安ければよくない
今日は気温も上がって、暖かかったですね。外にいてもジャンパーがいらないくらいでした。
解体の現場も、分別する内装部分やアルミサッシ、瓦の撤去まで進みました。明日から重機で取り壊しに入ります。
この建物は増築している建物で、古いほうは土壁ですね。屋根の野地板が薄くてしかも隙間だらけ。
梁材や束材も、要らないほぞが掘ってあるところを見ると、当初から古材を使って建てたのでしょうね。
当時は当時の考え方があったのでしょうけれど、お世辞にもいい材料、いい仕事とは言えません。こういう建物を見るにつけ、リフォームをお勧めできなくなるんですよね。本当にきちんと作られていれば、手をかけて長く使えるものになるのに・・・。
当時も大工さんの腕が悪いわけではないと思います。安ければいいという考えで指示する工務店側の問題でしょう。ぜひとも、壊さなくて済むような家づくりを、皆が取り組んでほしいものです。
技術者を育てる
今日から解体工事が始まり、いよいよ現場がスタートします。これから、毎日通うことになるなと思いながら、今日も現場を3往復しました。
設計も好きなのですが、やはり実際の物づくりが好きな自分にとっては、心が浮き立つところです。
うちの息子たち二人も、それぞれやはり何かを作り上げることが好きですので、物づくりで人様のお役にたてる人になってほしいと思います。
今の日本は、技術者を育てることの力を入れていると思えないのが実情ですし、親もまた経済的なことばかり気にして、子供を技術者にしようという考えを持っている方が少ないのではと考えます。
個性を伸ばさない、学校教育も問題なのではと思いますが、ぜひとも技術を持つことを伸ばし、またその社会的地位を高める世の中になってほしいものだと思います。
大手の企業がなぜ外国に行って、物づくりをしなくてはいけないのか。おかしな話です。さまざまな産業を支える次の世代を応援し、本当の意味で日本が自立した国になることを切望しますね。
一生ものを
今日は、お客様の解体するお宅から、不要になったタンスの搬出作業をしました。リサイクル業者さんにも見てもらったようですが、残念ながら取ってくれなかったとのことです。
家具も、必要があって買い足されていくものですし、役に立ってきたものでしょうから、まずはご苦労様というところです。
そんな、役割を終えたら処分されるものもあれば、本当に大切で使われ続ける家具もあります。いわゆる一生ものですね。
この二つは、それぞれが目的に応じて必要であると思いますが、できることなら一生ものを選びたいものですね。
一生ものになる条件としては、良い造りであることが第一でしょう。そして使い続けられるデザイン。
とても大事なことです。それには、やはり価格も当然高いのが当たり前でしょう。本当は良くて高いもののほうが、買い替えずに済む分、安い買い物になるのも明確な話です。
たとえば椅子もそうですが、下の写真は事務所の打ち合わせコーナーの「セブンチェアー」という黒い椅子。
これは、アルネ・ヤコブセンというデザイナーが1955年に発表されたデザインの椅子ですが、言ってみれば57年前のデザインです。これがいまだに現代建築の中にみごとに溶け込みます。
この椅子は1脚5万円は超えますが、たとえ場所を移っても捨てられずに使い続けられるでしょうし、もちろん売るとなっても買い手はつきますね。
その上に写っている、照明器具もルイス・ポールセンというデザイナーのPH5という照明。こちらは1958年に発表されたもので、改良は加えられていても、基本的なデザインはその当時のもの。これも、捨てられるものではありませんね。
こういう本物は、おそらく息子の代でも孫の代でも、引き継がれてもおかしくありません。物造りって、こうでないといけないと思います。
家造りもやはりそう考えています。安物の家づくりにそのポリシーというのは微塵も感じられません。一時住まい出来ればいいのであれば、それもありだと思いますが、一生の買い物にはちょっと高すぎると思うものが、はたしてどちらになるか?考えていただければおわかりいただけることだと思いますね。



