年頭に当り
こちらは、2016年の年賀状になります。
どの写真にしようか、いつも迷うところですが、今年はこの1枚。
今頃になってカミングアウトですが、石川県の実家の父が7月に他界いたしました。式の方は家族葬で身内親戚だけで執り行いました。
個人的な友人関係には喪中はがきを出したのですが、会社としては喪中は関係ないという事なので、今回は個人名を入れてない年賀状を出させていただきました。
石川県山中温泉の実家は、祖父の代から大工の家系で、父も後継ぎで工務店経営をしておりました。 年もとって、もう何年も前に廃業させてもらっていましたが。
母の母方の実家の祖父も宮大工であったのですが、後継ぎが無く、母を大工の家に嫁がせることに祖母は希望を持っていたようです。
私は次男坊で、昔から田舎から出たいと考えていたもので、結局、縁あって福井の地に身をおくことになりました。
でも、気付いたら建築の道にひたすら邁進し、父と同じ工務店の経営という立場になっていました。
父は、ほんとに、何もこうしろとか言う人ではありませんでした。もちろん私が建築に進むことには、いっさい口出ししたことはありません。私が勝手にこの道を選んで進んできました。
でも結局は、父の後ろ姿を見て育っていたんですよね。
やっぱり、父を目指していたんだと思います。
私が、工務店を始めてからというもの、山中から母と軽トラに乗ってきては、ゴミの片付けを手伝ってくれたり、いつも現場の事を気遣ってくれていて、また完成した家を見て喜んでくれたり。
私の造る家を、老後の楽しみのように、見守ってくれていましたね。
家業は継げなかったけれど、家を造るという生業を、継がせてもらったという自負はあります。
そのことが、私が仕事をするうえでの大きな力になっていて、心の支えになっているんです。
目には見えませんが、先祖からいただいた「徳」をもって、これからも人様のお役にたてる工務店であり続けるように、努力していきたいと思いますので、どうぞこれからも、暖かいご支援を賜りたいと存じます。