美しい空間には、理由がある。|デザインアワード・ゴールド賞受賞の住まい
土曜日の今日は、以前に手掛けさせていただいた住宅の施工事例をご紹介したいと思います。
今回のお住まいは、「FPの家デザインアワード2014」でゴールド賞をいただいた作品です。
改めて写真を見返してみても、空間の広がりや素材の組み合わせなど、いろいろとこだわってつくらせていただいた住まいだったなと思います。
まず目を引くのが、27帖という広さを持つLDKです。
ゆったりとした広さに加え、吹抜けや庭に面した大きな開口部によって、視線が上下にも外にも広がるように計画しています。
床や階段、ダイニングテーブルには木の温かみを感じる素材を使い、手すりや照明などにはブラックのアイアンを組み合わせました。
白を基調とした空間の中で、木の質感と黒いラインがほどよいアクセントとなり、落ち着きのあるモダンなインテリアに仕上がっています。
そして、今回のLDKで大きな存在感を放っているのが、オリジナルで製作したアイランドキッチンです。
セパレート型のキッチンとすることで、調理する場所と作業する場所を分け、広いLDKの中でもすっきりとしたデザインにまとめています。
キッチンの背後には、回遊できるバックヤードを設けました。
家事をする際の動きやすさはもちろん、普段の暮らしの中で、なるべく無駄な移動が少なくなるように考えた間取りです。
家というのは、見た目のデザインだけではなく、毎日の生活の中で、その使いやすさを実感していただけることが大切だと思っています。
また、木製階段の下には、カウンターや飾り棚を組み合わせた造作家具を設けています。
階段下というと、収納にしてしまうことも多い場所ですが、ここではちょっとした作業をしたり、好きなものを飾ったりできる空間として活かしました。
こうした小さな工夫が、住まいの楽しさにつながっていくのだと思います。
リビングの一角には、畳のスペースも設けています。
白い壁と木の床でまとめたモダンな空間の中に、畳の落ち着いた雰囲気が加わることで、また違ったくつろぎの場所が生まれました。
2階には吹抜けに面したスペースがあり、さらに屋根の形を活かしたロフト空間も設けています。
限られた建物のボリュームの中でも、縦方向の空間を上手に使うことで、暮らしの可能性を広げられるのも、設計の面白いところですね。
さて、外観についても、このお住まいには特徴があります。
北側の道路から見ると、ブラックの外壁でまとめられた、四角くシンプルなデザイン。
ところが、建物の裏側に回ると、大きな開口部が並び、庭へと開かれた明るい表情になっています。
実はこの敷地には、以前、日本庭園のある和風住宅が建っていました。
新しい住宅の建築にあたって既存の建物は取り壊しましたが、庭については、現代的な住宅のデザインに似合うようにリフォームを行いました。
昔からの庭の要素を活かしつつ、今の建物と調和するようにつくり直したものです。
LDKの大きな窓から庭を眺められることも、この家の心地よさにつながっていると思います。
そして、こうした建物のデザインを評価していただき、2014年のFPの家デザインアワードでは、ゴールド賞をいただくことができました。
もちろん、賞をいただくことが家づくりの目的ではありませんが、自分たちが一つひとつ考え、形にしてきた住まいを評価していただけるのは、やはり嬉しいことでした。
こうして以前のお住まいを振り返ると、建物のデザインも、間取りも、使う素材も、それぞれのお客様との家づくりの中で生まれてきたものだと感じます。
美しい空間には、理由がある。
その理由は、見た目を整えることだけではなく、そこで暮らす方の生活を考え、細かな部分まで積み重ねていくことなのだと思います。
これからも、一棟一棟を大切に、そんな家づくりを続けていきたいと思います。











