電球色?温白色?暮らしに合った「照明の色」の選び方
今日は、照明の「色」についてお話ししたいと思います。
住宅で使うLED照明の色といえば、主に「電球色」「温白色」「昼白色」の3種類があります。
最近は、リモコンやBluetoothで調光・調色できる器具も増えてきましたが、すべてをそのタイプで揃えることは少ないので、まずはこの3つの中から“ベースとなる色”を決める必要があります。
住宅の照明としては、基本的に「電球色」を選んでいただくと、夜の落ち着いた雰囲気づくりにはとても相性が良いです。
一方で、「なんとなく暗い気がする」という声があるのも事実です。これは、日本人が長年、蛍光灯の白っぽい光で部屋全体を明るく照らして暮らしてきた名残かもしれません。
特にキッチンなどの作業スペースは、「手元が明るく見える昼白色にしたい」というご要望が多く、キッチンだけは電球色と昼白色を切り替えられる器具を採用することもよくあります。
ただ問題なのは、同じ空間の中に電球色と昼白色が混在すると、色どうしがケンカをしてしまい、どこか落ち着かない雰囲気になってしまうことです。
そこで登場するのが「温白色」という中間の色味です。
温白色であれば、電球色とも昼白色とも一緒に使っても馴染みやすく、温白色だけでまとめても、あまりクセのない、やわらかな空間に仕上がります。
少し白っぽさはありますが、昼白色ほど真っ白にはならず、事務所や店舗のような印象にはなりません。
「電球色のオレンジっぽさにはまだ抵抗がある…」という方には、この温白色をおすすめしています。
そして、こちらが電球色でまとめたLDKです。
日中の自然光で見る壁紙よりも、少し赤みがかった色に見えるかと思いますが、これは夜のしっとりとした雰囲気として捉えていただければ良いのではないかと思います。
ベースとなる照明の色は、家全体で使う器具に関わる大事な要素ですので、最初の段階で方向性を決めておくことが大切です。
ご家族が「どんな夜の雰囲気で暮らしたいか」をイメージしながら、じっくり検討していただければと思います。
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複数の窓を一つに見せるデザイン ― パノラマウィンドウの魅力
今日は、パノラマウィンドウを採用したお宅をご紹介したいと思います。
今回のお宅では、外観の水平ラインを美しく見せるために、1階の軒のラインと揃えた横長の連続窓を計画しました。
細く長い窓が外観にアクセントをつくり、シンプルな建物に心地よいリズムを与えています。
室内では、窓の高さを少し上げて配置することで、外からの視線を程よく遮りながら、自然光をしっかりと取り込めるようにしています。
プライバシーと採光の両立に加えて、耐力壁の配置バランスを保つ設計にもつながっています。
そして今回こだわったのが、複数の窓を一つの大きな横長窓のように見せる工夫です。
連続する窓を木枠で囲って、柱の存在を無くしています。そうすることで、視界のつながりが途切れず、まるでパノラマ画角で切り取ったような景色を楽しめます。
どの位置に立っても座っても、水平に景色がスッと流れていくのが特徴です。
外観では、ガルバの縦ラインに対してこの水平ラインの窓がアクセントとなり、全体を引き締めています。
木部の落ち着いた色味との相性も良く、シンプルながら印象的な佇まいをつくってくれています。
パノラマウィンドウは、ただ光を入れるだけの窓ではなく、
“景色を暮らしに取り込み、快適さをつくるデザイン”
だと感じています。
今回も、その良さがしっかり伝わる仕上がりになりました。
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景色を美しく切り取る、パノラマウィンドウの魅力
今日は、パノラマウィンドウのご紹介です。
こちらは「海の見える家」で撮影した日中の景色です。
海から少し距離のある立地ですが、窓の奥にしっかりと海が望める、気持ちの良いロケーションでした。
当初の計画ではバルコニーを設ける予定でしたが、コスト調整のためにバルコニー案はいったん見送りました。代わりに採用を検討したのが、床から天井までの全面ガラス窓。
ただその場合、サッシサイズの制約から5分割の窓となり、間に4本の柱が立つ形です。
そんな折、確認申請後の造成工事期間中に、横浜のランドマークタワーの展望台を訪れる機会がありました。
そこで目にしたのは、床までの全面ガラスではなく、腰壁があり、視線の高さで水平に景色が広がるパノラマウィンドウ。
この“景色の切り取り方”に強く感動し、今回のお住まいにも取り入れたいと思い立ったのです。
お施主様にも快くご了解いただき、設計変更を行って実現しました。
床までの全面ガラスでは、視界に不要なものも写り込んでしまいます。
むしろ、緑と海だけがスッと横に広がるほうが、より美しい風景になります。
夕暮れ時の景色も格別で、遠くを船が横切る姿もロマンチックです。
窓はただ大きければ良いわけではありません。
“何を見せたいか”を丁寧に選び、ノイズをそぎ落としていくことで、心を動かす窓が生まれます。
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窓が主役になる家づくり ― ピクチャーウィンドウの効果
今日は、ピクチャーウィンドウについてお話ししたいと思います。
住宅の窓は、採光や換気といった機能面がとても重要ですが、ただ“付いているだけ”では、どうしても味気なく感じてしまうことがあります。
昔の住宅には、外壁に面しているからという理由だけで窓を配置した間取りも多く見られました。その結果、家具が置きにくかったり、壁に絵や飾りを楽しめる余白がなくなってしまったりと、暮らしづらさにつながる場面もあります。
家づくりでは、快適さや使い勝手を考えつつ、家具の配置も含めて空間全体を計画することが大切です。そしてもう一つ、私が大事にしているのは、「窓そのものが一枚の絵になるような美しい開口部」をつくることです。
こちらのお宅は山の近くに建っており、周囲には民家もありますが、それでも窓からは豊かな緑が目に入る環境でした。そこで、その景色を生かすために、スクエア型のピクチャーウィンドウを計画しました。
大きすぎず、壁の中にぽっかりと開いた四角い窓は、まるで外の風景を額縁で切り取ったように見せてくれます。
こうした窓は、周囲の壁がすっきりとしているほど、風景が引き立ち、より絵画のような印象になります。
ピクチャーウィンドウは、眺めるたびに心をすっと穏やかにしてくれる、不思議な魅力がありますね。
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オークの床から始まる、家具選びのコーディネート
今日は、現場で張り上がったオークのフローリングを確認してきました。
自然な木目とほどよい節の表情が、やっぱりこの材の魅力ですね。光が差し込むと、木肌が柔らかく浮かび上がって、とてもきれいでした。
床材が決まると、次は家具選びがぐっと楽しくなります。
オークは色幅が広く、ナチュラルにもシックにも振れる万能選手。ダイニングテーブルなら同じオーク系でまとめると統一感が出ますし、あえてウォルナットなど濃い色を組み合わせるのも空間が引き締まっておすすめです。
ソファは、グレー・ベージュ・キャメル系のファブリックやレザーと相性がよく、どの方向に振っても落ち着いた雰囲気にまとまります。照明やラグの色味でアクセントを加えれば、さらに空間に奥行きが出ます。
床が決まると“その家らしさ”が一気に見えてくるものです。
お施主様にとっても、これからの家具選びが楽しみになるタイミングですね。
キッチンが“家の顔”に。リシェルで仕上げたLDK事例
今日は、メーカー仕様のキッチンを納めた事例写真のご紹介です。
こちらは、リクシルの「リシェル」シリーズのアイランド型キッチンです。
選ばれたカラーは、ワークトップが“グレースグレー”、扉カラーが“バサルトブラック”。
写真では同じ色味に見えますが、実際には微妙にトーンを変えてあり、そのバランスがとても洗練されています。
お施主様が何度もショールームへ足を運んで選ばれた色で、空間とよく馴染みつつ、存在感のある仕上がりになりました。
当初ご希望されていた色柄とは異なる選択となりましたが、当社では発注ギリギリまで変更に対応できる体制をとっておりますので、納得いくまで検討いただけます。
こちらの写真からもわかるように、キッチンがLDKの中心としてしっかりとした存在感を放っています。
間取りによっては、キッチンが“家の顔”になることも多く、空間に合った色や形を選ぶことはとても大切だと感じます。
中心にタタミがある家。集まる時間をデザインする
今日は、タタミコーナーのお話です。
現在工事中のお宅にもタタミコーナーがありまして、本日も大工さんと納まりについて打合せをしてきました。
当社では、タタミコーナーをつくるたびに、毎回お施主様のお好みを大切にしながら、どこかに「これまでとは違う新しさ」を盛り込むよう心がけています。
同じ“タタミコーナー”でも、暮らし方や家族の集まり方によって、望まれる形は本当に様々です。
過去の事例を振り返ってみると、「この時もよく考えたな」と思うものがありました。
こちらは、ダイニングテーブルの横並びに設けたタタミコーナーです。
お施主様のご希望は、「親戚が集まる時に、タタミの上にも食卓を置いて、みんなで横並びに食事をしたい」というものでした。
そのため、タタミコーナーを障子などで囲うのではなく、オープンにする方針に。
家の中心として、気配がつながる空間にしたかったので、大きなアールの壁でやわらかく仕切りながら、存在感を持たせる形としました。
また、天井は大工さんに下地合板を目透かしに組んでもらい、その上に壁紙を市松模様になるように貼り分けています。
和の落ち着きがありながら、モダンな印象も感じられる、やさしい雰囲気のタタミコーナーになりました。
もちろん、家全体のコーディネートに合わせているので、単に目立つのではなく、しっかり一体感のある仕上がりになっています。
空間は部分ではなく、全体で整えることが大切です。
そのバランスを考えながらまとめるのが、私たちの仕事だと思っています。
昼と夜で変わる、壁紙の表情
今日は、同じ壁紙でも「昼」と「夜」で印象が変わるお話です。
今回ご紹介するのは、吹き抜けに面した2階ホールの一角です。

写真のとおり、昼間は窓からの自然光が入り、白い壁紙はやわらかく、少し明るめのトーンに見えます。
壁の質感も素直に感じられ、清々しい雰囲気になりますね。
一方で、夜になると照明の光に切り替わります。

照明は光源の種類や位置によって、影の出方や壁の凹凸の見え方が変わりますので、同じ壁紙でも、少し落ち着いた色味に感じられます。
この空間では、間接照明やダウンライトで柔らかい光をつくっているため、夜はより “くつろぎ感” のある印象に切り替わります。
昼と夜で、同じ壁紙でも雰囲気が変わるのは、内装仕上げの面白いところですね。
家づくりの際には、カタログやサンプルだけでなく、
「光の当たり方」「時間帯による見え方」までイメージしておくと、仕上がりにより満足いただけるかと思います。
家は光で表情を変えるもの。だからこそ、光の計画はとても大切です。
樹種が違っても、違和感のない空間づくり
昨日は、床材と造作材の樹種をそろえるというお話をしましたが、実際には費用面や材料の供給状況によって、同じ樹種で統一できない場合もあります。
その際にも、できる限り違和感のない組み合わせになるように工夫をしています。
こちらのお宅は、床材がオークなのに対し、カウンター材はタモを使用しています。
当時はオーク材が品薄な時期で、価格も品質面でもおすすめしにくいというメーカーからの相談があり、代替としてタモ材を採用したものです。
タモは、オークに比べると少しおとなしい表情ですが、木目が似ているため相性のよい樹種です。
ただ、透明の塗料をそのまま塗ると、色味の違いが際立ってしまいますので、写真のカウンターや棚は、オークに馴染むように少しだけ着色を加えています。
この色合わせは細かな作業ではありますが、自社で塗装を行うことで、納得がいくまで何度も調整しながら仕上げています。
そうしたひと手間が、空間全体として自然でまとまりのある印象にしてくれます。
その小さな工夫が、暮らしの中で“なんとなく心地よい”につながっていくのだと思います。
樹種と色をそろえると、統一感が生まれます
今日は、コーディネートの中でも 造作材(カウンターや棚、枠など)と床材の樹種や色 についてお話ししたいと思います。
昨日は建具の色柄選びについて触れましたが、その前段階として、この造作材と床材の選び方がとても大切になります。
基本的には、床材と造作材を同じ樹種で揃えることで、自然とまとまりが生まれます。
ただ、樹種によってはかなり高額なものもありますので、すべてを統一するのが難しい場合もあります。
そのような時は、違和感が出にくい樹種の組み合わせを選んでいくことになります。

こちらのリビングは、床も造作材も パイン材 で統一されていますので、やわらかく、素直にまとまった雰囲気になっています。
一方、次のリビングでは床にウォルナット柄を採用しており、全体として落ち着いた濃い色合いとなっています。

建具も床と同じウォルナット系の色で揃えることで、空間全体に統一感が生まれています。

さらに、カウンターや棚の造作材もウォルナット色にすることで、細部まで一体感のある仕上がりになっています。
家づくりでは、完成した時の全体イメージを常に頭の中に描きながら、素材や色を一つひとつ選んでいくことが大切です。
小さなパーツでも、積み重なって空間の印象をつくりますので、丁寧にコーディネートしていきたいところです。














