文化の日に、住まいのデザインを考える
今日は11月3日、文化の日ですね。
文化というと、美術や音楽などを思い浮かべますが、私たちが毎日暮らしている住まいの中にも、文化というものがあるように思います。
長年、住宅の設計に携わってきましたが、住まいのデザインとは、ただ見た目を美しく整えることだけではないと感じています。
見た目の美しさと、暮らしやすさ
住宅のデザインを考えるとき、建物の外観やインテリアの美しさは、もちろん大切な要素です。
ただ、それだけで良い家になるかというと、そうではないと思っています。
毎日の生活の中で、自然に体が動くような間取りであったり、必要なところに必要なものが納まっていたり。
そうした使いやすさが、無理なく美しい形になっていることが、私の理想とする住まいのデザインです。
例えば、キッチンからリビングや畳スペースまで、家族の居場所が自然につながっていることも、そのひとつです。
見た目のために暮らしにくさを我慢するのではなく、暮らしやすさと美しさが、うまく両立するように考えていきたいと思っています。
光の入り方で、空間の表情が変わる
これまでブログでも、窓や照明について、いろいろとお話ししてきました。
例えば、窓は大きければ良いというものでもありませんし、照明も部屋全体を均一に明るくすれば良いというものではありません。
窓から入る自然光が、壁や天井に当たってやわらかく広がる様子や、夜になって照明をつけたときに生まれる光と影。
同じ部屋でも、光の当たり方ひとつで、ずいぶんと違った表情を見せてくれます。
写真の住まいでも、天井近くに設けた高窓から光を取り入れ、壁や天井に自然な明るさが広がるように考えています。
こうした光の扱い方も、住まいのデザインの大切な部分です。
何気なく過ごしている時間の中で、ふと心地よさを感じてもらえるような空間ができれば嬉しいですね。
暮らしの中に、居心地の良い場所をつくる
私は、家の中にちょっとした居場所をつくることも好きです。
例えば、写真のように、階段の吹き抜けに面した空きスペースに椅子を置いて、窓の外を眺めながら過ごせる場所。
使い道のないような場所も、少し工夫することで、落ち着いて過ごせる居場所に変わります。
家の中のすべての場所に、明確な用途が必要というわけでもないと思います。
何をするでもなく、ただゆっくり過ごす時間があってもいい。
そうした余白のような空間が、暮らしに豊かさを与えてくれるのではないでしょうか。
設計図を描いているときには、寸法や納まりを一生懸命考えていますが、その先にあるのは、そこで暮らすご家族の毎日の生活です。
住まいのデザインというのは、そんな暮らしの場面を想像しながら、ひとつひとつ形にしていくことなのだと思います。
文化の日に、あらためて住まいのデザインについて考えてみました。
特別なものを飾らなくても、日々の暮らしの中に、美しさや心地よさを感じられること。
そんな小さな豊かさを大切にしながら、これからも一軒一軒の住まいを丁寧に設計していきたいと思います。
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