アートのように佇む小さなキッチン
今日は、2階リビングのある二世帯住宅で設けた、サブキッチンの事例をご紹介します。
キッチンという機能を持ちながら、空間の中ではまるでオブジェのように見える、少し特別な設計となりました。
■暮らしに合わせた、もうひとつのキッチン
二世帯住宅の場合、1階と2階で暮らしのリズムが少し違うことがあります。
そんな時に、2階にも小さなキッチンがあると、お茶を淹れたり、簡単な食事を用意したりするのにとても便利です。
今回のお宅では、2階リビングに合わせてサブキッチンを設けました。
ただ設備を置くのではなく、空間全体の雰囲気に合うように、見え方まで大切に考えたものです。
■オブジェのように見せる工夫
こちらのキッチンは、ステンレスの天板と、モザイクタイルを組み合わせた印象的なデザインになっています。(デザイン自体はトーヨーキッチンのモチーフです)
正面から見ると、キッチンというよりも、ひとつのアート作品のようにも見えます。
お施主様がデザインに強いこだわりをお持ちでしたので、その想いをどう形にするか、こちらもかなり考えさせていただきました。
住宅の中にこうした個性があると、暮らしの場でありながら、毎日少し気持ちが上がる空間になるように思います。
■設計力を試される家づくり
このお宅は、建物全体もとても個性的で、まさにアートのような住まいでした。
一般的な納まりだけではなく、どう見せるか、どう成り立たせるかを一つひとつ検討しながら進めた記憶があります。
最近は、こうした尖ったデザインのご要望をいただく機会も少し減りましたが、やはり設計者としては心が動く仕事でもあります。
お客様の想いに応えながら、暮らしやすさと美しさを両立させることは、家づくりの大きなやりがいだと感じます。
家は、ただ便利であればよいというものでもなく、そこに住む方の感性や楽しみも大切にしたいものです。
またいつか、このような個性ある住まいづくりにも挑戦してみたいと思います。
二世帯住宅や2階リビングのご相談も、公式LINEよりお気軽にお問い合わせください。暮らし方に合わせたご提案をさせていただきます。
2階に庭をつくるという発想
今日は、2階リビングからつながる広いバルコニーのある“The Ark”をご紹介します。現在は息子夫婦の自宅ですが、当初はモデルハウスとしても使っていた建物です。街中の敷地でも、工夫次第で気持ちよく外を楽しめる暮らしができることを、改めて感じさせてくれる住まいです。
■2階につくった、もうひとつの庭
こちらのバルコニーは、16帖ほどの広さがあります。
写真は、家族でバーベキューをしようと準備していた時に撮影したものです。
外物置と収納、そして簡単な流しも備えていますので、ただ外に出るだけの場所ではなく、暮らしの中で使える場所になっています。
人工芝を敷いたのも、2階リビングでも庭のように過ごせたら気持ちがいいだろうな、という思いからでした。
外に出て椅子に座るだけでも、少し気分が変わります。
家の中にいながら、外の空気を感じられる場所があるというのは、やはり豊かなことだと思います。
■視線を遮りながら、開放感をつくる
このバルコニーは、ただ広くつくっただけではありません。
両サイドは、片流れの屋根がそのまま伸びるような形になっていて、お隣からの視線を自然に遮るように考えています。
正面の腰壁も少し高めにして、道路側や周囲からの視線が入りにくいようにしました。
外にいるのに、あまり人目を気にせず過ごせることは、とても大事なことです。
せっかく庭をつくっても、視線が気になって使わなくなってしまうことがあります。
大きな窓をつくっても、いつもカーテンが閉まっているお宅もよく見かけます。
開放感とプライバシーは、どちらか一方ではなく、両方を考えて設計することが大切だと思います。
■敷地条件から生まれた設計
こちらの土地は、T字路の突き当たりにあたる場所です。
真正面に家が建たないという条件も、この設計の大きなヒントになりました。
街中の敷地では、庭を広く取ることが難しい場合があります。
福井は車社会ですので、駐車スペースも必要になります。
そこで、1階を車庫として使い、2階にリビングとバルコニーを設ける形にしました。
限られた敷地でも、暮らし方を整理していくと、気持ちのよい居場所をつくることはできます。
家づくりは、土地の条件に合わせて、どう不便をなくし、どう楽しさを足していくかだと思います。
“The Ark”では、そのひとつの答えを形にできたのではないかと思っています。
2階リビングというと、少し特別な間取りに感じられるかもしれません。でも、敷地条件や暮らし方によっては、とても自然な選択になることがあります。視線を気にせず、外の空気を楽しめる場所がある住まいは、やはり心地よいものですね。
2階リビングや、視線を気にせず過ごせる住まいづくりにご興味のある方は、公式LINEよりお気軽にご相談ください。
海を望む2階リビングの家
今日は、海を望むピクチャーウィンドウのあるお宅をご紹介します。先日から街中での2階リビングについて書いてきましたが、今回は土地から見える景色をどう暮らしに取り込むかを考えた、少し印象深い家のお話です。
■土地に立ったときに見えた景色
こちらは、勾配のある土地を埋め立て造成して建てたお宅です。
敷地調査で初めてこの土地に立ったとき、目の前に広がる海の景色がとてもきれいで、強く印象に残りました。
家づくりでは、道路の向きや日当たり、建物の配置など、確認しなければならない条件がたくさんあります。
でも、それと同じくらい、その土地にしかない魅力を見つけることも大切だと思っています。
この場所であれば、海を見ながら過ごせるリビングにしたい。
そう思ったことが、この家の計画の出発点だったように思います。
あえて海のほうを向くという判断
海は西側にありました。
一般的には南向きの家を考えられる方が多いですし、お客様も最初は南向きの家をイメージされていたかもしれません。
また、この地域では海風が強いこともあり、海側にはなるべく大きな窓をつくらないというお話も聞きました。
そういう意味では、海に向かって大きく開くことは、少し勇気のいる判断でもありました。
それでも、この景色を日々の暮らしの中で楽しめることには、それ以上の価値があるように感じました。
もちろん、風や西日への配慮は必要です。
そのうえで、海を眺める場所として2階にリビングを設けることが、この土地にはいちばん合っているのではないかと考えました。
■景色を額縁のように切り取る
最初は、バルコニーを設ける案も考えました。
ただ、バルコニーにはどうしても手すりが必要になります。
その手すりが視界に入ることで、せっかくの海の景色が少し分断されてしまうように感じました。
そこで、外に出て眺めるよりも、室内からゆっくり景色を楽しむ考え方に切り替えました。
窓も、当初は床からの背の高い窓を連続させる案で考えていました。
でも途中で、腰のある横長の2連窓に変更しました。
このほうが海と空を横に広く切り取ることができ、室内に一枚の絵を掛けたような見え方になります。
完成した空間に立ったとき、ピクチャーウィンドウとしての効果はとても大きかったと思いました。
私は山あいの生まれですが、うお座のせいか、昔から海にはどこか憧れがあります。そんな私にとっても、この景色を眺めるリビングは、本当に住みたくなる空間でした。土地の魅力を素直に受け止めることの大切さを、改めて感じたお宅です。
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