気持ちいい建築

またTV番組の話で恐縮ですが、昨晩のNHKで「プロフェッショナル」という番組を見ました。建築家の手塚貴晴さんと手塚由比さんご夫婦が出ていたものです。

このお二人が作る住宅や幼稚園など、見ていてとっても気持ちがいいんですね。すごく人間的なんです。

かっこよくするために、なんだか奇をてらって作られた建築家の建物は、正直好きにはなれません。やはり住む人が気持ちいいと感じられる家でないと、そこに過ごす意味がないですね。

プランを作るときに、住んでいる人がどんな風に帰ってきて、そこにどんな風景が見えてくるか・・・。

機能的なことをまとめるのは当たり前で、それにプラスアルファで気持ち良さをご提案できるかどうか・・・。家造りってこの辺が大事なところですよね。

 

話は変わって、国の家造りの指針はどうか・・・。ゼロ・エネルギー住宅を推進するという意味で、アクティブな要素である再生エネルギーなどの設備システムをつけることに補助金を出すとか。

正直言って、心ときめくものでもなんでもないです。原発の問題とかで、電力の問題をすり替えているものだと思いますが、設備的なものはまたいつか壊れるものでもありますし、永久的なものではありませんよ。今、余計にお金をかけさせて、その面倒は結局国民自身がみていかないといけないものです。

むしろ、パッシブな部分である、住宅そのものの性能を上げることに特化したほうがまだましな気がしますね。しかし、断熱・気密・換気の考え方は、国の基準はいまだ幼稚なままでありますが・・・。

とにかく、国のやることは人間味がないですね。魅力がない。節電を唱えるにも、もっと人の心に訴えるものがあれば、皆で協力し合えるのではないかと考えますね。

やはり、なにごとも気持ちよくなくては、続かないことと思います。

中間気密測定

今日は、中間の気密測定を行いました。結果はご覧のような数値で、C値は細かく言うと0.136㎝2/㎡となりました。

午前中、最初の測定は0.3と出て、大工さんとこれはおかしいと、隙間のある部分を探して回って、しらみつぶしに治していきました。

数値は正直に表れていって、0.2となり、最後0.1が出ました。もう後は開口部であるサッシの開く部分から漏れるくらいで、これは仕方ありませんね。

中間の気密測定は原則ではありませんが、こうやって測定したり、負圧をかけて隙間を調べることで、もう一歩レベルアップ出来ます。当社では欠かせない取り組みですね。

午後にはお客様にも、見ていただきました。これで、仕上げる前に少しでもご安心いただければ幸いです。

現場ご案内

今日は、午前中プランを見ていただくお客様と事務所で打ち合わせ。

午後は、現場の構造をご覧になりたいお客様を、現場にてご案内させていただきました。

現場も外回りが終わったところで、気密テープの作業がこれからというところ。

換気システムの配管もこれからですし、階段もまだ無いので、お客様の奥様には見学には申し訳なかったですね。ご主人様だけ2階もご覧いただきました。

FPパネルと構造材・構造用金物に関しては見ていただけました。

なんといっても、今日も朝から外は暑い日だったのですが、閉め切ってあった現場の内部はホッとするような涼しさ。外気の暑さを遮ってくれている証拠ですね。

この辺りは、体感という意味でとても価値があったかと思います。エアコンなど機械に頼らない部分での性能の高さを感じていただけたらありがたいですね。

省エネ政策の改悪

ネットで調べていたら、北海道新聞で「省エネ政策まとまる」という記事があって読んでみました。そしたらガッカリ・・・。

11年前の古い「次世代省エネ基準」が今回改正されるというのですが、これが下記の記事のように。

 

各地域ともQ値に変更はなく、気密性能(相当隙間面積)、気密層施工、暖冷房、換気量などの基準が削除され、断熱性能と省エネ性能(暖冷房負荷)だけを規定する案となっている。

 

まさかと思いましたが、ひどい話です。改悪じゃないですか。

これは気密が取れない家を作っている大手企業の圧力でしょうか?天下りがはびこっているからこんなことになるのではと、勘繰ってしまいます。

全体の底上げをするためと言ってはおりますが、そのなんでも標準にして皆おなじ顔しようとする個性をつぶす政策が、日本の悪しきところですね。

これだから、日本の家は良くならない。もうくだらない政策はやめてもらったほうが得策ですね。優れた仕事をしている人たちの足を引っ張るだけだと思います。

こういうレベルの低いバカな政策には溺れず、正しい道を進んでいきましょう。

新築でも結露だとか・・・

今日は、午後に職人さんが来て、いろいろとお話をしていたんですが、新築のお宅でもサッシにすごい結露をしているのを見たという話がありました。

私もFPの家に慣れてしまって、窓の結露を見ることがないものですから、現状はそうなんだなと改めて考えさせられました。

新築のお宅ですので、断熱材も入ってサッシもペアガラスということですが、それだけで結露は防げるものではありません。

サッシ自体の性能もありますし、気密や計画換気に加えて、空調をきちんと行っているかが問題であろうと推察します。

たとえ、高気密・高断熱で計画換気もされていたとしても、部分暖房でおわらせていたら、やはり結露が発生する部分が出てくるでしょう。

基本は24時間全館暖房することなんですね。家の中に暖かいところと寒いところを作れば、寒いところに水蒸気が流れて結露が生じようとします。

24時間全館暖房なんて、エコじゃないし出来ないと思われるかもしれません。でも、住む人の健康、家自体の健康を考えたら、そういう方向に進めていかなくては結論がでない事柄なんですね。

もちろんガンガンに暖めよという話ではありません。優れた住宅は、室内が20~22度でちょうどいい暖かさになります。それで結露は無くなります。

断熱、気密、計画換気、そして24時間全館冷暖房をセットで考え提案できることが、家造りで本当に大切なことなんですよ。

加湿器の使用

自宅で使っている加湿器の写真です。

コンポニビリの上に±0の加湿器。

ちょうどいいので置いていますが、ちょっとデザインとデザインで打ち消し合ってしまったかなという感じで滑稽ですね。

加湿器はあんまり気にせずに使っていなかったんですけれど、健康のために使ったほうがいいかなという感じでまわし始めました。

やっぱりそれ以上に、家中暖かいことを、FPの家に感謝して住んでおりますね。

「使われ続ける魅力」

今日は、性能の話ばかり続いたので、ちょっと違う視点からの話です。

岩前教授のセミナーからのお話で、一番ほっとした話なんですが、住宅でもなんでもそうですが、「使われ続ける魅力」がないといけないという話が合って、とてもここに共感しました。

スマートハウスでガチガチに設備投資した家も、パッシブハウスで思いっきり断熱性能を上げた家にしても、デザイン性の無い面白味のない家に、はたして住んでみたいと思うかどうか・・・。

長期優良住宅もそうですね。一昔前の家かと思うようなかっこ悪い家ばかり。しかも間取りも平凡なものばかり。

あくまで人が住むのですから、機械やデータに自分を合わせる必要などないですね。もっと人間的に見て、魅力のある建物を造ることのほうが大事です。

ホッとする空間であって、それが住む人の安全と健康を守ってくれるものであることが、家造りをすすめる、私どもの使命であると思います。

当社がデザインを大切にしているのも、まさに「使われ続ける魅力」のある建物を目指している処であります。

スマートハウスとパッシブハウス

今日は、昨日のセミナーで聞いた話の、他の話を書かせていただきます。

ここのところ注目を浴びている家づくりの方向で二つのものがあります。ひとつは「スマートハウス」もうひとつは「パッシブハウス」。これらについて、分けて教えていただきました。

まず、スマートハウスというのは、言ってみれば機械によってセロエネルギーを目指す住宅。

パッシブハウスというのは、できるだけ機械に頼らず、建物の性能を極限まで上げた住宅。これは「無暖房住宅」と混同されがちですが、そこまで言わず空調機械は使います。

単純に、どちらを目指すべきかとなるかと思いますが、実はそこまで必要ないのではというのが、私の率直な感想ですね。

 

スマートハウスは機械設備に頼るわけで、必ずなにがしかのエネルギーは必要です。しかも機械はいずれ壊れると考えなくてはなりません。

問題なのは、今さかんに造られているスマートハウスが、どれも断熱などの住宅の性能自体はレベルの低いものになっています。機会がダメになったら普通の家ということですね。これではいけません。

ローコスト住宅をスマートハウス化して建ててもダメということ。あくまで高断熱のベースが出来た建物に加えて、取り組むものだということです。

 

パッシブハウスのほうは、外壁の断熱材を極端に厚くしたりして作る、特殊な工法になります。この断熱工事にかかるコストが、はたして見合うのかどうか?その特殊な工法が一過性のもので終わる可能性もあります。

それぞれの家づくりの方向性は、将来を考えるうえで必要であるけれど、まずは飛びぬけて特殊すぎないことも大事なことであります。

家づくりも、少しずつでも新しい技術が開発されていくことでしょう。その中でやはりどんなものにも対応して、基本ベースが活かせる住宅だったらいいですよね。

私はそんな工法にFPの家が当てはまると考えています。断熱と構造体はそのままで、増築でもリフォームでも可能です。

やはりベーシックなものは、シンプルで尚且つ優れたものであります。だからこそ永年この工法が続いてきているのだと思います。

ちょっと宣伝が過ぎるかもしれませんが、他の工法に目ぼしいものが見つからないからですね。シンプルさと高性能。ここは外さないようにお考えいただきたいと思います。

吹抜と暖房

昨日から福井も少し雪が積りました。勝山のほうはどうかと行ってみましたが、福井とあまり変わりませんでしたね。しばらくはまた雨に変わりそうです。

今日はメンテナンスや打ち合わせで、OBのお客様宅を数件回らせていただきました。どのお宅もFPの家なので、暖かく安心します。やはりこういうとき、性能のしっかりした家を造っていることで、こちらも安心出来ますね。

上はロフトから2階の洋間を見下ろした写真です。

五つある窓は、実は外部で使用する木製サッシを使っています。なぜかというと、1階リビングとの音の遮音をご要望されたからなんですね。サッシだけでなく壁、天井も防音仕様で造っています。

しかし、こうやって窓を開けておくと、下からの暖気も取り込めるので、空調の効率からいうと、できるだけ開けておくことをお勧めしています。

通常の家ですと、閉じないと暖かくならないといいますが、FPの家は逆ですね。開けておいたほうが暖かい。これが性能のある家の証なんですね。

換気風量測定

今日は換気システムの風量測定を行いました。写真は測定器で測っている様子です。
FPの家は、必ず測定を行って、計画通りに動いているか確認をします。

換気がきちんと働くためには、気密をきちんととっておかないと能力が発揮されません。
スカスカの家では、換気システムは機能しないんですね。

排気レジスターは写真のような形状のもので、各場所で必要な風量を調整できるように作られています。これは浴室に付いているところを撮ったものです。

これが、その他キッチンやトイレ、押入れやクローゼット。下足室などにも付いて、24時間ゆっくりと換気してくれております。

こちらは、換気システムの本体です。
このお宅は体積が大きいので、1階と2階に分けて2台付けております。

第3種の換気システムで、排気を機械で行い、新鮮空気は吐き出した分量だけ、給気レジスターから自然に入る方法です。
一番シンプルで長持ちし、メンテナンスも難しくなく、一生付き合っていけるシステムですね。

スウェーデンのフレクトという会社の製品で、基本的な形状や仕様がずっと変わらないのがいいです。本体もモーターだけ取り換えられるのも優れた考え方だと思いますね。

日本の製品も、こういう考え方をしていただきたいものです。

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株式会社ライフ・コア デザインオフィス
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