健康住宅セミナー
今日は、新潟県の上越まで、FPの家の研修会に行ってきました。
写真は帰り道の夕暮れ近くの雲の写真です。
研修内容は「これからの住宅~高断熱住宅と健康」という題材で、近畿大学の岩前教授のお話を聞かせていただきました。
住宅の断熱性に的を絞ってのシンプルでわかりやすい内容でした。結論を先に言えば、
良い家 = 断熱性の高い家
ということになります。当たり前のようですが、断熱性というのは、実は健康に大変関係があるのです。
高齢者の脳血管障害であるとか心疾患障害による死亡。これは住宅で起こっているものですが、主に温度差によるヒートショックが原因となっています。
その過度な寒さの指標として、イギリスでは決められているそうで。下記になります。
「呼吸器障害・心疾患などの深刻なリスクが表れる温度」が16℃。
「高齢者に低体温症が表れる温度」が10℃
「健康リスクが表れる温度」は19度
と教えていただきました。日本では10℃くらいでも当たり前になっていませんか?一般の家では。布団の中が30~33℃くらいでも部屋の空気が10℃とかだと温度差が20℃にもなってしまいますね。
日本では、そういうリスクを放置したまま、どんどん医療費にかかるお金が年々増えていっているようです。循環器系に限っても年間5兆円という予算で、国防費と同じだけかかるとのこと。
ニュージーランドでも研究例があって、断熱改修した家に住んでもらった人と、そうでない家に住む人との健康調査で、風邪ひき、ぜんそく、呼吸器不全などの改善結果をみると病気がそれぞれほぼ半減したそうです。そこで、断熱改修によるコスト効果の試算は断熱費用の約2倍になったとか。
住宅の断熱化は、病気を減らすための国策として、しっかり取り組んでいかないといけないことなんですね。
平成11年に作られた「次世代省エネ基準」のことを先生は「旧世代省エネ基準」と言っておられましたが、まったくその通りで、そんな昔に作った弱々しい基準を胸を張ってこれで十分と言っているほうがおかしいのです。
FPの家は、しばしばオーバースペックのように言われておりますが、次世代省エネ基準で住宅を造ってしまって、それがいつの日かFPクラスの家が当たり前のように基準が上がってから、後悔することになるかもしれません。
安い断熱材で作ってきた家は、また改めて断熱改修となってくることになるかもしれませんね。国の基準はいずれ変わっていきますから。
ちょっと言い過ぎましたかな…。