窓は景色を切り取る「額縁」にもなる
昨日は「窓は大きければ大きいほど良い?」というお話を書きました。今日はその続きとして、窓のもう一つの役割について。窓は光や風を取り入れるだけでなく、外の景色を室内に取り込む「額縁」のような役割もあると思っています。
窓の大きさより、まず見えるものを考える
家を設計するとき、窓の大きさや位置を決める前に、そこから何が見えるのかを考えることがあります。
山が見える場所なら、その方向に視線が抜ける窓を。
庭をつくるなら、室内から一番きれいに見える位置を考えます。
せっかく窓を付けても、隣家の壁ばかりが目に入るのでは、少しもったいないですね。
外の環境をよく見て、取り込みたい景色を探すことも、窓を考える大切な作業だと思います。
窓枠があるから、景色が印象的になる
これまで撮ってきた写真を見返すと、窓の向こうに山や海、庭の緑が見える写真がいくつもあります。
面白いのは、外でその景色を見るのと、室内から窓越しに見るのとでは、少し印象が違うことです。
窓の四角い枠があることで、景色の一部分が切り取られ、まるで一枚の絵のように見えることがあります。
あえて大きく開きすぎず、「ここを見せたい」という範囲だけを切り取る窓も、私は好きです。
毎日見る景色だからこそ大切に
家は完成したときだけを見るものではなく、そこで毎日暮らしていく場所です。
朝起きたとき、食事をするとき、ソファに座ったとき。
何気なく窓の外を見る機会は、思っている以上に多いものです。
だからこそ、図面の上で窓を配置するだけではなく、「ここに座ったら何が見えるだろう」と想像しながら設計することを大切にしています。
特別な景勝地でなくても、空や庭木、季節の変化が見えるだけで、窓辺の楽しみは変わってくると思います。
■まとめ
窓は、光や風を取り入れるためだけのものではありません。そこから何を見るかによって、暮らしの中の小さな楽しみをつくることもできます。家づくりでは、ぜひ窓の「向こう側」にも目を向けてみていただければと思います。
土地や間取りによって、どんな景色を取り込めるかはそれぞれ違います。窓の位置や家の向きについて気になることがありましたら、公式LINEからお気軽にご相談ください。
窓は大きければ大きいほど良い?
これまで照明について何回か続けて書いてきましたが、今日から少し視点を変えて、家の写真を見ながら設計について考えてみたいと思います。最初のテーマは「窓」。まずは、窓は大きければ大きいほど良いのか、というところからです。
大きな窓が気持ちいい場所
庭に向かって大きく開いた窓は、やはり気持ちのいいものです。
室内に光が入り、外の緑まで部屋の一部のように感じられます。
庭を眺めながら過ごしたいリビングなどでは、大きな窓を設ける意味は十分にあります。
ただ、家のどこにでも同じような大きな窓を付ければ良い、というものでもありません。
大切なのは、そこから「何を見たいのか」「どう過ごしたいのか」を考えることだと思っています。
小さな窓にも、ちゃんと役割があります
これまでの施工写真を見返してみると、外観に小さな窓を並べた家もあります。
外からの視線をなるべく入れたくない場所であったり、必要な光だけを取り込みたい場所であったり。
窓には、景色を見る以外にもいろいろな役割があります。
大きな窓が目立つ家もあれば、小さな窓を上手に使うことで落ち着いた空間になる家もあります。
窓の大きさそのものより、「そこで何が必要なのか」を考えることの方が大切です。
窓をつくらない壁にも意味がある
もう一つ忘れてはいけないのが、「窓を付けない」という考え方です。
道路に面した場所や、人の目が気になる方向では、むやみに窓を増やさない方が暮らしやすい場合もあります。
また、室内にはテレビや収納、家具を置くための壁も必要です。
家を明るくしたいからと窓を増やしていくと、かえって家具を置きにくくなることもあります。
窓と壁は別々ではなく、どちらも暮らしをつくるために必要なものだと考えています。
■まとめ
窓を見るときは、大きさだけでなく「なぜここにあるのか」と考えてみると、その家の設計が少し見えてきます。これから何回か、これまでの施工写真を使いながら、窓についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
家づくりの中で、窓の大きさや位置について迷われている方も多いと思います。気になることがありましたら、公式LINEからお気軽にご相談ください。
照明の話⑫ 夜の家には、暗さがあってもいい
これまで照明について、どこを照らすか、どんな器具を使うかといったお話をしてきました。今回は少し視点を変えて、「暗さ」について考えてみたいと思います。夜の家は、昼間のように隅々まで明るくしなくてもよい。むしろ暗いところがあるからこそ、光がきれいに見えることがあります。
暗いところがあるから、光がきれいに見える
住宅の照明を考えるとき、どうしても「暗くならないように」と考えがちです。
もちろん、階段や廊下など、安全に歩くために必要な明るさは確保しなければいけません。
ただ、リビングでくつろぐ時間まで、部屋の隅々を同じ明るさにする必要はないと思っています。
壁を照らす光、テーブルを照らす光、棚の下からこぼれる光。そのまわりに少し暗い場所が残ることで、光のある場所がより印象的に見えてきます。
明るさと暗さの差、つまり陰影があることで、夜の室内にも奥行きや落ち着きが生まれるように思います。
夜は、低い位置の光も心地よい
昼間は上から太陽の光が入ってきますが、夜まで天井から強い光だけで過ごす必要はありません。
例えば、リビングではスタンド照明や家具の下の間接照明だけを点けて過ごすこともできます。
寝室でも、寝る前は天井の照明を消して、ベッドまわりの低い位置の光だけにすると、自然と気持ちも落ち着いてきます。
照明を「足す」ことだけではなく、必要のない照明を「消して過ごす」ことまで考えておく。
それも、住宅の照明計画のひとつだと思っています。
『陰翳礼讃』にも通じる光の考え方
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』という随筆があります。
そこでは、日本の建築や暮らしの中にある、明るさだけではない「陰影の美しさ」が語られています。
もちろん、昔の暮らしをそのまま今の住宅に取り入れるということではありません。
ただ、すべてを明るく照らすことだけが美しさではない、という考え方には、今の住宅照明にも通じるところがあるように思います。
光があるところと、影になるところ。その両方があってこそ、素材の表情や空間の奥行きも感じられる。
夜の家だからこそ楽しめる、そんな照明があってもよいと思っています。
■まとめ
照明について、ここまでいろいろな角度から書いてきましたが、まだまだお伝えしたいことがあります。明るくするだけではなく、暗さや陰影まで含めて空間を考えるのも照明の面白さです。また良い実例やお話ししたいテーマが出てきましたら、引き続きご紹介していきたいと思います。
モデルルームでは、昼間とはまた違う、夜の照明や陰影のある空間もご覧いただけます。見学のご予約は、公式LINEからお気軽にお問い合わせください。










