吹き抜けのある家は、冬寒い? 大切なのは性能と暖房計画
毎週土曜日は、施工事例をあげていましたが、今回は「吹き抜けのある家は、冬寒くないの?」というテーマを取り上げてみたいと思います。
吹き抜けのあるリビングは、天井が高く開放感もあり、上下階のつながりや、明るさを取り入れるうえでも魅力的な空間です。
一方で、お客様からは「吹き抜けをつくると、暖房が効きにくいのでは?」というご心配をいただくこともあります。
確かに、一般的には暖かい空気は上へと移動する性質がありますので、吹き抜けのある空間では、天井付近に暖かい空気がたまり、足元との温度差が生まれることがあります。
ただ、私は吹き抜けそのものが悪いとは考えていません。
大切なのは、建物の性能と、その空間に合った暖房計画を一緒に考えることだと思っています。
まずは、熱を逃がさない家であること
ライフ・コアが採用している「FPの家」は、断熱性と気密性を大切にした住宅です。
壁や天井にFPウレタン断熱パネルを施工し、隙間から空気が出入りしないよう、気密処理も丁寧に行っています。
せっかく暖房で暖めた空気も、建物の断熱性能が不足していたり、隙間風が入ってきたりするようでは、快適な室温を保つことが難しくなります。
特に吹き抜けは、上下階が大きな一つの空間になりますので、家全体の性能が大切になってきます。
当社では、施工途中と完成後の2回、気密測定を実施しています。
完成してしまえば見えなくなる部分ですが、こうした基本的な性能を、まずは確実につくることが大切だと考えています。
暖めた空気を、どう循環させるか
そして、もう一つ重要なのが暖房計画です。
高断熱・高気密の家であっても、暖房機器の位置や能力、空気の流れを考えずに配置すれば、場所によって温度差が生まれることがあります。
特に吹き抜けのある家では、暖かい空気が上部にたまりやすいので、その空気をどのように循環させるかを考えます。
例えば、シーリングファンを利用して、上下の空気をゆっくり混ぜることも一つの方法です。
ただし、ファンを取り付ければ必ず解決するというものでもありません。
エアコンの位置や暖房能力、吹き抜けの形状、空気の流れる経路などを考えながら、建物ごとに検討する必要があります。
ライフ・コアでは、できるだけ少ない台数のエアコンで家全体を快適にできるような空調計画を心掛けています。
吹き抜けは、大きければよいものではない
また、吹き抜けの設計では、私はその大きさや位置も重要だと考えています。
ただ天井を高くして、開放的な空間をつくればよいというわけではありません。
光をどこから取り入れるのか。
2階とのつながりをどうするのか。
そして、その空間でご家族がどのように過ごされるのか。
そうしたことを考えながら、吹き抜けの形や高さを決めていきます。
吹き抜けを設けることで、2階の床面積はその分少なくなりますし、冷暖房する空間の容積も大きくなります。
それでも、そのご家族の暮らしにとって価値のある空間であれば、取り入れる意味があると思います。
反対に、吹き抜けがなくても十分に明るく、心地よい家ができるのであれば、無理につくる必要もありません。
吹き抜けをつくることが目的ではなく、心地よく暮らせる家をつくることが目的ですからね。
性能とデザインは、切り離して考えない
家づくりでは、デザインを優先すると性能が犠牲になるとか、性能を重視するとデザインが制限されるといった話を耳にすることがあります。
でも、私はそのように別々に考える必要はないと思っています。
きちんとした性能があってこそ、開放的な空間も安心して設計できますし、反対に、その性能をどのように暮らしの心地よさにつなげるかが、設計者の仕事だと思っています。
ライフ・コアのモデルルーム「DUNE」でも、断熱・気密性能を基本としながら、光の取り入れ方や空間の広がり、空調のことも考えて設計しています。
写真だけでは伝わらない部分もありますので、ぜひ実際の空間をご覧いただきたいと思います。
これから寒くなってくる季節。
吹き抜けのある家をご検討されている方には、見た目の開放感だけでなく、冬の暖かさをどのようにつくるのかという点にも目を向けていただければと思います。
家の性能も、間取りも、暖房計画も。
それぞれを別々に考えるのではなく、一つの住まいとして考えていく。
そんな家づくりを、これからも大切にしていきたいと思います。






