
ライフ・コア デザインオフィスが考える、
派手さではなく、心地よさと美しさが長く続く住まい。
そのひとつの形として、ぜひご体感いただけたら嬉しいです。
モデルルームのご見学は、公式LINEからお気軽にお申し込みください。
皆様のお越しをお待ちしております。
最初のモデルルーム“The Ark”を振り返って
今日は、当社で最初に建てたモデルルーム “The Ark” について振り返ってみたいと思います。
“The Ark”は、2018年に建てた元モデルルームで、現在は長男が暮らす住まいになっています。
この計画のきっかけは、義母が「大東に良い土地がある」と、長男のために土地を買ってくれたことでした。
せっかくの土地を空き地のままにしておくのはもったいない。でも、長男の将来につながる土地であるなら、先を見据えた形にしたい。そう考えて、まずはモデルルームとして活用し、その後に長男の家となる計画を立てました。
当時、長男は神戸芸術工科大学の4年生でした。
まだ十分に打ち合わせができる状況ではありませんでしたが、将来本人が住む家になる以上、やはり本人の意思が反映された建物でなければ意味がありません。そこで何度もプランを描き直しながら、ライフ・コア デザインオフィスとしての設計力も表現できる、少し挑戦的な建物を目指しました。
敷地は間口7.4m、奥行き19mほど。
正面と裏側の二方道路に面した、細長くも特徴のある土地でした。この条件を生かして、両側の道路から駐車でき、1階は土間で通り抜けられるプランを考えました。
また、限られた敷地を有効に使うため、LDKは2階に計画しました。
車庫スペースの上には広いバルコニーを設け、人工芝を敷いて、2階にいても外へ広がるような開放感をつくりました。外部からの視線を避けるための壁の高さもしっかり確保し、LDKはカーテンなしでも落ち着いて過ごせる空間になっています。
空間のコンセプトは、長男の希望でもあった 「クラシック・モダン」 でした。
室内はブラックの壁紙で統一し、スチール部分はあえて荒々しい素材感を生かした仕上げに。見えてくる構造材はシルバーグレーで塗装し、全体として独特の緊張感と美しさを持たせました。
大学を卒業して当社に入社した長男は、この建物の内装づくりにも深く関わりました。
塗装はほぼ自分の手で仕上げ、クロス工事も手伝いながら、現場で学び、覚えていったように思います。そうして完成した“The Ark”は、モダンでありながらシャンデリアやアンティーク家具も自然に似合う、独特の世界観を持った建物になりました。
この建物は約1年ほどモデルルームとして活用し、OBのお客様にご見学いただいたほか、遠方からFPの家のお仲間が見学に来てくださったこともありました。
その後、長男が結婚し、今は実際の住まいとして使われています。
キッチンや洗面台にセラミックを使った造作家具を取り入れるなど、この建物では当社にとっても新しい挑戦がいくつもありました。
“The Ark”で試みたこと、考え抜いたこと、つくり込んだことの一つひとつが、その後のライフ・コア デザインオフィスのデザインや納まりのノウハウにつながっているように思います。
今振り返っても、この建物は当社にとって大きな転機だったと感じます。
モデルルームであり、実験の場でもあり、そして今では家族の暮らしの場でもある“The Ark”。
当社の歩みを語るうえで、忘れることのできない一棟です。
小さな事務所から始まった、ライフ・コアらしさ
今日は、創業20年の歩みを振り返る続きとして、
この20年の間に出来てきた社屋のことを書いてみたいと思います。
創業した当初は、自邸の書斎を事務所にして仕事を始めました。
隣に義父の家があり、少しだけ倉庫を使わせてもらいながら、乗用車は下取りに出して軽トラに乗り換え、工事にも対応できるようにしていました。
お客様とのお打ち合わせも、当時は喫茶店を利用することが多く、今思えば本当に手探りでのスタートだったなと思います。
そんな頃、1棟目のお家が完成した時に、今も一緒に働いてくれている市村が見学会に来てくれました。
そして、「ここで働きたい」と声を掛けてくれたのです。
前の会社で一緒に仕事をしていたご縁もありましたが、そうしてまた一緒に仕事ができることになったのは、とてもありがたいことでした。
その時に、これは早く事務所を作らないといけないなと思い、お正月から図面を書いて、急いで段取りをして作ったのが今の事務所です。
広さは7坪ほど。
応接スペースと事務スペース、トイレと水まわりがあるだけの、本当に小さな事務所です。
けれど今でも快適で、とても気に入っている場所です。
今でこそ、きれいで整ったオフィス空間を作ることは珍しくありませんが、当時は「事務所なんてプレハブでいい」というような考え方も、まだ多かったように思います。
でも私は、そうは思いませんでした。
長くいる仕事場だからこそ、快適で、気持ちよく過ごせる場所にしたい。
そして、せっかくならデザインもきちんと整えたい。
そんな想いがありました。
自分たちが心地よく働けることはもちろんですが、お客様をお迎えした時にも、気持ちよく過ごしていただける空間にしたいと思ったのです。
しかも、この事務所はFPの家で作っていますので、その性能の良さを実際に感じていただく場所としても、とても良いものになりました。
言葉だけでお伝えするのではなく、空気感や居心地の良さを体感していただけるのは、やはり大きかったと思います。
内装コーディネートは、今も一緒にお仕事をしていただいているStudio+Creaの辻野さんにお願いしました。
当時としては珍しかったグレーを取り入れたコーディネートで、落ち着きがありながらも、かっこよさのある空間に仕上げていただきました。
また、この頃から建物だけでなく、外構まで含めて整えることが大事だと考えていました。
外のウッドデッキやシンボルツリー、そして夜のライトアップまで含めて、全体で気持ちの良い佇まいになるように計画しました。
その外構計画は、エクステリアのコンテストで金賞をいただくことにもつながりました。
振り返ってみると、この小さな事務所には、ライフ・コア デザインオフィスらしさの原点が、すでに詰まっていたように思います。
快適であること。
デザインが整っていること。
建物も外構も含めて、心地よくまとめること。
そんな考え方は、今の家づくりにもそのままつながっています。
小さな事務所ではありますが、今見返しても、自分たちらしい場所を作れたなと思います。
















