梅雨時期に想う、現場で大切にしていること。
木曜日は「現場で大切にしていること」をテーマに、日々の現場で考えていることを書かせていただいています。
今回は、梅雨時期の建て方工事についてです。
雨は梅雨に限ったことではありませんが、日本海側の福井は、やはり雨の多い地域です。
家づくりの工事を進めていく中で、私が一番気にしているのが、建て方を行う時期の天気です。
当社の場合、建て方までにまず土台伏せで1日。
次に床パネルを納めて、気密テープを張り、床合板を敷き込み、しっかり養生するのに1日。
そして建て方当日の1日。
この3日間を、できるだけ雨に当てずに確保しなければなりません。
私は現場に対して、
「雨に濡らさない現場」
ということを、自分たちへのひとつの約束のように考えています。
写真の現場は、2024年7月、まさに梅雨の最中に建て方を行ったお宅です。
当初の予定日は雨の予報だったため、建て方を4日ほど延期しました。
もちろん、延期すれば大工さん、レッカー、資材搬入など、いろいろな段取りを組み直さなければなりません。できれば遅らせたくないのが本音です。
それでも、お客様の大切な家をつくる以上、雨に濡らしてまで無理に進めるべきではないと考えています。
建て方当日も、梅雨空の中での作業でした。
いつ雨が降ってもブルーシートを掛けられるように準備をしながら進めましたが、なんとか屋根のルーフィングまで敷き終えたところで雨になりました。
外まわりにもブルーシートを当て、ルーフィングが張れた時に、ようやく「これで大丈夫」と胸をなでおろしたことを覚えています。
一般的には、雨でも建て方を延期しない会社も多いと思います。
延期すると、現場の予定だけでなく、職人さんや業者さんの段取りにも大きく影響するからです。
しかし、雨に濡れることで、木材や合板、構造材の隙間など、本来濡らしたくない部分に水が入り込んでしまうことがあります。
特に合板は、水を吸うと膨張しやすく、品質にも影響を与える可能性があります。
また、建物だけでなく、職人さんの安全面でも雨は大きなリスクになります。
合羽を着ての作業は動きにくくなりますし、足元も滑りやすくなります。高所で作業する建て方では、なおさら慎重に考えなければなりません。
家づくりは、完成してしまえば見えなくなる部分がたくさんあります。
だからこそ、工事中の一つひとつの判断が大切になります。
雨に濡らさない。
無理をしない。
安全に、丁寧に進める。
当たり前のようでいて、実際には段取りも手間もかかることです。
それでも、お客様の大切な家を長く安心して住んでいただけるものにするために、これからも「雨に濡らさない現場づくり」を大切にしていきたいと思います。
子供が10代になったころに、暮らしはもう一度変わる
今日は、子育て世代の家づくりについて、少し先の暮らしを考えてみたいと思います。
家づくりを考える時、多くの方がまず想像されるのは、子供が小さい時期の暮らしではないでしょうか。
玄関から帰ってきて、手洗いをして、ランドリールームがあって、ファミリークローゼットがあって、家族みんなの動きがスムーズにつながる。
もちろん、こうした間取りはとても大切ですし、子育て中のご家族にとっては大きな助けになります。
ただ、家族の暮らしはずっと同じではありません。
子供が小学生から中学生、高校生へと成長していくと、家の中での過ごし方も少しずつ変わっていきます。
塾や部活で帰宅が遅くなったり、夜遅くまで勉強したり、親とは違う時間帯で生活することも増えてきます。
小さい頃は、リビングに集まって過ごすことが自然だったとしても、10代になると自分の部屋で過ごす時間も長くなります。
そうなると、家の中で少し困ることが出てきます。
たとえば、夜遅くに子供が飲み物を取りに1階のキッチンまで降りてくる。
ちょっとした夜食を食べるために、リビングやキッチンを使う。
その物音や照明の明かりで、先に休んでいた親が目を覚ましてしまう。
逆に、朝早く起きる親の生活音が、夜遅くまで起きていた子供に響いてしまう。
こうしたことは、間取りが悪いというよりも、家族の生活リズムが変わってきた証拠なのだと思います。
そこで、ひとつ簡単にできる対策として考えられるのが、2階に小さな生活拠点をつくることです。
大がかりなリフォームではなく、2階のホールや廊下の一角に、小さな冷蔵庫を置いておく。ファミリークローゼットの中でもいいかと思います。
飲み物やゼリー、ちょっとした軽食などを置いておけば、子供が夜にわざわざ1階まで降りてくる回数を減らすことができます。
あわせて、ゴミ箱も近くに置いておくと、ペットボトルやお菓子の袋が子供部屋にたまることも防ぎやすくなります。
このお宅だと、2階廊下の片隅が使えそうです。
ただし、注意点もあります。
ミニ冷蔵庫を置くにはコンセントが必要ですし、電気ケトルなど消費電力の大きなものを使う場合は、タコ足配線にならないように気を付けなければいけません。
また、冷蔵庫を床に直接置くと、重みで床がへこんだり、結露や水滴でフローリングにシミができたりすることもあります。
下にマットを敷くなど、ちょっとした配慮も大切です。
家は、建てた時が完成ではありません。
子供が小さい時期に合っていた暮らし方も、10年経てば少し合わなくなることがあります。
でも、それは失敗ではなく、家族が成長しているということだと思います。
リビング階段や吹き抜けのように、家族の気配を感じられる間取りも、とても良い設計です。
ただ、子供が10代になるころからの約10年間だけは、親と子供の生活時間が少しズレる時期でもあります。
その時に、間取りを大きく変えるのではなく、家具や家電、コンセントの増設などで、今の暮らしに合わせて少しずつチューニングしていく。
そんな考え方も、長く快適に住むためには大切ではないかと思います。
昔建てていただいたお客様でも、「最近、子供の帰宅時間が遅くなってきた」「2階で過ごす時間が増えてきた」「夜の生活音が少し気になる」ということがありましたら、こうした小さな工夫から考えてみるのも良いかもしれません。
家族の成長に合わせて、住まいも少しずつ育てていく。
そんな視点で、これからの家づくりや暮らしの見直しを考えていただけたらと思います。
迷いすぎず、方針を決めることの大切さ
今日は、午前中にLIXILのショールームで、お客様と設備関係のお打合せをさせていただきました。
午後からは、土地探しをされているお客様とのお打合せでした。
ショールームでのお打合せは、キッチンやお風呂、洗面、トイレなど、決めることが本当にたくさんあります。
実際に商品を見ながら選んでいくと、どうしても時間もかかりますし、予算も上がりやすいものです。
ところが今回のお客様は、ご希望をしっかり持ちながらも、予算とのバランスを考えて、とてもスムーズに決めていってくださいました。
必要なところにはこだわり、抑えるところはきちんと抑える。
そういう判断をしていただけたので、とても良い打合せになったと思います。
午後の土地のお打合せでも、お客様の中で「ここで進めたい」というお気持ちが決まっておられました。
土地探しも、見れば見るほど迷ってしまうことがあります。
日当たり、道路、広さ、価格、周辺環境など、考え出すと比較することはたくさんあります。
もちろん、慎重に考えることはとても大切です。
家づくりは大きなお金がかかることですし、一度決めると簡単には戻れないことも多いからです。
ただ一方で、考えすぎることで、かえって前に進めなくなることもあります。
あれも見たい、これも比べたい、別のパターンも考えたいとなると、選択肢は増えますが、判断はどんどん難しくなっていきます。
家づくりでは、たくさんの選択肢を並べることよりも、まずは「自分たちは何を大切にしたいのか」を決めることが大切だと思っています。
その方針が決まっていると、私たちもそこに向かって集中してご提案することができます。
たとえば、予算を大切にしたいのか。
暮らしやすさを優先したいのか。
デザインにこだわりたいのか。
メンテナンスのしやすさを重視したいのか。
すべてを完璧に満たそうとすると、どうしても迷いが増えてしまいます。
でも、優先順位がはっきりしていると、判断もしやすくなりますし、結果として納得のいく家づくりにつながりやすくなります。
私たち作り手の立場からしても、「この方針で進めたいです」と言っていただけると、とてもありがたいものです。
その方向に向かって考えを深められますし、余計な迷いを減らして、より良い提案に集中することができます。
これは、家づくりだけでなく、世の中のいろいろなことにも当てはまるのかもしれません。
選択肢が多い時代だからこそ、迷うことは自然なことです。
でも、どこかで方針を決めて、一歩前に進むことも大切です。
今日のお打合せを通して、あらためてそんなことを感じさせていただきました。
お客様の大切な判断に対して、こちらもしっかり応えられるように、丁寧に進めていきたいと思います。






