地震と屋根
先日の岩手・宮城内陸地震は、山が崩れ、道路が寸断されてすごい地震でしたね。
地層の問題もあるのでしょうが、地面が揺れるだけでなく、崩れるなんてことになると、手の打ちようがありませんね。
1件だけぽつんと建っていた旅館が被害にあってしまって、大変気の毒なことでした。
静かな山間が、こんな恐ろしいことになってしまうなんて、想像もつきませんね。
建物は実際の位置から流されて、180度回転した状態といいますから、すごいことになっていると思います。
印象的だったのは、屋根が板金の屋根で、かなりしっかり形を保ったままであったこと。
土石流でさえなければ、もっと助かったであろうにと残念です。
TVで解説者が話しておりましたが、東北は屋根に瓦を使っておらず、どちらかというと断熱の為、窓とか開口部が少ない家が多くて、比較的被害が少なかったとのこと。
私も以前、青森に住宅を見学に行ったことがございますが、たしかに瓦の屋根が見当たりませんでした。
これは瓦だと、凍害で割れてしまうという意味で、板金屋根なんだそうですね。
北陸のように重い雪ではないので、雪止めも付いていない家が多かったのも印象的でした。
重たくない屋根と、比較的壁の多い構造が、揺れだけで済んだ地震の範囲にはとても強かったということだと思います。
当社の建てる建物も、ほとんどの場合、板金(ガルバリウム鋼板)屋根をお薦めしているのですが、そういう地震に対する負担が少ないという意味もあるからですね。
もちろん瓦屋根の良さもありますので、一概には否定はいたしませんよ。すぐれた機能性も意匠性もありますから。
ただ、瓦にする場合は構造的により間違いのない壁のバランスを保つことを、設計の方に十分お願いして、勧めていただきたいと思います。