最初のモデルルーム“The Ark”を振り返って
今日は、当社で最初に建てたモデルルーム “The Ark” について振り返ってみたいと思います。
“The Ark”は、2018年に建てた元モデルルームで、現在は長男が暮らす住まいになっています。
この計画のきっかけは、義母が「大東に良い土地がある」と、長男のために土地を買ってくれたことでした。
せっかくの土地を空き地のままにしておくのはもったいない。でも、長男の将来につながる土地であるなら、先を見据えた形にしたい。そう考えて、まずはモデルルームとして活用し、その後に長男の家となる計画を立てました。
当時、長男は神戸芸術工科大学の4年生でした。
まだ十分に打ち合わせができる状況ではありませんでしたが、将来本人が住む家になる以上、やはり本人の意思が反映された建物でなければ意味がありません。そこで何度もプランを描き直しながら、ライフ・コア デザインオフィスとしての設計力も表現できる、少し挑戦的な建物を目指しました。
敷地は間口7.4m、奥行き19mほど。
正面と裏側の二方道路に面した、細長くも特徴のある土地でした。この条件を生かして、両側の道路から駐車でき、1階は土間で通り抜けられるプランを考えました。
また、限られた敷地を有効に使うため、LDKは2階に計画しました。
車庫スペースの上には広いバルコニーを設け、人工芝を敷いて、2階にいても外へ広がるような開放感をつくりました。外部からの視線を避けるための壁の高さもしっかり確保し、LDKはカーテンなしでも落ち着いて過ごせる空間になっています。
空間のコンセプトは、長男の希望でもあった 「クラシック・モダン」 でした。
室内はブラックの壁紙で統一し、スチール部分はあえて荒々しい素材感を生かした仕上げに。見えてくる構造材はシルバーグレーで塗装し、全体として独特の緊張感と美しさを持たせました。
大学を卒業して当社に入社した長男は、この建物の内装づくりにも深く関わりました。
塗装はほぼ自分の手で仕上げ、クロス工事も手伝いながら、現場で学び、覚えていったように思います。そうして完成した“The Ark”は、モダンでありながらシャンデリアやアンティーク家具も自然に似合う、独特の世界観を持った建物になりました。
この建物は約1年ほどモデルルームとして活用し、OBのお客様にご見学いただいたほか、遠方からFPの家のお仲間が見学に来てくださったこともありました。
その後、長男が結婚し、今は実際の住まいとして使われています。
キッチンや洗面台にセラミックを使った造作家具を取り入れるなど、この建物では当社にとっても新しい挑戦がいくつもありました。
“The Ark”で試みたこと、考え抜いたこと、つくり込んだことの一つひとつが、その後のライフ・コア デザインオフィスのデザインや納まりのノウハウにつながっているように思います。
今振り返っても、この建物は当社にとって大きな転機だったと感じます。
モデルルームであり、実験の場でもあり、そして今では家族の暮らしの場でもある“The Ark”。
当社の歩みを語るうえで、忘れることのできない一棟です。
窓のないトイレを心地よく整える工夫
今日は、先日の見学会にお越しいただいたお客様が、モデルルーム見学にも来てくださいました。お話も楽しく、つい時間を忘れるほどでした。モデルルームは気軽にご覧いただけますので、家づくりをご検討中の方は、ぜひ公式LINEからお申し込みいただけたらと思います。
トイレに窓を付けない計画も、今ではずいぶん一般的になってきましたが、当社ではかなり以前から取り入れてきました。
その理由のひとつが、24時間動き続ける第3種換気システムです。常に空気を動かしてくれるので、窓がなくても安心して計画しやすくなります。
窓がない分、壁面をすっきり使えますし、外観デザインとのバランスも取りやすくなります。小さな空間ほど、こうした積み重ねが効いてくるものだと感じます。
なお、こうした窓のないトイレ計画は、第3種換気だからこそ取り入れやすい面もあります。第1種換気の場合は、トイレや浴室を個別換気とする計画も多いため、同じ感覚で単純におすすめできるとは限りません。換気方式ごとの特徴を見ながら考えることが大切です。
このトイレは、背面のスリット部分に光を落として、やわらかな間接照明のように見せるつくりにしています。
もともとは手洗いのニッチ部分にダウンライトを入れる案で考えていましたが、奥様からペンダント照明のご提案をいただき、現場で変更対応しました。
結果として、この判断がとても良かったと思います。ガラスグローブのやわらかな揺らぎが壁に映り、小さな空間の中に印象的な表情が生まれました。
入った瞬間に、ふっと目が留まるような、そんな灯りになったと思います。
壁紙と床は落ち着いた無機質な色合いでまとめ、そこに木目の天井とカウンターを合わせました。
さらに、手洗いには存在感のある信楽焼のボウルを納めています。焼き物ならではの質感が加わることで、空間にやさしい奥行きが出てきます。
トイレは決して広い場所ではありませんが、だからこそ照明や素材の選び方で印象が大きく変わります。
見え方だけでなく、入ったときの気持ちまで整うような空間にしたい。そんな思いで、時間と手間をかけて設計した場所です。
毎日使う場所ほど、少しの工夫で心地よさが大きく変わるものです。派手ではなくても、きちんと整えた空間の積み重ねが、暮らし全体の満足感につながるのだと思います。
ライフ・コア デザインオフィスのモデルルーム見学は、公式LINEからお気軽にお申し込みいただけます。家づくりのご相談もあわせてお待ちしております。
夜も美しい吹き抜け玄関のつくり方
今日は、昨日に続いて吹き抜けのある玄関の“夜の表情”をご紹介します。昼は自然光がたっぷり入る吹き抜けも、夜になると光の入れ方次第で印象が大きく変わります。今回は、通常目障りとなってしまう納まりをデザイン的により美しく見せる方法へと組み替えていったお話です。
吹き抜けのある玄関は、昼間は上から光が落ちてきて、とても気持ちのいい空間になります。
ただ、夜になると話は少し変わってきます。明かりの計画が足りないと、天井の高い部分だけが暗く残ってしまい、せっかくの吹き抜けが少し寂しく見えてしまうことがあります。
だからこそ、夜にどう見えるかまで考えておくことが、吹き抜けを活かすうえで大切だと感じています。
当初は、隠れた壁面にスポットライトを設けて、上向きに照らす方法を考えていました。
ところが、LDK入口に引き戸を設けたいというご要望から、レールを納めるための小壁が必要になりました。
そこで、その小壁をただの必要条件で終わらせず、反対側の吹き抜け上部にも対になる壁を設け、両側に間接照明を入れるご提案をしました。
結果として、空間にまとまりが生まれ、夜の玄関をやわらかく包む光の演出にもつながったと思います。
こうした照明計画は、見た目だけ整えば良いわけではありません。
今回は、玄関ニッチ・吹き抜け・玄関框下の3か所に分けて配線し、さらに浴室の天井点検口からACアダプターを管理できるよう工夫しました。
交換や点検がしやすいようにしておくことも、工務店として大切な役割だと思っています。
また、ニッチ裏の階段ブラケット照明が、玄関から見上げたときに開口越しにちょうど見えるよう納めたのも、空間に奥行きを感じてもらえる見どころの一つです。
間取りは図面の上で決まっていても、現場ではさらに良くできる答えが見つかることがあります。使いやすさと美しさ、その両方を大切にしながら、一つひとつ形にしていきたいと思います。
ライフ・コア デザインオフィスの家づくりにご興味のある方は、ぜひ公式LINEからお気軽にご相談ください。写真だけでは伝わりにくい空間の広がりや光の美しさも、実際のお話を交えながら丁寧にご案内いたします。















