図面を描くことで見えてくること
今日は、明日のお客様との打ち合わせに向けた意匠設計と、提出予定の構造計算書の図面出力、詳細図の書き込みなどを行っていました。
構造計算ソフトを使えば、計算から図面作成まで、ある程度は自動で進めることができます。
しかし、ソフトだけでは描き切れない部分もあり、最終的には一つひとつ確認しながら、手を加えて仕上げていかなければなりません。
手間のかかる作業ではありますが、すべてをソフトに任せてしまうよりも、設計者が自分の目で確認する機会が残されていることは、ある意味では良いことなのかもしれません。
計算上は問題がなくても、実際の建物として納まる寸法になっているかどうかは、また別の話です。
CADで図面を描いていても、実際に寸法を入れ、部材同士の取り合いを確認していくことで、寸法的な矛盾や、納まりのおかしな部分に気づくことがあります。
昔は、図面をすべて手で描き、一つひとつスケールを当てながら寸法を確認していました。
時間はかかりましたが、その分、建物の大きさや部材の関係が、自然と頭の中に入ってきたように思います。
今は計算をソフトに任せられるため、計算そのものを間違えることは少なくなりました。
その一方で、最初の入力に誤りがあれば、間違った条件のまま正確に計算されてしまいます。便利になったからこそ、入力内容や計算結果を読み取る側の注意が、より大切になっているように感じます。
そのため、図面や計算書を何度も見直し、「もうここまで確認すれば大丈夫」と思えるところまで、繰り返しチェックを続けます。
設計の仕事は、形を考えるだけでなく、こうした地道な確認の積み重ねでもあります。
根気のいる作業ですが、その積み重ねが、安心して建てられる家につながっていくものだと思います。
簡単な仕事というものは、なかなか世の中にはありませんね。
見た目だけでなく、この先の安心につながる外壁リフォーム
今日は、外壁リフォームを行っているお客様宅へ伺い、外壁塗装完了のあとの、中庭のデッキ工事など、エクステリア工事について打合せを行ってきました。
現在、外壁塗装は仕上げに向けて作業中で、完了までには、あと1週間ほどかかる予定です。
今回の建物は、ガルバリウム鋼板の外壁です。
ガルバリウム鋼板そのものは耐久性の高い素材ですが、外壁のリフォームでは、表面をきれいに塗り替えるだけでなく、防水についても、あらためて確認する必要があります。
板金外壁は、さまざまな部材を重ね合わせながら納めていくものです。そのため、万が一、重ね部分や取り合いから雨水が外壁の内側へ回った場合にも、透湿防水シートの上を通して外へ排出させる、二次防水まで含めた考え方でつくられています。
ただ、今回の建物では、入隅部分から雨水が内部まで侵入していた箇所がありました。
そこで今回は、同じような納まりとなっている部分をすべて確認し、安全を見込んで、すべてにコーキングを施して、雨水の侵入経路をできる限り絶つ工事も併せて行いました。
今回、きれいに塗り替えることも重要ですが、こうして見えにくい部分にもしっかり手を入れられたことのほうが、この先の安心につながる大切な工事だったように思いますし、それがお施主様の、真のご希望だったかと思います。
外壁の色は、これまでの「いぶし銀」から、今回はマットブラックへと塗り替えています。塗りムラもなく、綺麗に仕上がっています。
塗膜の耐久性だけを考えると、艶のある塗装のほうが有利な面もあるかもしれません。しかし、建物は単体で存在するものではなく、街並みや周囲の景観をつくる一部でもあります。
光沢の強いブラックでは少し主張が強くなりますが、艶を抑えたマットブラックにすることで、落ち着きのある上品な外観に仕上がっていくと思います。
今回は、外壁に付属している部材も、塗装できるものはできる限り一緒に仕上げてもらっています。壁に取り付けられたポストの投函口も、まるで新品のようにきれいになりました。
外壁塗装の完了までは、あと1週間ほど。その後、足場を解体し、中庭のデッキや外まわりの工事へと進んでいきます。
すべての工事が整ったときには、新築のお宅のように生まれ変わった姿をご覧いただけるのではないかと思います。
構造も意匠も、きれいにまとまる気持ちよさ
今日は朝から、構造図をまとめる予定で作業を始めました。
ある程度まとまったものを出力して確認してみると、修正したほうがよい部分が見つかったり、「やはり、こちらの考え方のほうがよいのではないか」と思うところが出てきたりします。
そこで、構造計算の設定をもう一度見直し、再び計算ソフトに向かい合うことになりました。
条件を変えては計算し、結果を確認して、また修正する。その作業を何度も繰り返しながら、ようやく納得できる最終的な答えに近づけていきました。
普段行っている意匠設計は、間取りや空間、外観などをイメージしながら、発想を広げていく仕事です。
それに比べると構造計算は、数字や条件を一つひとつ確認していく作業が多く、正直なところ「なかなか面倒だな」と感じることもあります。
ただ、構造計算を行う目的は、建物の安全性を確保することだけではありません。
必要以上に材料を増やすのではなく、無駄を抑えながら、合理的で経済的な構造をつくることも大切です。
そう考えると、ただ計算に追われているのではなく、その建物にとって最も正しい方向性を探しているのだと思えるようになりました。
意匠設計も構造設計も、考え方や作業の進め方は違います。
それでも、余計なものがなくなり、全体がスマートにまとまったときの気持ちよさは、どちらも同じです。
当社がつくる建物は、比較的、柱や壁の配置が整った、構造的にもきれいな建物が多いと思っています。
それは、見た目だけを整えるのではなく、間取り、構造、施工性まで含めて、無理なく素直にまとめたいという設計のポリシーが、自然と表れているのかもしれません。
構造は、完成すると見えなくなる部分がほとんどです。
しかし、建物を長く安全に支え続ける、大切な骨格です。
今日も何度も計算を繰り返しましたが、最後にきれいな答えへとまとまっていくと、やはり設計の仕事ならではの充実感を感じます。





