「まだまだ終わりじゃない」
最近読んだ、建築家の安藤忠雄さんの本で、とても共感を呼んだ言葉がありました。
「工事が始まっても、設計はまだまだ終わりじゃない」
設計料もない、ギリギリの予算での工事を試みた「光の教会」での話だそうです。
私も工事が始まっても、常に内容を見直しながらより良い設計を起していきますので、
正直儲かる話とは逆を行きますが、それをしないと気がすまないたちなものですから・・・。
世の中、まずお金にならなければ仕事をしないという考え方があります。
経営的にみれば、当然なのかもしれませんが、私はすごく反発を感じます。
大手のハウスメーカーなど、図面が出来て仕様も決めたら、今後設計変更をしないという約束のハンコを求められると聞きます。
それでいて、変更をお願いすると多大な追加を取られるとか。
お客様だって、全てが想像できるわけではないでしょう。途中で考えが変る場合もあります。
それら人間的なことを、事務的に処理しようとしています。
たしかに変更は多大な労力を使いますし、割に合わないことと理解できます。
無いほうが段取りもスムーズに運ぶのも当然です。
でもそこに甘んじていていいのでしょうか?
建物を任されたからには、最後までできることをあきらめてはいけないと思うのです。
精一杯、労力を惜しみなく使うことで、その建物に魂が吹き込まれるものと思います。
あの多忙な安藤さんでも、小さなお金にもならない仕事にも全力でぶつかっていることがわかります。
いま、多くのボランティアの方々も、日夜お金にならない事に奔走しておられます。
でも、そういうところからこそ、美しいものが生まれると信じていますね。
優しさのある家
今日から解体工事が始まりました。
しばらく現場を動かしていませんでしたが、いよいよこれからですね。
解体する建物の中に入ると、本当にきれいにお掃除がしてありました。
これまで住んでこられた家に対する、お客様のお心遣いが感じられます。
家も長年ご苦労様でしたね。良い思い出を作ってきた家にも心から感謝です。
また家が新しくなっても、ご家族が良い思い出を残していけるような、
優しさのある、そんな家造りをさせていただこうと思います。
こだわらず
今日で震災から1ヶ月が経ちました。
避難所を離れた方もいらっしゃると聞きますが、大きな余震がいまだに続き、
心労もいかばかりかと思います・・・。
ネットや建築関係の情報で、東北以外の地域での地震による被害状況も見ているのですが、半壊している建物など、やはり大変危険だと思います。
日本の木造住宅は、レンガのような壊れ方はしませんが、軸組みの仕口が引き抜けて倒れるような形で壊れます。
建物が揺さぶられて、しまいに破壊するわけですが、やはり建物の重量が問題の一つです。瓦であるとか、外壁材であるとか。これが軽いに越したことはないですね。
断熱材を間に挟んで重い外壁材を張る外張り断熱も、度重なる地震には非常に問題があると考えます。断熱材は軸組みの中に入れるべきですね。
もう一つは、昔ながらの仕口の工法や生の木を使うこと。これも断面欠損が大きく折れやすいのと、生の木材は、やはり品質が安定しませんね。
構造用の集成材を利用して、さらに構造用金物で全ての仕口を構成したほうが、いかに強いかと考えます。
家を造る上で、いろいろな視点で考えないといけませんが、実はシンプルに無理のない構成を考えることが大事なんですね。
昔からのイメージで、屋根は瓦でないといけないとか、そういうこだわりは必要ないですね。
シンプルにメンテナンスがきちんとしていけるものがいいんです。
家は無駄に重くせず、古い工法にもとらわれず、本当になにがためになるのかを考えて、
家は造っておくべきですね。

