窓の外で日差しを遮る、夏の暑さ対策
今日は、自宅の東側にシェードを取り付けました。
我が家の玄関と吹き抜けの窓は東を向いているため、夏の朝は強い日差しが差し込みます。朝の太陽は高度が低く、軒や庇だけでは遮りにくいこともあり、室内が早い時間から暑くなってしまいます。
そこで効果的なのが、シェードやタープ、すだれ、よしずなどを使い、日差しが窓ガラスに当たる前に、建物の外側で遮る方法です。
室内のカーテンやブラインドもまぶしさを抑えることはできますが、日射熱はすでにガラスを通して室内に入っています。そのため、暑さ対策として考えるなら、できるだけ窓の外側で日差しを止めることが大切です。
南向きの窓は、太陽の位置が高い夏であれば、適切な深さの軒や庇によって日差しをかなり抑えられます。一方、東や西から差し込む太陽は角度が低いため、タープやすだれ、縦格子など、窓の正面を覆う対策が有効です。
我が家の西側には、以前から全面に縦格子を取り付けています。こちらは強い西日をほとんど遮ってくれるだけでなく、外からの視線を和らげながら、室内からは外の様子を見ることができます。
日差しを遮り、室内の温度上昇を抑え、さらに視線への対策にもなる。こうした工夫は、まさに一石二鳥ですね。
シェード、タープ、すだれ、よしず、格子など、住まいの形や窓の位置によって適した方法は変わります。大がかりな工事をしなくても取り入れられるものがありますので、朝日や西日にお困りの窓がありましたら、ぜひご自宅に合った方法を試してみていただきたいと思います。
高性能住宅ほど、夏のエアコンを止めないほうがよい理由
北陸の梅雨明けは21日ごろとの予報が出ていますが、今週も暑い日が続いています。
これだけ気温が高くなると、エアコンを使わずに過ごすことは難しいですね。そこで今日は、「性能・断熱・気密」という視点から、夏のエアコンの使い方について、あらためてお話ししたいと思います。
近年の住宅は、高気密・高断熱化が進み、全体的に性能が向上しています。
ただし、どれほど優れた性能を持つ住宅でも、エアコンなどの空調設備を動かし、冷房や暖房の熱を加えなければ、その性能を十分に生かすことはできません。
断熱性能とは、自然に家の中を涼しくしてくれるものではなく、エアコンでつくった快適な温度を、できるだけ逃がさずに保つための性能です。
電気代が気になり、エアコンをこまめに切ったり入れたりする方もいらっしゃると思います。
一般的な住宅では、留守中にエアコンを切るのが当たり前かもしれません。しかし、高気密・高断熱住宅では、自動運転を利用しながら、連続して運転させるほうが、室温を安定させやすくなります。
日中にエアコンを止めてしまうと、その間に室内の空気だけでなく、床や壁、天井、家具などにも熱が蓄えられていきます。
夕方に帰宅してからエアコンをつけても、まずは暑くなった室内全体を冷やさなければならないため、エアコンは大きな能力で運転することになります。
一方、連続運転をしていれば、エアコンは室温のわずかな上昇を補う程度の、比較的静かな運転を続けることができます。
もちろん、外気温や日射、建物の性能、エアコンの機種、留守にする時間などによって条件は変わりますが、高性能住宅では、室温を大きく上下させない運転のほうが、快適性と省エネルギー性の両面で有利になりやすいと考えています。
設定温度については、必要以上に低くしないことも大切です。
冷房運転には除湿の効果もありますので、室温だけでなく湿度が下がることで、同じ温度でも涼しく快適に感じられます。温度計やエアコンの設定温度だけを見るのではなく、室内の湿度や体感も確認しながら調整していただくとよいでしょう。
さらに「FPの家」では、壁や床に組み込まれた断熱パネルによって、屋外の熱が室内側へ伝わりにくくなっています。
そのため、室内側の壁や床の表面温度も安定しやすく、周囲から感じる放射熱の影響を抑えることができます。
人が感じる暑さや寒さは、空気の温度だけで決まるものではありません。壁や床、天井など、周囲の表面温度も体感に大きく関係します。
エアコンで空気だけを冷やしても、壁や天井が熱いままでは、なかなか涼しく感じられません。反対に、断熱性能が高く、室内の表面温度が安定している家では、設定温度を極端に下げなくても快適に過ごしやすくなります。
せっかく性能の良い家を建てたのであれば、エアコンを我慢して使わないのではなく、住宅の性能を生かすように、上手に運転していただきたいと思います。
高気密・高断熱住宅の本当の価値は、エアコンでつくった快適な環境を、少ない負担で安定して保てることにあります。
暑い夏だからこそ、住宅性能と空調設備を一体として考え、快適で健康的な室内環境をつくっていただければと思います。
床断熱と基礎断熱。最後に性能を決めるのは施工です。
火曜日は「性能・断熱・気密」について書かせていただいています。
今回は、少し専門的な内容になりますが、「床断熱」と「基礎断熱」について考えてみたいと思います。
高気密高断熱住宅を考えるうえで、床まわりの断熱はとても重要です。
冬場に足元が冷えるかどうか、床付近の温度ムラが出るかどうか、そして床下の湿気や配管まわりの環境にも関わってくる部分です。
床下の断熱方法には、大きく分けて「床断熱」と「基礎断熱」があります。
床断熱は、1階の床のすぐ下に断熱材を入れる方法です。
床下は外気に近い空間として扱い、床面で断熱・気密を取る考え方です。
一方、基礎断熱は、基礎の内側または外側に断熱材を施工し、床下空間も室内に近い環境として考える方法です。
どちらにもメリットがあり、どちらにも注意点があります。
ただ、私が大切だと思うのは、単純に「どちらの工法が優れているか」という話ではありません。
最終的に家の性能を決めるのは、図面上の理論だけでなく、現場でどれだけ確実に施工できるかという部分です。
数値だけで見ると、床断熱にも大きな利点があります
断熱性能を単純に考えると、床の直下に断熱材を入れる床断熱は、とても効率の良い方法です。
室内のすぐ下で熱を遮ることができますので、断熱材の性能を素直に活かしやすいという利点があります。
特に当社で採用している「FPの家」の床パネルは、硬質ウレタン断熱パネルを土台や大引きの間にしっかり納める工法です。
FPウレタン断熱パネルは、断熱材そのものの性能が高く、現場で柔らかい断熱材を詰める方法とは違って、施工後に沈んだり、垂れ下がったりしにくい特徴があります。
この「長く性能を維持しやすい」という点は、実際の住まいにおいて非常に大切なことだと思っています。
ただし、床断熱にも注意点があります。
床断熱の場合、断熱ラインと気密ラインは床面になります。
そのため、床下から室内へ空気が入り込まないように、パネルと土台、大引き、配管まわり、柱まわりなどの取り合いを丁寧に処理しなければいけません。
断熱材の性能がいくら高くても、隙間から冷気が入れば、足元の冷えや温度ムラにつながってしまいます。
つまり、床断熱で大事なのは、断熱材を入れることだけではなく、床まわりの気密をどこまで確実に取れるかということです。
基礎断熱は理論的には魅力があります
一方で、基礎断熱にも大きな魅力があります。
床下空間を室内側に近い環境として扱うため、床下の温度が安定しやすく、床表面の冷たさを抑えやすいという利点があります。
また、給水管や給湯管が外気にさらされにくくなるため、寒冷地では凍結リスクを抑えやすいというメリットもあります。
床下エアコンなどを採用する場合も、基礎断熱との相性は良いと言われています。
さらに、断熱ラインと気密ラインを基礎まわりで連続させやすいという考え方もあります。
このように見ると、基礎断熱はとても理にかなった方法に思えます。
ただし、ここで大切なのは、「理論的には」という部分です。
実際の現場では、基礎と土台の取り合い、基礎断熱材と壁断熱材の連続、玄関土間まわり、配管貫通部、基礎の打継ぎ部分など、注意しなければならない箇所が多くあります。
基礎断熱は、うまく施工されれば高い性能を発揮します。
しかしその分、現場の施工精度や管理がとても重要になる工法でもあります。
基礎断熱で特に気を付けたいこと
基礎断熱でまず気を付けたいのは、湿気の管理です。
基礎のコンクリートは、施工後しばらく水分を含んでいます。
床下空間を閉じた環境にする場合、この水分をどう乾かすか、どう換気・除湿するかを考えておかないと、床下に湿気がこもる可能性があります。
床下が暖かく保たれることは快適性には有利ですが、湿気が多い状態で閉じ込めてしまうと、カビなどのリスクにもつながります。
もう一つ大きいのが、シロアリ対策です。
基礎断熱は床下が外気にさらされにくく、温度も安定しやすいため、シロアリにとって活動しやすい環境になる可能性があります。
もちろん、基礎断熱そのものが悪いということではありません。
ただし、基礎の打継ぎ部分、玄関土間、配管の貫通部、断熱材の端部など、シロアリが侵入しやすい経路をつくらない施工が必要です。
特に基礎外側に断熱材を施工する場合は、シロアリが断熱材の裏側を通って上がってくるリスクも考えなければいけません。
そのため、基礎断熱を採用する場合は、防蟻処理、点検のしやすさ、断熱材の納め方、床下環境の確認まで、セットで考える必要があります。
地震時の動きも考えておきたいところです
もう一つ、私が気になる点として、地震時の動きがあります。
基礎と木造の上部構造は、地震時にまったく同じ動きをするわけではありません。
建物が揺れた時、基礎と土台まわりの取り合い部分には、少なからず動きや変形が生じます。
基礎断熱では、基礎と土台の間に気密パッキンを入れたり、取り合い部分を発泡ウレタンや気密テープで処理したりします。
通常の範囲では問題なくても、大きな地震を受けた後に、その気密ラインがどこまで維持されるのかという点は、慎重に考えておきたい部分です。
これは基礎断熱だけを否定する話ではありません。
床断熱であっても、地震後に気密性能がまったく変わらないとは言い切れません。
ただ、基礎断熱の場合は、基礎と上部構造の取り合い部分が気密・断熱の重要なラインになるため、そこをどう納めるかが非常に大切になります。
施工しやすさも、性能の一部だと思います
家の性能を考える時、断熱材の厚みや熱伝導率、UA値、C値といった数値はもちろん大切です。
しかし、実際の現場では、数値だけでは判断できない部分があります。
それは、施工しやすさです。
どれだけ理論上優れた工法でも、現場で複雑な取り合いが多く、施工者の技量に大きく左右される場合、実際の性能にはばらつきが出やすくなります。
反対に、工法として納まりが明確で、誰が見ても施工手順が分かりやすく、確認もしやすい方法であれば、性能を安定して出しやすくなります。
当社が「FPの家」の床断熱を大切にしている理由も、ここにあります。
FP床パネルは、工場で製作された硬質ウレタン断熱パネルを、現場で構造材の間に納めていく工法です。
もちろん、土台や大引き部分の熱橋がゼロになるわけではありません。
木材が存在する以上、完全に断熱材だけで連続するわけではないからです。
しかし、FPパネルは断熱材自体の性能が高く、パネルとして形が安定しているため、現場での施工精度を確保しやすいという利点があります。
そして、パネルと構造材の取り合いを、気密テープやウレタン処理で一つひとつ丁寧に施工することで、床下からの冷気の侵入を抑えることができます。
この部分は、完成してからは見えません。
だからこそ、現場での丁寧な施工が必要になります。
床断熱でも、足元の快適性は十分につくれます
「基礎断熱でないと、足元が暖かくならないのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、基礎断熱は床下空間の温度を安定させやすい工法です。
その意味では、床表面温度を保ちやすい利点があります。
しかし、床断熱だから足元が必ず冷えるというわけではありません。
床断熱でも、断熱材の性能をしっかり確保し、床まわりの気密を丁寧に取り、家全体の気密・断熱・空調計画が整っていれば、足元まで温度差の少ない住まいをつくることは可能です。
大切なのは、断熱材の種類だけではなく、隙間をつくらないことです。
床下から冷たい空気が入らない。
配管まわりに隙間を残さない。
パネルと構造材の取り合いをきちんと処理する。
完成後に見えなくなる部分を、現場で確認しながら施工する。
こうした積み重ねが、住み心地に直結します。
最後は、工法よりも施工の確かさです
床断熱と基礎断熱は、どちらが絶対に正解というものではありません。
基礎断熱には、床下温度が安定しやすく、床下エアコンなどとも相性が良いという利点があります。
一方で、湿気管理、防蟻対策、取り合い部の気密処理など、現場で注意すべき点も多くあります。
床断熱には、床面で効率よく断熱でき、床下を通気させやすく、施工実績が豊富という利点があります。
一方で、床まわりの気密処理が不十分だと、足元の冷えや気密性能の低下につながります。
つまり、どちらの工法を選んでも、最後に性能を決めるのは施工です。
高気密高断熱住宅は、図面上の数値だけで完成するものではありません。
現場で断熱ラインと気密ラインを理解し、見えなくなる部分をどれだけ丁寧に施工できるか。
そこに、実際の住み心地の差が出ると思っています。
当社では、「FPの家」の床断熱を基本としながら、床パネルまわりの気密施工をとても大切にしています。
断熱材を入れて終わりではなく、隙間をふさぎ、取り合いを確認し、気密測定によって施工結果を確かめる。
そうした地道な施工の積み重ねが、冬でも足元が冷えにくく、家全体の温度差が少ない住まいにつながっていきます。
性能の良い家とは、特別な工法名だけで決まるものではありません。
見えないところを、どれだけ正しく、丁寧に、確実に施工できるか。
床断熱と基礎断熱を考える時にも、そこを一番大切にしたいと思います。






