明るいのに、なぜか味気ない部屋の照明
昨日は「照明のりさん」のお話をご紹介しましたので、今日から何回かに分けて、住宅の照明について書いてみたいと思います。まずは、昔からよくある「部屋の中央にシーリングライトを一つ」という照明について考えてみます。
■明るければ、それで良いのでしょうか
住宅で一番よく見かける照明といえば、部屋の中央に丸いシーリングライトを一つ付ける形ではないでしょうか。
(写真は生成AIで作ったものです)
もちろん、照明器具そのものを明るいものにすれば、部屋として必要な明るさは確保できます。
ただ、実際にそこで過ごしてみると、十分明るいはずなのに、どこか味気なく感じることがあります。
これは「明るさが足りない」というよりも、光の見え方に原因がある場合があります。
■人は床だけを見て暮らしているわけではありません
天井の中央から一灯で照らすと、照明の真下や床面は比較的明るくなります。
一方で、器具の配光や部屋の仕上げにもよりますが、壁面には光が届きにくく、周囲が暗く見えることがあります。
人は部屋の中で、床だけを見て生活しているわけではありません。
壁や家具、カーテンなど、視界に入ってくる面の明るさによっても、空間全体の明るさや心地よさを感じています。
■照明は、空間そのものをつくるもの
私は、照明計画では単純に「何畳だから何ルーメン必要」という考え方だけでは足りないと思っています。
壁をやわらかく照らしたり、必要な場所に光を置いたりすることで、同じ部屋でもずいぶん印象が変わります。
明るさを増やすというより、「どこを照らすか」を考えることが大切ですね。
住宅の照明は、夜の暮らし方や空間の落ち着きまで左右する、家づくりの大切な一部分だと思います。
■まとめ
これから数回に分けて、ダウンライトや間接照明、壁を照らす考え方など、住宅だからこそ大切にしたい照明について、できるだけ分かりやすく書いてみたいと思います。
照明も含めた住まいづくりについてご相談がありましたら、公式LINEからお気軽にお問い合わせください。
照明のプロから見たモデルルーム「DUNE」|照明のりさんのYouTubeでご紹介いただきました
以前、当社モデルルーム「DUNE」の撮影にお越しいただいた「照明のりさん」のYouTube動画が、このたび公開されました。
照明のりさんは、その名のとおり照明について専門的に発信されている方で、今回、ライフ・コア デザインオフィスのモデルルーム「DUNE」を実際に見ていただきながら、ご紹介いただいています。
自分たちで設計した建物を、自分たちで説明することは普段からありますが、こうして照明の専門家の目線から見ていただくというのは、私自身もとても興味深いものでした。
DUNEでは、単純に部屋を明るくするための照明ではなく、壁や天井に光を当てたり、間接照明を組み合わせたりしながら、夜になったときにも落ち着いて過ごせる空間になるよう計画しています。
住宅の照明というと、「この部屋には何畳用の照明が必要か」といった考え方になりがちですが、私たちが大切にしているのは、照明器具そのものよりも、**「どこに、どのような光をつくるか」**ということです。
また、デザインだけでなく、器具の納まりや施工方法、将来のメンテナンスまで考えておくことも、実際に家をつくる側としては大切な部分になります。
そうした普段から考えていることを、今回、私たちとは違う専門家の視点から見ていただけたことも、とてもありがたい機会となりました。
照明のりさんのYouTubeはこちら
家づくりを考えていらっしゃる方にも、照明計画ひとつで空間の見え方がどう変わるのか、ぜひ動画から感じていただければと思います。
そして今回、この動画の公開を機に、ホームページのイベント欄にもモデルルーム「DUNE」の常設見学会をご案内するページを設けました。
写真や動画でも雰囲気はお伝えできますが、照明については、やはり実際の空間で見る光の広がりや陰影、落ち着きというものがあります。
DUNEは昼間のご見学だけでなく、20時からの夜のご見学もご案内しています。
動画をご覧になって、
「実際のDUNEも見てみたい」
「夜の照明を体感してみたい」
と思っていただけましたら、ぜひお気軽にお越しください。
照明だけでなく、断熱・気密・構造といった住宅性能から、素材や空間のつくり方、細かな納まりまで、実際の建物を見ながらお話しさせていただければと思います。
▼モデルルーム「DUNE」常設見学会はこちら
【今回作成したイベントページへのリンク】
最後になりますが、照明のりさん、このたびはDUNEを丁寧にご紹介いただき、本当にありがとうございました。
照明計画で大切なのは『何を照らすか』
今日は、家の照明計画について書いてみたいと思います。
昔から住宅で一番多い照明といえば、部屋の真ん中に丸いシーリングライトを一つ付けて、部屋全体を明るくするという方法ではないでしょうか。
確かに明るさは十分にあります。
でも、明るいはずなのに、なぜか部屋が暗く感じることがあります。
その理由の一つは、照明が部屋の中央の「空間」ばかりを照らしていて、壁まで十分に光が届いていないことです。
人は空気を見て生活しているわけではありません。
壁や家具、床など、目に映るものを見ながら生活していますから、その壁面が暗いと、照度そのものは足りていても、なんとなく暗い部屋に感じてしまいます。
そこで、住宅にもダウンライトが多く使われるようになりました。
今度は天井全体にダウンライトを分散して配置して、部屋中をまんべんなく明るくするような照明計画です。
もちろん、それによって壁にも光が届けばよいのですが、中途半端な位置にダウンライトを配置すると、結局は空間を照らしているだけになってしまいます。
さらに、小さなダウンライトをバラバラに配置すると、一つひとつの光も弱く感じてしまいます。
そのため当社では、必要な場所にしっかり明るさを取りたい場合、ダウンライトを2灯から4灯程度、比較的狭い範囲にまとめて配置することをご提案しています。
(4.5帖のタタミコーナーは、中央に光がしっかり届くように)
そうすると「光のかたまり」ができて、必要な場所にメリハリのある明るさをつくることができます。
住宅の内装写真を見るときも、私はついつい照明計画を見てしまいます。
特に気になるのが、ダウンライトの配置です。
天井にバラバラと配置されているものを見ると、どうしても残念に感じてしまいます。
また、きれいに整列していたとしても、単純に平面的に均等配置しただけで、部屋全体を同じ明るさにすることだけを目的としていると、やはり空間にメリハリが生まれません。
照明計画で大切なのは、
「どこに照明を付けるか」ではなく、「何を照らすか」
ということだと思っています。
例えば、壁を照らして、その反射光で部屋全体に柔らかな明るさをつくる。
壁に掛けた時計や絵画を照らして、そこに視線を集める。
ダイニングであれば、テーブル面をきちんと照らす。
こうして考えると、照明にはそれぞれ役割があることが分かります。
ダイニングテーブルの上には、ガラスグローブのペンダント照明もおしゃれですが、機能面から私がお勧めしたいのは、光が全方向に拡散するものよりも、真下にしっかり光を落とすタイプです。
スチールなどのシェードが付いた照明で、テーブル面に光を集中させると、料理もきれいに見えますし、周囲との明暗差ができて、落ち着いた雰囲気になります。
ダウンライトを使うのであれば、必要な場所にまとめて配置する。
壁にはブラケット照明や間接照明を使う。
(ブラケット照明が、単調になる壁面のアクセントに)
それぞれに役割を持たせてあげると、空間はずいぶん豊かになります。
そして、もう一つぜひお勧めしたいのが、スタンド照明です。
床や家具の上など、低い位置に灯りを置くだけで、夜の部屋の雰囲気は大きく変わります。
(間接照明とスタンド照明)
夜まで昼間と同じような明るさで過ごす必要はありません。
むしろ夜は、少し暗いくらいの空間を楽しみながら、徐々に光を落として過ごす。
そうすることで、一日の終わりを感じながら、ゆっくりと眠りに向かう準備もできるのではないかと思います。
寝る直前まで、コンビニエンスストアのように煌々と明るい部屋で過ごす必要はありませんよね。
すでにお住まいのお宅では、ダウンライトの位置を変えたり、壁の中の配線をやり直したりするのは簡単ではありません。
でも、スタンド照明を一つ加えることなら、今日からでもできます。
最近ではスマート電球も手軽に使えるようになり、壁にスイッチが無くても、「アレクサ」などを使って声で点灯・消灯することもできます。
調光や色温度を変えられるものなら、夜になるにつれて少しずつ明るさを落としていく使い方もできますね。
日本の住宅は、いつの間にか「明るければ明るいほど良い」という考え方になってしまったようにも思います。
けれど昔の日本人は、行燈のような低い位置の柔らかな灯りの中で、陰影を楽しみながら暮らしていました。
家づくりの照明計画も、単に必要な照度を確保するだけではなく、
「何を照らしたいのか」
「夜をどのように過ごしたいのか」
そこまで考えて計画すると、住まいの居心地はずいぶん変わってくると思います。
明るすぎる住まいから少し離れて、夜の暗さや、灯りの美しさを楽しむ暮らしも、考えてみていただけたらと思います。








