子供が10代になったころに、暮らしはもう一度変わる
今日は、子育て世代の家づくりについて、少し先の暮らしを考えてみたいと思います。
家づくりを考える時、多くの方がまず想像されるのは、子供が小さい時期の暮らしではないでしょうか。
玄関から帰ってきて、手洗いをして、ランドリールームがあって、ファミリークローゼットがあって、家族みんなの動きがスムーズにつながる。
もちろん、こうした間取りはとても大切ですし、子育て中のご家族にとっては大きな助けになります。
ただ、家族の暮らしはずっと同じではありません。
子供が小学生から中学生、高校生へと成長していくと、家の中での過ごし方も少しずつ変わっていきます。
塾や部活で帰宅が遅くなったり、夜遅くまで勉強したり、親とは違う時間帯で生活することも増えてきます。
小さい頃は、リビングに集まって過ごすことが自然だったとしても、10代になると自分の部屋で過ごす時間も長くなります。
そうなると、家の中で少し困ることが出てきます。
たとえば、夜遅くに子供が飲み物を取りに1階のキッチンまで降りてくる。
ちょっとした夜食を食べるために、リビングやキッチンを使う。
その物音や照明の明かりで、先に休んでいた親が目を覚ましてしまう。
逆に、朝早く起きる親の生活音が、夜遅くまで起きていた子供に響いてしまう。
こうしたことは、間取りが悪いというよりも、家族の生活リズムが変わってきた証拠なのだと思います。
そこで、ひとつ簡単にできる対策として考えられるのが、2階に小さな生活拠点をつくることです。
大がかりなリフォームではなく、2階のホールや廊下の一角に、小さな冷蔵庫を置いておく。ファミリークローゼットの中でもいいかと思います。
飲み物やゼリー、ちょっとした軽食などを置いておけば、子供が夜にわざわざ1階まで降りてくる回数を減らすことができます。
あわせて、ゴミ箱も近くに置いておくと、ペットボトルやお菓子の袋が子供部屋にたまることも防ぎやすくなります。
このお宅だと、2階廊下の片隅が使えそうです。
ただし、注意点もあります。
ミニ冷蔵庫を置くにはコンセントが必要ですし、電気ケトルなど消費電力の大きなものを使う場合は、タコ足配線にならないように気を付けなければいけません。
また、冷蔵庫を床に直接置くと、重みで床がへこんだり、結露や水滴でフローリングにシミができたりすることもあります。
下にマットを敷くなど、ちょっとした配慮も大切です。
家は、建てた時が完成ではありません。
子供が小さい時期に合っていた暮らし方も、10年経てば少し合わなくなることがあります。
でも、それは失敗ではなく、家族が成長しているということだと思います。
リビング階段や吹き抜けのように、家族の気配を感じられる間取りも、とても良い設計です。
ただ、子供が10代になるころからの約10年間だけは、親と子供の生活時間が少しズレる時期でもあります。
その時に、間取りを大きく変えるのではなく、家具や家電、コンセントの増設などで、今の暮らしに合わせて少しずつチューニングしていく。
そんな考え方も、長く快適に住むためには大切ではないかと思います。
昔建てていただいたお客様でも、「最近、子供の帰宅時間が遅くなってきた」「2階で過ごす時間が増えてきた」「夜の生活音が少し気になる」ということがありましたら、こうした小さな工夫から考えてみるのも良いかもしれません。
家族の成長に合わせて、住まいも少しずつ育てていく。
そんな視点で、これからの家づくりや暮らしの見直しを考えていただけたらと思います。


