施工事例 duplex|ほどよくつながる二世帯住宅
今日は、施工事例として二世帯住宅の住まい「duplex」をご紹介したいと思います。
郊外の田園地帯に建つ、ブラックのガルバリウム鋼板をまとった外観の家です。
すっきりとした黒い外観の中に、玄関まわりには木の素材を取り入れ、落ち着きの中にもあたたかさを感じられる佇まいになりました。
今回の住まいは、二世帯住宅として計画したお宅です。
二世帯住宅といっても、すべてを完全に分けるのではなく、ご家族の暮らし方に合わせて「一緒に使う場所」と「それぞれで使う場所」を整理しています。
ダイニングキッチンは、ご家族が集まる共有の空間として計画しました。
食事をしたり、会話をしたり、自然と顔を合わせる場所になります。
一方で、玄関とお風呂は別々に設けています。
毎日の暮らしの中で、それぞれの生活リズムを大切にしながら、無理なく一緒に暮らせるように考えました。
1階は、ナチュラルな木の色とホワイトをベースにした明るい雰囲気に。
田園風景を眺められる窓まわりもあり、外の景色とつながるような、やさしい空間になっています。
2階は、ウォルナットとグレージュを組み合わせた、少し落ち着いた印象の空間です。
同じ家の中でも、階ごとに雰囲気を変えることで、それぞれの世帯らしさも感じられる住まいになりました。
また、ご家族に合わせてバリアフリーの要素も取り入れています。
段差や動線にも配慮しながら、これから長く安心して暮らしていただけるように計画しました。
もちろん、性能面では「FPの家」の快適性を活かした住まいです。
冬の寒さや夏の暑さをやわらげ、家全体の温度差を少なくすることで、二世帯それぞれが心地よく過ごせる空間づくりを目指しています。
二世帯住宅は、家族の距離感の取り方がとても大切です。
近すぎても、離れすぎても暮らしにくくなる場合があります。
今回の「duplex」は、共有するところは共有し、分けるところはしっかり分ける。
そんな、ご家族に合わせた距離感を大切にした住まいになったと思います。
デザインと構造を一体で考える家づくり
今日は、M’s構造設計の佐藤先生による「構造塾」マスターコースの勉強会がありました。昨年10月から毎月学びを重ね、構造区画の考え方から、強く安全で、しかも無駄を抑えた構造計画まで、実務に直結する内容を勉強しています。
■計算の前に大切な「構造計画」
構造塾で特に学んでいるのが、建物をバランスよく区切って考える「構造区画」と、「スケルトン・インフィル」という考え方です。
スケルトン・インフィルとは、柱や梁など建物を支える骨組みと、間仕切りや設備などを分けて考える設計手法です。構造の骨格を整理することで、力の流れが分かりやすくなり、将来の間取り変更にも対応しやすくなります。
構造計算は、最終的に安全性を数字で確認する大切なものですが、その前段階で、どのような骨組みにするかという「構造計画」が、とても重要だということを改めて学んでいます。
■なぜ構造計算を自社で行うのか
これまでも当社では、必要な構造検討を行いながら、安全性を確認して家づくりを進めてきました。構造計算を専門の方に依頼すること自体も、決して問題のあることではありません。
ただ、設計した建物をそのまま外注して「計算が成り立つようにまとめてもらう」という進め方では、構造塾で学んでいる構造区画やスケルトン・インフィルの考え方まで、設計者の意図どおりに反映することが難しい場合があります。
結果として、必要以上に梁が大きくなったり、基礎が複雑になったりと、安全性は確保できても、少し無駄の多い構造になる可能性もあります。
そこで今年1月に構造計算ソフトを導入し、設計の段階からデザインと構造を同時に考えられるよう、構造計算の内製化に取り組んできました。
■これまでの経験に、新しい学びを重ねて
現在、確認申請の審査を待っている次の物件では、自社で許容応力度計算を行い、耐震等級3として設計し、長期優良住宅の認定まで進めることができました。
もちろん、これまでの家づくりを否定しているわけではありません。これまで積み重ねてきた設計や施工の経験があってこそ、今回学んでいる構造の考え方も、より深く理解できているのだと思います。
そのうえで、基礎から柱・梁まで自分で確認し、デザインと構造を一体として考えられるようになったことは、設計者として一段階深く家づくりに関われるようになった感覚があります。
私の仕事は確実に増えましたが、自分で考えた構造が計算でも確認され、さらに第三者機関の審査を経て認められるのは、なんとも気持ちの良いものです。
■まとめ
時間はかかっても、構造塾で学んだことを一つひとつ実務に落とし込み、強く安全であることはもちろん、美しく、無駄の少ない構造を目指していきたいと思います。今回ご縁をつないでくださったFPホームの治部様にも、心より感謝申し上げます。
耐震性や構造のことも含めて、家づくりについて気になることがございましたら、公式LINEからお気軽にご相談ください。
大雨被害から考える、床下まで見据えた家づくり
今朝、石川・富山にレベル5の大雨特別警報が出たニュースを見て、大変心配しました。能登へ応援工事に行っている大工さんにも連絡を取り、無事を確認してひと安心。福井でも強い雨が降り、改めて住宅と浸水被害について考えさせられる一日となりました。
■水が引いてから始まる大変さ
8月13日の千葉豪雨でも、多数の住宅が床上・床下浸水の被害を受けています。
水害は、水が引けば終わりではありません。床下に入り込んだ泥や汚水を取り除き、洗浄し、十分に乾燥させるという大変な作業が待っています。
私自身、過去の福井豪雨の際に床下の泥水を掃除した経験がありますので、後始末の大変さはよく分かります。家づくりでは、こうした「被災した後」のことまで考えておく必要があると思っています。
■基礎断熱は、浸水後の復旧まで考える
先日のブログでも書きましたが、基礎断熱の住宅について私が気になるのは、床下に水が入った後の排水と乾燥です。
基礎断熱は、基礎の内側までを室内に近い環境として使う考え方です。そのため浸水した場合には、点検口からポンプで排水し、泥を取り除き、送風機や除湿機などを使って十分に乾燥させる必要が出てきます。
床下空調や換気設備を設けている場合には、汚水の臭いや設備への影響も考えなくてはいけません。基礎断熱そのものを否定するということではなく、採用するのであれば、こうした災害時の復旧方法まで知ったうえで選ぶことが大切だと思います。
■外から床下に入れるようにしておく
当社のFPの家は床断熱ですので、床下と室内を分けて考えています。床下浸水の場合にも、その影響をできるだけ室内側へ持ち込みにくい構成です。
さらに写真のお宅では、基礎の外側から直接床下へ入れる点検口を設けています。2009年に竣工したお宅ですが、万一床下に水や泥が入った場合にも、室内の点検口を開けず、外から床下へ入り、確認や清掃ができるように考えたものです。
床上まで浸水した場合にはもちろん大掛かりな復旧が必要になりますが、FPパネルについても状態を確認し、十分に乾燥させることで再利用できる可能性があります。こうした納まりも、建てた後に起こり得ることを想像しながら考えてきたものです。
■まとめ
家は、何事もない普段の暮らしが快適であることはもちろんですが、災害が起きた時にどうなるか、そしてその後どう復旧できるかも大切です。これからも住む人の暮らしを長い目で考え、一つひとつの納まりを決めていきたいと思います。
新築やリフォームで、断熱方法や災害への備えについて気になることがございましたら、公式LINEからお気軽にご相談ください。













