照明の話⑩ 玄関は最初に目に入る場所を照らす
玄関は、家に入って最初に目にする場所です。だから私は、照明器具をどこに付けるかというより、「玄関に入ったとき、最初にどこを見てもらいたいか」を考えるようにしています。今日は、アクセント壁やニッチと照明の関係についてお話しします。
最初に目に入る壁を大切にする
玄関に入ったとき、正面や少し視線を振った先に見える壁は、その家の第一印象をつくる場所だと思っています。
そこで、タイルや塗り壁など少し特徴のある仕上げを使い、玄関のアクセントにすることがあります。
ただ、せっかく素材にこだわっても、その壁が暗ければ夜には表情がよく分かりません。
ダウンライトや間接照明などで壁面に光を当てることで、素材の凹凸や質感も見えやすくなります。
アクセント壁をつくるなら、同時に「どう照らすか」まで考えておくことが大切です。
ニッチは飾ったものまできちんと見せる
玄関のアイキャッチとして、壁を少し凹ませた「ニッチ」と呼ばれる飾り棚をつくることもよくあります。
季節の花や小物、ご家族のお気に入りなどを飾る小さなスペースですね。
こうしたニッチには、できるだけ照明も一緒に計画するようにしています。
飾り物が暗いままだと、せっかく用意した場所そのものが沈んで見えてしまいます。
小さな光でも、飾ったものをきちんと照らしてあげることで、玄関に自然と目が行く場所ができます。
照明は「見せたいもの」を決めてから
玄関だから明るい照明を何灯付ける、という考え方だけではなく、まず見せたい場所を決める。
これは、これまでこの連載でお話ししてきた照明の考え方と同じです。
アクセント壁を見せたいのか、ニッチを見せたいのか、それとも正面に置いた花や絵を見せたいのか。
視線の先に光があると、玄関全体を必要以上に明るくしなくても、空間に奥行きや落ち着きが生まれます。
玄関は長く過ごす場所ではありませんが、家の印象をつくる大切な場所だからこそ、少し丁寧に照明を考えたいと思っています。
■まとめ
家に帰って玄関を開けたとき、まず目に入る場所がきれいに照らされていると、それだけでも気持ちが整うように思います。照明は明るさを確保するだけでなく、「どこを見せるか」をつくるものでもあります。
モデルルームでは、玄関から室内へ入ったときの視線と照明の見え方もご覧いただけます。見学のご予約や家づくりのご相談は、公式LINEからお気軽にどうぞ。
照明の話⑨ 子供部屋は便利さを優先してもいい
これまで、シーリングライト一つで部屋全体を明るくする照明について、少し否定的なお話もしてきました。ただ、すべての部屋に同じ考え方を当てはめる必要はありません。特に子供部屋では、雰囲気よりも使いやすさを優先して、シーリングライトが適している場合もあると思っています。
子供部屋には、シーリングライトの便利さが合う
リビングなどでは、壁を照らしたり、必要な場所に光をつくったりすることを大切にしています。
一方で子供部屋は、勉強をしたり、本を読んだり、着替えたり、遊んだりと、一つの部屋をいろいろな用途で使います。
家具の位置も、成長とともに変わっていくでしょう。
そう考えると、部屋全体をしっかり明るくできるシーリングライトは、とても実用的な照明です。
照明は見た目だけではなく、その部屋でどう暮らすかに合わせて選ぶものだと思います。
調光・調色、リモコンも便利です
最近のシーリングライトには、明るさを変える「調光」や、光の色を変える「調色」ができるものがあります。
勉強するときは明るめに、夜ゆっくりするときは少し明るさを落とすなど、使い方に合わせて調整できるのは便利ですね。
また、リモコンがあれば、ベッドに入ってから照明を消すこともできます。
リモコン操作に対応したシーリングライトなら、スマートリモコンを組み合わせて、スマートフォンや音声で操作する方法もあります。
こうした機能は、毎日使う子供部屋では、デザイン以上に役立つこともあると思います。
部屋によって、照明の正解は変わる
これまでの照明の話を読むと、「シーリングライトは使わないほうがいい」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私が大切だと思うのは、器具の種類を決めつけることではありません。
リビングにはリビングに合った照明があり、ダイニングには食卓を照らす光があり、子供部屋には子供部屋なりの使いやすさがあります。
その部屋で誰が、どんなふうに過ごすのか。
そこから照明を考えることが、結局は一番使いやすい家につながるのだと思います。
■まとめ
照明計画は、すべての部屋を同じ考え方でつくるものではありません。特に子供部屋は、成長や模様替えにも対応しやすい、シンプルで便利な照明が合うこともあります。見た目と使いやすさ、その両方を考えて選びたいですね。
ライフ・コア デザインオフィスでは、部屋ごとの用途に合わせた照明の考え方もご説明しています。家づくりや照明計画のご相談は、公式LINEからお気軽にお問い合わせください。
間口6.7mの敷地に建つ、ブラックコーディネートの家
今日の土曜日の施工事例は、
「狭小地に建つブラックコーディネートの家」をご紹介します。
間口は約6.7m。
両隣を建物に挟まれた敷地で、外からの視線を抑えながら、室内にどう光を取り込むかを考えて計画した住まいです。
室内は、ブラックからグレーの濃淡でまとめた落ち着いたコーディネート。
壁や天井、建具、造作家具まで色調を揃えることで、かなり個性的でありながら、全体として統一感のある空間になりました。
一方で、これだけ濃い色を使うと、どうしても暗い空間になりやすいため、吹抜けやトップライトを設けて、上部から自然光を取り込んでいます。
周囲からの視線は遮りながら、必要な光はしっかりと室内へ。
狭小地だからこそ、窓の大きさだけではなく、どこから光を取り入れるかが大切になります。
キッチンには、大きな引戸で隠すことのできる背面収納を設けました。
普段は壁のようにすっきりと見せながら、扉を開けば収納や家電をまとめて使えるつくりです。
ダイニングにつながるカウンターや畳コーナー、造作家具なども含め、デザインだけではなく、日々の使いやすさも考えて計画しています。
敷地条件に制約があっても、光の入り方や空間のつながりを工夫することで、開放感のある住まいはつくることができます。
「FPの家」の快適な室内環境と、ご家族のお好みを形にした、印象的な一邸となりました。















