窓と家具は一緒に考える
窓についてのお話を続けていますが、今日は少し暮らしに近いところから考えてみます。窓の位置を決めるとき、明るさや景色と同じくらい大切なのが「家具をどこに置くか」です。窓と家具は、実は別々には考えにくいものです。
壁も、暮らしには必要です
(家具は生成しました)
明るい部屋にしたいと思うと、つい窓を大きく、たくさん取りたくなります。
ただ、リビングにはテレビを置く壁が必要ですし、収納棚や家具を置く場所も必要になります。
窓ばかりになってしまうと、「明るいけれど家具を置く場所がない」ということにもなりかねません。
以前も書きましたが、窓と同じように、何もない壁をきちんと残すことも暮らしやすさにつながります。
ソファに座って何が見えるか
(窓の風景は生成したものです)
家具の配置を考えるときには、そこで過ごす人の目線も大切です。
ソファに座ったときに庭が見えるのか、テレビを見る方向に強い光が入らないか。
ダイニングに座ったときに、窓の外に何が見えるのか。
図面では窓も家具も記号のように見えますが、実際の暮らしでは「どこに座って、どちらを見るか」が大事になります。
ですから私は、間取りを考える段階から家具も置きながら、窓との関係を見るようにしています。
家具が決まると、窓にも理由ができる
テレビはこの壁、ソファはここ、収納はこの場所と考えていくと、窓を付ける場所も自然に整理されてきます。
反対に「空いている壁だから窓を付けよう」と考えてしまうと、暮らし始めてから家具配置に困ることがあります。
もちろん光や風、外からの視線、外観とのバランスもありますので、家具だけで窓を決めるわけではありません。
それでも、実際にそこで暮らす姿まで想像して窓を決めることは、とても大切だと思っています。
■まとめ
窓は家が完成したときに動かせませんが、家具は暮らしとともに変わっていきます。だからこそ、最初から家具を置いた状態を想像しながら、窓と壁のバランスを考えておきたいものです。図面を見るときにも、ぜひ家具まで置いて考えてみてください。
間取りを見るだけでは家具と窓の関係までイメージしにくいものです。ライフ・コアでは、実際の暮らし方まで考えながら一緒にプランを検討しています。家づくりのご相談は、公式LINEからお気軽にどうぞ。
トップライトはどんなときに有効?
窓についてのお話を続けていますが、今日は屋根に設ける「トップライト」について。どの家にも必要なものではありませんが、壁の窓だけでは光を取り込みにくい場所では、とても有効な方法になります。これまでの施工例を振り返りながら考えてみたいと思います。
壁から取りにくい光を、上から取り込む
(大屋根の家で、中央に光を届けたい場合に有効)
住宅地では、隣の建物が近かったり、間取りによって建物の中央まで光が届きにくかったりすることがあります。
そんなときに考える方法の一つがトップライトです。
壁の外には隣家があっても、屋根の上には空があります。
上から光を取り込めば、壁に無理に窓を増やさなくても、家の奥まで明るさを届けられる場合があります。
特に吹抜けや勾配天井と組み合わせると、トップライトから入った光を下の階まで届けやすくなります。
「明るくする」以上の効果も
(中2階の中央吹き抜けにも、階下まで光を届ける)
これまでの施工写真を見返してみると、トップライトから入った光が壁に落ちたり、床に光の形をつくったりしているものがあります。
壁の窓から入る横方向の光とは、少し表情が違います。
時間によって光の位置が変わるので、室内にいながら時間の移ろいを感じることもあります。
また、直接空が見えるトップライトでは、空間そのものを少し大きく感じさせてくれることもあります。
(北側の中2階リビングも明るい空間に)
光が強すぎないようにすることも大切
一方で、トップライトは光がよく入る分、場所や方角によっては眩しさや夏の日差しも考えなくてはいけません。
そのため当社では、トップライトを採用する場合、光をやわらげるためのブラインドも一緒に考えることをおすすめしています。
以前はロールブラインドをよく採用していましたが、最近は、電源配線を用意しなくても使えるソーラーで動くプリーツスクリーンタイプもおすすめしています。
必要なときは光を取り込み、強すぎるときは抑える。
トップライトは、そうした調整方法まで含めて考えておくことが大切だと思っています。
■まとめ
トップライトは、単純に「部屋を明るくするための窓」ではありません。壁からでは取り込みにくい光を、上から必要な場所へ届けるための一つの方法です。ただし、日差しやメンテナンス、ブラインドまで含めて計画することが大切ですね。
周囲に建物が多く「明るい家になるだろうか」と心配な土地でも、窓の位置や吹抜け、トップライトなど、いくつかの方法があります。土地に合わせた家づくりのご相談は、公式LINEからお気軽にお問い合わせください。
五十嵐威暢アーカイブが未来に残そうとするもの
昨日に続いて、金沢工業大学で見学した「五十嵐威暢(いがらしたけのぶ)アーカイブ」のお話です。
今回、東京でデザイナーをしている次男がこの施設を訪れたいと考えたのは、五十嵐さんの偉大な仕事を見たいという思いと、作品をどのように選び、整理し、展示するかという「キュレーション」にも関心があったからのようです。
1.自分の作品を、きちんと未来に残すという思い
五十嵐さんは、世界的に活躍されてきたグラフィックデザイナーであり、その後は彫刻家としても活動されてきた方です。
今回、このアーカイブが生まれた経緯を紹介する動画を見て、特に感銘を受けたお話がありました。
五十嵐さんは、1970年代にアメリカのデザイナーたちを取材した際、自分の作品や制作過程を非常に大切に整理・保存している姿に感動されたそうです。
完成した作品だけでなく、どのような考えから始まり、どうやって完成に至ったのか。
それらを後から見ることができるように残しておくことの大切さを感じ、ご自身もそうした環境を整えたいと考えるようになったと語られています。
今回、金沢工業大学に寄贈された5,000点を超える作品や資料も、そうした長年の思いが形になったものなのだと思いました。
2.保存するだけではなく、学びに生かす
私が素晴らしいと思ったのは、こちらが単なる作品展示のための美術館ではないということです。
金沢工業大学では、この膨大な資料を保存するだけでなく、学生たちの教育や研究に積極的に活用しようとされています。
五十嵐さんが長年にわたって生み出してこられた多彩な作品や資料が、大切に保存され、これからの学生たちの学びや、新しい創造につながっていく。
そこに、このアーカイブの大きな意義があるのだと思いました。
そして、デザインからアートへと活動の領域を広げた五十嵐さんの歩みそのものも、学生にとって大きな刺激になると思います。
自分の専門分野だけにとらわれず、異なる世界に関心を持ち、新しいことに挑戦していく。
こうした考え方は、これからのものづくりに携わる人たちにとって、大切なことなのだと思いました。
3.技術が進む時代だからこそ、感性を磨く
そして、もう一つ心に残ったのが、五十嵐さんご自身が語られていた「感性教育」の大切さです。
AIやデジタル技術が進み、デザイナーにとっても新しい道具が次々と生まれている時代。
そんな時代だからこそ、若い人たちには感性を磨いてほしいという思いを語られています。
私も建築の仕事を続けてきて、技術や知識を身につけることの大切さは、日々感じています。
ただ、良い設計をするためには、それだけでは足りません。
何を美しいと感じるのか。
どんな空間を心地よいと感じるのか。
普段見慣れているものの中からも、新しい発見ができるのか。
そうした感性を磨き続けることも、設計者として大切にしていきたいと思いました。
■まとめ
五十嵐さんは、動画の最後に、新しい何かが見つかることが何よりうれしいと語られていました。
新しい何かを発見する喜びは、いくつになっても変わらないものだと思います。私自身も、そんな気持ちを持ち続けていたいと思いました。
今回、次男に誘われて訪れたアーカイブは、そんな大切なことをあらためて感じさせてくれる場所でした。
家づくりでも、性能や使いやすさとともに、毎日の暮らしの中で感じる心地よさを大切にしています。ライフ・コアの住まいにご興味がありましたら、公式LINEからお気軽にお問い合わせください。


















