階段は、どこから見えるかまで考える
階段について何度かお話ししてきましたが、今日は少し「見え方」に目を向けてみます。リビングやダイニングの中にある階段は、毎日何度も目にするもの。そう考えると、階段は単なる移動のための設備ではなく、室内の景色をつくる大切な要素でもあります。
階段は、思っている以上に存在感があります
階段は、家の中ではかなり大きなものです。
特にリビングやダイニングから見える位置にあると、踏板や手摺、その形そのものが部屋の印象に影響します。
そのため設計するときには、階段だけを単独で考えるのではなく、「ダイニングに座ったときにどう見えるか」「キッチンからはどう見えるか」といった視点も大切にしています。
毎日使う場所であり、毎日目にする場所だからこそ、間取りの中でどう見えるかまで考えておきたいと思っています。
素材や線の細さで、見え方も変わります
木の踏板に黒い鉄骨の手摺を組み合わせると、空間の中に細い線が入り、全体が少し引き締まって見えます。
一方で、木を中心につくった階段は、床や梁などの素材と馴染み、やわらかな印象になります。
どちらが良いということではなく、その家の床や壁、家具、照明との組み合わせで決めるものです。
階段だけを目立たせるのではなく、部屋全体を見たときに自然に馴染んでいること。そのバランスを大切にしています。
昼と夜では、階段の表情も変わります
家の写真は昼間に撮ることが多いのですが、実際の暮らしでは夜の時間も長くあります。
照明をつけると、階段の踏板や手摺、吹抜けや梁の影が現れ、昼とはまた違った景色になります。
特にリビングやダイニングから階段が見える家では、その夜の見え方も室内の雰囲気をつくる一部になります。
「階段だけ格好よくする」のではなく、家具や照明が入り、実際に暮らし始めたときにどう見えるか。そこまで想像しながら考えることが大切だと思っています。
■まとめ
階段は、安全に上り下りできればそれで終わりという場所ではありません。毎日使い、毎日目にするからこそ、部屋の中からどう見えるか、昼と夜でどう表情が変わるかまで考える。そんな積み重ねが、居心地のよい住まいにつながると思います。
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