自分たちの手で仕上げた、こだわりの平屋のFPの家
今日は、ちょっと珍しい家づくりをされたお客様のお住まいをご紹介したいと思います。
こちらは、お施主様ご自身が内装工事をされた、平屋の「FPの家」です。
私たちはFPの家の建物と、オリジナルキッチンの設計・施工を担当させていただきました。
そして、床の無垢フローリング、壁の塗り壁、天井の羽目板といった内装の仕上げは、お施主様ご自身が施工されています。
それだけではなく、洗面スペースのタイル貼りや、ロフトへ上がる段違い階段まで、ご自身の手でつくられたものです。
家づくりにここまでご自身で関わられるというのは、なかなかできることではありませんね。
完成した室内を見ると、木の素材感を活かした、とても温かみのある空間になっています。
木の梁と天井がつくる、開放的なLDK
室内に入ると、まず目に入るのが大きな木の梁と、高く広がる羽目板の天井です。
床にも無垢のフローリングを使い、壁は塗り壁仕上げ。
木と塗り壁、それぞれの素材が持つ自然な表情が、空間全体を落ち着いた雰囲気にしています。
リビングの一角にはタタミスペースも設けられています。
ダイニングからリビング、そしてタタミスペースへとつながる、広々としたLDKです。
写真ではなかなか伝わらない部分ですが、こうした木の空間は、光の当たり方によっても表情が変わります。
特に夜になると、照明に照らされた梁や天井の木目が浮かび上がり、昼間とはまた違った雰囲気になります。
木の空間を活かす、オリジナルキッチン
こちらの住宅で、私たちが特にこだわって設計したのがキッチンです。
木製のキャビネットにステンレスの天板を組み合わせた、オリジナルキッチンを製作しました。
そして、もう一つの特徴がレンジフードです。
一般的なキッチンでは、調理器具の上部に大きなレンジフードを設置します。
しかし、こちらのお住まいでは、せっかくの大きな木の梁や羽目板天井を、できるだけすっきりと見せたいという思いがありました。
そこで採用したのが、オリジナルで設計した床下排気方式のレンジフードです。
調理時の煙や臭いを、加熱面の近くで吸い込む仕組みとし、ステンレスの吸い込み口も専用にデザインして加工しました。
また、毎日使うものですから、お掃除やメンテナンスのことも大切です。
吸い込み口の正面パネルを開けると、内部のフィルターを掃除できるようになっています。
換気本体はキッチンの背面側に収納しており、こちらもメンテナンスや将来の交換が可能な構造としました。
吸い込んだ空気は、床下の基礎空間に配管したダクトを通り、基礎の外側へ排気する仕組みです。
キッチンは設備機器としての使いやすさも大切ですが、室内のデザインとの調和も大切だと思っています。
特に今回のように木の梁や天井を見せる空間では、頭上に大きなレンジフードがないことで、天井の広がりをそのまま活かすことができます。
そして、掃除やメンテナンスができることも、長く使っていただくためには欠かせません。
見た目だけでなく、使い続けることまで考えて設計したキッチンです。
ロフトへの階段も、お施主様の手づくり
もう一つ、ぜひ見ていただきたいのが、ロフトへ上がる段違い階段です。
限られたスペースの中で上り下りができるよう、左右の踏み板を交互に配置した特徴的な形になっています。
この階段も、お施主様ご自身が施工されたものです。
木を組み合わせた独特の形状で、単なる階段というより、一つの造作家具のようにも感じられます。
その先には、屋根の形を活かした広いロフト空間が続いています。
床には木の板が張られ、小さな窓から自然光が入る空間になっています。
なお、このような段違い階段は一般的な階段とは足の運び方が異なるため、使う方や用途に応じた安全面への配慮も必要です。
洗面やトイレにも、お施主様のこだわり
LDKだけでなく、水まわりの仕上げにもお施主様の手仕事が活かされています。
洗面スペースでは、鏡の下に貼られたタイルがアクセントになっています。
木の収納と白い洗面カウンター、そしてタイルの組み合わせが印象的です。
壁の塗り壁も、光が当たることで独特の陰影が生まれます。
トイレにも木の板や棚が使われ、住宅全体で素材の雰囲気が統一されています。
一つひとつの仕上げをご自身で考え、手を動かしてつくる。
完成したときの喜びも、きっと大きかったのではないかと思います。
完成してからも続く家づくり
今回掲載している外観写真は、竣工当時のものです。
黒い外壁に木の柱や玄関ドアがアクセントとなった、すっきりとした平屋の外観です。
実は、こちらのお施主様の家づくりは、建物が完成してからも続いています。
その後、ウッドデッキやお庭、外構工事などもご自身で手掛けられ、現在は竣工当時よりもさらに素敵なお住まいになっています。
家というものは、完成したらそれで終わりではありません。
そこから日々の暮らしが始まり、少しずつ手を加えながら、自分たちの住まいになっていくものだと思います。
もちろん、誰もが内装工事を自分でできるわけではありませんし、専門的な工事はプロが行う必要があります。
それでも、自分の家づくりにどのように関わるのか、その方法はいろいろあるのだと思います。
私たちは、住まいの基本となる建物や性能をしっかりと考え、設計・施工する。
そして、お施主様がご自身の手で住まいを仕上げていく。
今回の住宅は、そんな家づくりの一つの形を見せていただいたお住まいでした。
自分たちでつくり、自分たちで育てていく家。
これからも、楽しみながら長く住み続けていただけたらと思います。
夫婦二人のこれからを考えた、平屋+ロフトの家
夫婦二人のこれからを考えた、平屋+ロフトの家
今日は、以前に建てさせていただいた、平屋+ロフトの住宅をご紹介したいと思います。
こちらのお住まいは、定年を機に、ご夫婦二人でこれからの人生をゆっくりと過ごすために計画された家です。
平屋部分が23.5坪、ロフト部分は階段やキャットウォークを除いた実質約8坪。
基本的な生活は1階で完結させながら、ロフトも上手に活用することで、限られた面積を有効に使う設計としました。
家の中心には、大きな吹抜けを持つLDKを配置しています。
天井にはトップライトを設け、そこから自然の光が降り注ぐ、明るく開放的な空間になりました。
そして、リビングはご希望だったタタミ敷きに。
椅子やソファに座るのではなく、畳の上でゆったりとくつろぐ暮らしです。
また、食事については「二人なのでカウンターで十分」とのことでしたので、キッチンの前に食事カウンターを設けています。
一般的には、LDKというとダイニングテーブルとソファを置くことを前提に考えがちですが、必ずしもそうである必要はありません。
ご家族の人数や暮らし方に合わせて考えることで、必要なものも、必要な広さも変わってくるものだと思います。
こちらの住宅で特徴的なのが、吹抜けの上に設けたキャットウォークです。
階段を上がり、吹抜けを渡った先には、収納として活用する広いロフトがあります。
普段の生活に必要な場所は1階にまとめ、日常的には使わないものをロフトに収納する。
こうすることで、平屋部分を必要以上に大きくせずに、ゆとりのある生活空間を確保することができます。
また、ご夫婦それぞれに個室を設けているのも、この家の特徴です。
奥様には仕事のできるワークスペースを。
ご主人のお部屋には、高い天井を活かしてスノコのロフトをつくり、趣味の場所としても利用できるようにしました。
夫婦二人で過ごす時間も大切ですが、それぞれが自分の時間を楽しめる場所も必要なのだと思います。
そして、雪国の住宅として考えなければならないのが、屋根の雪の処理です。
こちらの敷地は、北側に大きな水路があるという条件でした。
そのため、屋根の雪を水路側へ落とす計画とし、大きな屋根の形状も、その敷地条件から考えています。
間取りだけでなく、敷地や周辺環境、雪のことまで含めて考えることが、雪国の家づくりには欠かせません。
昼間はトップライトからの光に包まれた、明るい木の空間。
そして夜になると、照明に照らされた梁や天井が、昼間とはまた違った落ち着いた表情を見せてくれます。
同じ場所であっても、時間によって感じ方が変わるというのも、木を活かした住まいの魅力の一つですね。
定年後の住まいというと、できるだけ小さく、コンパクトにという考え方もあります。
もちろん、それも一つの選択です。
ただ、単に小さくすることだけが目的ではなく、これからの暮らしに何が必要なのかを考えることが大切なのだと思います。
必要な場所はしっかりと設け、必要のないものは無理につくらない。
そして、毎日の暮らしを楽しめる空間をつくる。
こちらの住宅は、そんなことを改めて感じさせてくれる、夫婦二人のための平屋+ロフトの住まいです。
3世代が、それぞれ心地よく暮らせる家
本日の土曜日は、施工事例をご紹介します。
今回のお宅は、長年暮らしてきた古い農家住宅を建て替えて完成した、3世代で暮らす住まいです。
広い敷地の中に、ご家族みんなが一緒に過ごす場所と、それぞれが自分の時間を過ごせる場所を考えながら計画しました。
家の中心となるのは、大きな吹抜けのあるLDK。
天窓から入る光が吹抜けを通してリビングまで届き、ダークブラウンを基調とした落ち着いた室内に、明るさと開放感をつくっています。
吹抜けに面した2階廊下には、少し特徴的な木製のランダム格子を設けました。
一見するとデザインのための格子にも見えますが、もちろん役割はそれだけではありません。
2階から吹抜けへの落下を防ぎながら、できるだけ空間を閉じないこと。
そして、全館空調の空気が1階と2階の間をスムーズに行き来できること。
安全性と空気の流れ、その両方を考えてつくった格子です。
家の中を見渡したときにも、この格子が吹抜けの大きなアクセントになっています。
2階には寝室と子ども室を配置しました。
以前の住まいでは一緒の部屋で過ごしていた3人のお子さんにも、新しい家ではそれぞれの個室を。
家族みんなで過ごす場所はしっかりつくりながら、成長とともに必要になる「自分の場所」も大切にしています。
さらに階段を上がった小屋裏には、子世帯の収納スペースを確保しました。
敷地内には別棟の蔵もありますが、日常的に使うものは家の中に収納できた方が便利です。
大人数で暮らす家だからこそ、見える部屋の広さだけではなく、こうした収納量も重要になります。
1階には、仏間を備えた落ち着いた和室もあります。
深いブルーの壁と木部、畳を組み合わせ、LDKとは雰囲気を変えた空間にしました。
そして庭に面して設けたのが、以前の住まいにはなかった広い縁側です。
室内と庭との間にもう一つ居場所をつくることで、季節の良い日は腰掛けたり、庭を眺めたり。
農作業の途中にちょっと一息つく場所としても使っていただけると思います。
3世代が一つの家で暮らすとなると、ただ部屋数を増やせば良いというものではありません。
一緒に過ごす場所。
それぞれが落ち着ける場所。
生活時間が違っても無理なく暮らせること。
そして家全体の温熱環境を整えること。
それぞれを一つずつ考えながら、ひとつの住まいとしてまとめていきます。
家族が近くにいながら、それぞれの暮らしも大切にできる。
そんな3世代の住まいとなりました。

























