照明の話② 明るく感じる部屋は壁が明るい
昨日は、部屋の中央にシーリングライトを一つ付けて、部屋全体を明るくする照明について書きました。
今日はその続きとして、では住宅ではどこを照らすと、明るく心地よく感じられるのか。私が照明計画で大切にしている「壁を照らす」という考え方についてお話ししたいと思います。
■人は「光」よりも、照らされた面を見ている
部屋を明るくしようとすると、つい照明器具の数や明るさばかりを考えてしまいます。
でも実際に私たちが生活しているとき、ずっと照明器具を見ているわけではありません。目に入っているのは、壁や家具、床など、光を受けた面です。
その中でも、目の高さにある壁面が明るく見えると、部屋全体も明るく感じやすくなります。
そのため私は、ダウンライトや間接照明、場合によってはブラケット照明などを使って、壁に光が届くことを意識して照明計画をしています。
ただ明るい照明を付けるのではなく、「どこを明るく見せるか」を考えるということですね。
■部屋中を均一に明るくする必要はありません
住宅では、部屋の隅々まで同じ明るさにする必要はないと考えています。
ダウンライトを天井一面に均等に並べれば、確かにどこも明るくなります。ただ、それでは事務所のような均一な明るさになりやすく、夜の住宅としては少し落ち着きに欠けることもあります。
例えば、ソファまわりやダイニング、飾りたい壁など、必要なところにはきちんと光を届ける。
反対に、それほど見せる必要のないところは少し暗くても構いません。
明るいところと暗いところがあることで、かえって光がきれいに見えて、空間にも奥行きが生まれてきます。
■「あえて暗い場所」を残すことも照明計画
夜の住宅では、少し陰影があるくらいのほうが、気持ちが落ち着く空間になることがあります。
ですから照明計画では、すべての照明を一つのスイッチで点けるのではなく、必要に応じて点け分けられるようにしておくことも大切です。
食事をするとき、くつろぐとき、テレビを見るとき。それぞれ同じ明るさである必要はありません。
暮らし方に合わせて光を減らしたり、必要なところだけを点灯したりできると、夜の室内の表情も変わります。
照明計画というと「どこに器具を付けるか」と考えがちですが、「どこを照らし、どこをあえて暗くするか」まで考えることが、心地よい住宅の照明につながると思っています。
■まとめ
住宅の照明は、部屋全体を明るくすることが目的ではなく、暮らす人の目に入る場所を心地よく見せることが大切だと思います。次回は、住宅でもよく使う「ダウンライト」の配置について、私なりの考え方を書いてみたいと思います。
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