失敗しない家づくり|ご主人の“ただいま”から考える間取り
家づくりで間取りを考えるとき、家事動線や収納計画はよく話題になります。
キッチンから洗面、洗濯、物干しまでの流れ。
買い物から帰ってきて、パントリーへ荷物をしまう動き。
こうした奥様目線、家事目線の動線は、とても大切です。
一方で、意外と見落とされやすいのが、
ご主人が仕事から帰ってきた後の動き方です。
毎日のことですから、この帰宅後の動線が整っているかどうかで、暮らしのしやすさはずいぶん変わってきます。
仕事から帰ってきて、玄関に入り、靴を脱ぐ。
上着を脱ぎ、カバンを置き、時計や鍵を置く。
洗面で手を洗い、着替えて、ようやくリビングでくつろぐ。
この流れが自然にできる間取りになっていると、家の中も散らかりにくくなります。
逆に、上着を掛ける場所がなかったり、カバンの置き場が決まっていなかったりすると、どうしてもリビングの椅子やソファの上に置いてしまいがちです。
これは、ご主人が片付けが苦手ということではなく、
片付く場所が、帰宅動線の中に用意されていないということでもあります。
例えば、玄関から入ってすぐのところに、シューズクロークやコート掛けがある。
その先に洗面があり、手洗いができる。
さらに近くに着替えや普段使いの収納がある。
こうした流れがあると、帰宅してからの動きがとてもスムーズになります。
特に最近は、仕事用のバッグ、作業着、趣味の道具、スポーツ用品など、ご主人専用の持ち物も意外と多いものです。
それらをどこに置くのかを、最初から考えておくことが大切です。
家族全員の収納として考えるだけでなく、
ご主人専用の小さな収納スペースをつくっておくのも良い方法です。
大きな書斎でなくても構いません。
玄関近くの一角、階段下、ファミリークロークの一部などに、カバンや上着、仕事道具を置ける場所があるだけで、暮らしはかなり整いやすくなります。
また、帰宅後すぐにリビングへ入る動線が良い場合もあれば、いったん着替えてからリビングに入れる方が良い場合もあります。
これは、ご家庭の暮らし方によって正解が変わります。
だからこそ、間取りを考えるときには、
「ただいま」から「くつろぐ」までの動きを、一度具体的に想像してみることが大切です。
家づくりでは、どうしても部屋の広さや見た目に目が行きがちですが、毎日の小さな動きがスムーズであることも、住み心地には大きく関わってきます。
帰ってきたときに、自然に片付き、自然に手を洗い、自然にくつろげる。
そんな動線がある家は、ご主人にとっても、ご家族にとっても、暮らしやすい家になると思います。
間取りは、家族全員の毎日の動きから考えることが大切です。
その中でも今回は、ご主人目線の帰宅後の動線について考えてみました。
家づくりの際には、ぜひ一度、
仕事から帰ってきた後の自分の動きも思い浮かべてみてください。
社長の日常・考え方|階段下に、小さな書斎スペースを
先日、モデルルームのエントランスホールに置いてあった、見学会用のチェアなどを少し整理しました。
階段下の空間がガランと空いたのですが、それはそれで新鮮で、すっきりとした余白のある空間も良いものだなと感じました。
ただ、ふと眺めているうちに、
「ここが小さな書斎のようなスペースになっても面白いのではないか」
という考えが浮かびました。
家の中に、わざわざ一部屋の書斎をつくるのは難しくても、階段下やホールの一角を使えば、ちょっとした仕事や読書、調べものができる場所になります。
そこで、IKEAの家具を置いてみることにしました。
今回使ったのは、IKEAの「カラックス」というシリーズです。
本日、福井の配送センターに届きましたので、朝から組み立てをして、さっそく配置してみました。
組み立てる前には、収納部分を右側にするか、左側にするかで少し悩みました。
こういう小さなことでも、実際に置いてみたときの見え方や使い勝手が変わるので、意外と大事なところです。
配置してみると、階段下の少しこもった感じと、デスクスペースの雰囲気がうまく合って、思っていたよりも落ち着く場所になりました。
リビングのようにテレビがある場所とは少し離れているので、集中したい時や、ひとりで静かに過ごしたい時にも良さそうです。
家づくりでは、収納をたくさん取りたいというご要望も多くあります。
もちろん収納は大切ですが、空いている場所をすべて収納にしてしまうと、少し味気ない空間になることもあります。
必要なものはきちんと納めながら、少しだけ余白を残す。
その余白に、椅子を置いたり、照明を置いたり、小さなデスクを置いたりすることで、暮らしの楽しみが生まれることもあります。
今回の模様替えも、そんなことを考える良いきっかけになりました。
家の中に、家族みんなで過ごす場所があることは大切です。
でも同時に、ひとりで少し落ち着ける場所があることも、これからの住まいには大切なのかもしれません。
モデルルームでは、こうした小さな工夫も実際に見ていただけるように、少しずつ手を加えながら、暮らしの提案につなげていければと思います。
施工事例|親の一人暮らしが心配になったとき、同居できる家
親の一人暮らしが、少し心配になってきた。
年齢を重ねるにつれて、そんなふうに感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
離れて暮らしていると、何かあったときにすぐ駆けつけられない不安があります。
かといって、いきなり完全な同居となると、お互いの生活リズムや距離感が気になるものです。
今回ご紹介する住まいは、そんな不安に対して、ひとつの答えとなるような家です。
同じ屋根の下で暮らしながら、親世帯も子世帯も、それぞれの暮らしを大切にできる二世帯同居の住まいです。
大屋根を活かした、開放的なLDK
子世帯の中心となるLDKは、大屋根の傾斜天井を活かした約25畳の大空間です。
天井が高く、梁の見える開放的な空間は、家族が自然と集まりたくなる場所になっています。
キッチン、ダイニング、リビングがゆるやかにつながり、窓の外には田園風景が広がります。
毎日の暮らしの中で、光や風、外の景色を感じながら過ごせるLDKです。
LDKの一角には、3畳のスタディルームも設けています。
天窓から光が降り注ぐ明るい場所で、勉強や仕事、読書、趣味のスペースとして使えます。
リビングの近くにありながら、少しだけこもれる場所があることで、暮らしに幅が生まれます。
親世帯が気兼ねなく過ごせるリビング
この住まいの特徴は、親世帯のための生活空間をしっかりと設けていることです。
離れのように使える場所に、親世帯専用のリビングスペースを計画しました。
同居というと、すべての時間を一緒に過ごすイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、実際の暮らしでは、親世帯にも子世帯にも、それぞれの生活リズムがあります。
テレビを見る時間、食事の時間、来客の有無、就寝時間。
それぞれが違っていて当然です。
だからこそ、同じ家の中にいながらも、親世帯が気兼ねなく過ごせる場所をつくることが大切になります。
親世帯にもミニキッチンを設置
親世帯のスペースには、ミニキッチンも設置しています。
簡単なお茶の用意や朝食、ちょっとした調理が自分たちの空間でできると、暮らしの自由度が高まります。
奥にはベッドルームとウォークインクローゼットも配置しています。
リビング、ミニキッチン、寝室、収納がまとまっていることで、親世帯の暮らしがこのエリアである程度完結します。
同居しながらも、必要以上に干渉しすぎない。
でも、何かあればすぐそばにいる。
そんな安心感のある距離感を考えた間取りです。
玄関正面の座敷が、両世帯をゆるやかにつなぐ
メインエントランスの正面には、座敷スペースを設けました。
この座敷を中心に、左右で親世帯と子世帯の空間をゾーニングしています。
座敷は、オープンな格子戸で仕切ることができ、来客時には応接間のように使うこともできます。
普段は家族の共有スペースとして、また節目の集まりの場としても使いやすい空間です。
二世帯住宅では、完全に分けすぎると距離ができすぎることがあります。
一方で、共有部分が多すぎると気をつかう場面も増えます。
この住まいでは、座敷が両世帯の間にあることで、ゆるやかなつながりを持たせています。
仏壇のある暮らしにも対応した座敷
座敷スペースには、大きめの仏間スペースを設けています。
さらに、座布団入れの収納を設け、その下には床の間を計画しました。
最近の住まいでは、和室や仏間をどうするか悩まれる方も多いです。
特に親世帯との同居を考える場合、仏壇の置き場所や法事、来客時の使い方まで考えておくと安心です。
この住まいでは、仏壇のある暮らしにも自然に対応できるよう、座敷まわりを丁寧に計画しています。
玄関まわりにも将来を見据えた配慮を
メインエントランスへのポーチ階段には、手すりを設置しています。
若いときにはあまり気にならない段差も、年齢を重ねると大きな負担になることがあります。
また、ポーチ脇には外物置も設けています。
外で使う道具や季節のものを収納できる場所があると、玄関まわりをすっきり保ちやすくなります。
日々の暮らしの中で、こうした小さな配慮が使いやすさにつながります。
平屋のように見えて、空間を使い切る住まい
外観は、平屋のように見える落ち着いたファサードです。
黒を基調とした外壁に、木の玄関ドアや軒天がアクセントになっています。
一見すると平屋のようですが、実際には大屋根の中に2階寝室や子ども部屋、小屋裏収納を納めています。
大屋根の形を活かしながら、家族に必要な空間を無駄なく配置した住まいです。
昼間のLDKは、天窓や大きな窓から光が入り、明るく開放的な雰囲気に。
夜になると、吹き抜けの天井や梁、スポットライトの灯りによって、落ち着いた表情に変わります。
時間帯によって違う心地よさを感じられるのも、この家の魅力です。
近すぎず、離れすぎない同居のかたち
親との同居を考えるときに大切なのは、ただ部屋数を増やすことではありません。
お互いが安心できる距離感を、間取りの中でどうつくるか。
親世帯が自分たちらしく暮らせる場所。
子世帯が普段どおりに過ごせる場所。
そして、家族が自然につながれる場所。
そのバランスを考えることで、同居はもっと心地よいものになります。
親の一人暮らしが心配になったとき。
将来の暮らし方を考え始めたとき。
この住まいは、家族みんなが無理なく暮らせる同居のかたちを考える、ひとつの参考になるのではないかと思います。















