安価が高くつく
去年の事柄なんですが、建築雑誌を読んでいたらアメリカのメトロドームというドーム球場の膜屋根が、雪のために崩落した事故の記事が載っていました。
東京ドームがモデルにした建物のようですね。インターネットで調べたら動画で雪が流れ込む監視カメラの映像もありました。
通常はシートの隙間に温風を流した上で除雪もするそうですが、このときは猛吹雪で出来なかったとか。
問題はシートのメーカーが、耐用年数20年を超えているという指摘を管理者側にしているのに張替えを行なわなかったことがあるそうです。結局より大きな損失になったことでしょう。
膜構造は安価でできる構造として良い点がある一方、耐用年数とかメンテナンスにかかる費用も考慮したうえで使っていかなくてはいけないものということですね。
住宅もしかり。屋根でも外壁でも年数に応じて手をかけてあげなくてはいけません。
そのまま50年、100年持たせるということは無理でしょう。
けれど、外被(表面を覆うもの)だけ直せば使い続けられる性能があるものが本当にいい建物です。見てくれにお金をかけて、中身がないのが一番いけないですね。
構造体や断熱材から直しているのでは無理がありますので、どうか家の性能に関する部分には、安価にと考えないようにして頂きたいものです。
まったく同感ですね!
一般のお客様には中々理解できない部分ですので、その辺りはプロの創り手の方々が襟を正して実行して欲しいものです。
私も同様な苦言をブログ掲載しようと原稿を用意しているところでしたので驚き&共感致しました。
お客様も予算の厳しいところをがんばっていただくので、本当に価値あることにお金を使っていただきたいですね。
私どもも、たとえ後々の評価であっても「やっぱりよかった」と思っていただける提案と仕事をすることが、一番の目標であります。