現場で大切にしていること|施工図を描きながら、現場を納めていく

木曜日は、「現場で大切にしていること」をテーマに書いています。

今日は、施工図について少しお話ししたいと思います。

階段の完成写真

家づくりでは、お客様とのご契約までに平面図や立面図、仕上げの図面などを作成していきます。
ただ、実際の現場では、それだけで工事が進むわけではありません。

特に注文住宅の場合、1棟1棟に個性があり、同じ納まりで済むことばかりではありません。
階段、手すり、造作家具、外壁の割付、窓まわり、天井や壁の取り合いなど、その建物ごとに考えなければならない部分がたくさん出てきます。

階段施工図

そのため当社では、工事中もそれぞれの工事に合わせて、細かい施工図を描きながら現場を進めています。

施工図というのは、実際に現場でどう納めるかを決めるための図面です。
寸法を一つ決めるにしても、ただ何となく決めるのではなく、必ず意味を持たせるようにしています。

使いやすい寸法であること。
見た目に美しく納まること。
材料の無駄が少なくなること。
職人さんが現場で迷わず施工できること。

こうしたことを重ね合わせながら、何度も図面を書き直して、ようやく最終的な納まりが決まります。

外壁完成写真

たとえば、階段まわりの手すりや造作棚の納まりも、実際には細かな寸法の積み重ねで成り立っています。
外壁のランダムな縦ラインも、ただ感覚で張っているわけではなく、全体のバランスや材料の取り方を考えながら、事前に割付図を作成しています。

完成した姿だけを見ると、自然に整って見えるかもしれません。
でも、その「自然に見える」という状態をつくるために、見えないところで何枚もの図面を描き、検討を重ねています。

外壁ランダム割付図

一般的には、設計事務所が描いた図面をもとに、施工会社の現場監督が施工図を起こし、実際に現場で納まるように調整していくことが多いと思います。

ライフ・コア デザインオフィスでは、設計と施工の両方を自社で行っていますので、設計段階の考え方を現場の納まりにまでつなげていくことができます。

さらに現場で、「どうすればもっときれいに見えるか」「どうすれば無理なく納まるか」を考えながら、図面をブラッシュアップしていきます。

お客様に直接お見せする機会は少ないかもしれませんが、1棟の家が完成するまでには、こうした施工図がたくさん存在しています。

何となく美しく見える。
自然に目になじむ。
線がそろっていて、違和感がない。

そうした仕上がりは、偶然ではなく、図面と現場での検討の積み重ねによって生まれるものです。

現場で大切にしていること。
それは、見えなくなる部分だけでなく、見えてくる部分についても、最後まで丁寧に考え抜くことだと思っています。

現場で大切にしていること|雨の日に建て方をしない理由

家づくりの現場では、天気との関係をいつも気にしながら工事を進めています。

特に「建て方」は、家づくりの中でも大きな節目となる大切な工程です。
土台の上に柱を立て、梁を組み、屋根まで一気に家の形をつくっていく作業になります。

お客様にとっても、図面で見ていた家が実際に立ち上がる、とても楽しみな日だと思います。

ただ、当社では建て方の日に雨が予想される場合、無理に工事を進めないようにしています。
日程を変更することで、職人さんの段取りやクレーンの手配など、いろいろな調整が必要になりますが、それでも雨の中での建て方はできるだけ避けたいと考えています。

その理由は、構造材や合板、断熱パネルを、できるだけ雨に濡らしたくないからです。

建て方前までの厚めのブルーシート養生

木材は、少し濡れたからといって、すぐに問題が起きるものではありません。
しかし、構造材と構造材の間、また構造材と断熱パネルの間に水が入り込んでしまうと、その水は乾きにくくなります。

表面についた水であれば乾かすこともできますが、材料と材料の間に挟まった水は、なかなか外に抜けません。
そうした部分に水分が残ると、将来的にカビや腐りの原因になる可能性があります。

当社では、柱や梁の接合部に金物工法を採用しています。
昔ながらの大きなほぞ穴を多く使う工法ではないため、水が溜まりにくい納まりにはなっています。

それでも、屋根まわりの母屋材の束など、一部にはほぞ穴が発生する部分もあります。
もし、そこに雨水が溜まった状態で部材を打ち込んでしまうと、水が抜けにくくなり、見えないところに水分を閉じ込めてしまうことになります。

完成してしまえば、その部分は見えなくなります。
だからこそ、見えなくなる前の状態を大切にしたいのです。

建て方当日施工の屋根ゴムアスファルトルーフィング

また、木材そのものよりも気をつけたいのが、床合板や屋根に使う野地板などの針葉樹合板です。

合板は、濡れることで水を吸い、膨張したり、表面が荒れたりすることがあります。
そのまま乾いたとしても、良い状態とは言えません。
場合によっては、カビや腐りの原因にもつながります。

家の構造に関わる部分は、完成後には壁や床、屋根の中に隠れてしまいます。
だからこそ、施工中にできるだけ良い状態を保つことが大切だと考えています。

外周ブルーシート養生。次の日が晴れであっても行います。

もうひとつ大切なのが、職人さんの安全です。

雨の日の建て方では、職人さんは合羽を着て、長靴で作業することになります。
高いところでの作業も多く、足元が濡れていれば滑りやすくなります。
合羽を着ることで動きも制限され、細かな確認や作業もしづらくなります。

建て方は、クレーンで大きな材料を吊り上げながら、職人さん同士が声を掛け合って進める作業です。
スピードも必要ですが、それ以上に安全が大切です。

無理をして雨の中で作業を進めることは、事故の可能性を高めることにもつながります。
良い家づくりは、職人さんが安全に、落ち着いて作業できる環境があってこそ成り立つものだと思います。

もちろん、工期を守ることも大切です。
建て方の日程を変更すれば、材料の搬入、職人さんの予定、クレーンの手配など、さまざまな段取りを組み直す必要があります。
場合によっては、手間も費用も余分にかかります。

それでも、当社では、お客様の大切な住まいをできるだけ良い状態でつくることを優先したいと考えています。

暗くなってからでも、屋根ルーフィングが終わるまで行います。

お客様にとって、家づくりは一生に一度の大きな出来事です。
その大切な家を、雨の中で無理に建てるよりも、少し日程を調整してでも、良い条件の中で建て方を行いたいと思っています。

現場では、工事を進めることだけでなく、建物を守ることも大切な仕事です。

雨に濡らさないようにする。
材料の状態を確認する。
職人さんが安全に作業できるようにする。
一つひとつは地味なことかもしれませんが、こうした判断の積み重ねが、家の品質につながっていきます。

完成してしまえば、建て方の日の天気や、材料をどう扱ったかまでは見えなくなります。

しかし、見えなくなる部分だからこそ、作り手として丁寧に判断したい。
それが、当社が雨の日に建て方をしない理由です。

これからも、日程や効率だけを優先するのではなく、お客様の大切な家を、できるだけ良い状態でつくることを第一に考えて、現場を進めていきたいと思います。

(画像:建て方前後も、雨に備えてできる限りの養生を行っています。)

現場で大切にしていること-第1回|見えなくなるところほど丁寧に

家づくりでは、完成した時の外観や内装、キッチンや照明など、目に見える部分にどうしても関心が集まります。

もちろん、見た目の美しさや空間の心地よさは、とても大切です。
毎日暮らす場所ですから、デザインや素材感、居心地の良さには、私たちもこだわって設計しています。

ただ、家の本当の安心や快適さは、完成してから見える部分だけで決まるものではありません。

むしろ、壁の中、床下、天井裏、断熱材、気密処理、下地、配線、配管など、完成すると見えなくなってしまう部分にこそ、大切なことがたくさんあります。

FPパネル・断熱施工中の写真

例えば、断熱材がきちんと施工されているか。
気密の処理が丁寧にされているか。
将来、手すりや棚を付けるための下地が入っているか。
配線や配管が無理なく納まっているか。

こうした部分は、完成してしまえばお客様の目には見えません。
ですが、暮らし始めてからの快適さや、使いやすさ、メンテナンスのしやすさに大きく関わってきます。

当社では、FPの家の断熱パネル施工や気密処理をとても大切にしています。
高気密・高断熱の家は、材料が良ければそれだけで完成するものではなく、現場での一つひとつの施工の積み重ねが大切です。

隙間ができないように確認する。
納まりを考えながら施工する。
必要なところは写真に残し、後からでも確認できるようにする。
そうした小さな確認の積み重ねが、家の性能につながっていきます。

雨に濡らさない

また、建て方前の材料の養生や、雨の日の判断なども、現場で大切にしていることのひとつです。
構造材や断熱パネルを濡らさないようにすることは、家を長く良い状態で保つためにも大切なことだと考えています。

完成に近い落ち着いた室内写真

工事は、ただ図面通りに進めればよいというものではありません。
現場に立つと、図面だけでは見えなかった納まりや、暮らしの使い勝手に気づくこともあります。

スイッチの位置。
家具とのバランス。
照明の当たり方。
収納の使いやすさ。

そうした部分も、現場で確認しながら、より良い形になるように考えています。

家づくりは、完成してから見える部分だけでなく、見えなくなる部分の丁寧さが、最終的な住み心地に表れるものだと思います。

お客様には見えにくい部分だからこそ、私たち作り手が責任を持って確認し、丁寧に進めることが大切です。

これからも、見えなくなるところほど丁寧に。
そんな思いを大切にしながら、一棟一棟の家づくりに取り組んでいきたいと思います。

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株式会社ライフ・コア デザインオフィス
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